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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

久しぶりのテディ・キング

2010-01-28 11:43:08 | ●Weblog
 知らなかったのは僕だけか、1960年代初期、トーレンスのTD124(本体のみ)は日本で一体いくらくらいだったのかと。そこのところに答えまでいかなくても、さすが斯界のトップ、GREYのblogが決定的なヒントを出してくれた。おかげでこういう筋書きができた。 1960年、英国で頒価40.17ポンド+一種の消費税13.15ポンドで計約54ポンド。これは、英オーディオ誌の広告にビシっと明記。当時の1ポンドが1,018円くらいだったそうだから、円建てにすると約55,000円。1960年、日本の平均大卒初任給12,190円と照らすとその約4.5倍だ。それが日本に入ってきた時はどうだったんだろう。まあこの際、おおよそ倍の10万円だったとしよう。するとだ、初任給の8.2倍となり、今なら単純換算で160万円クラスに相当することになる。
そこで、『スイングジャーナル』誌のバックナンバーを当たってみた。中でも、テディ・キングが表紙の1960年2月号。こうなると、洋服ダンスを片づけると出てくる、底敷きの古新聞より読みでがあるから始末悪い。が、目当てはレコード・プレーヤーで、一番目に焼き付いたのが、ニート音響電気株式会社の広告。いや、詰まるところ話は価格ではなくて、LP再生が始まってから、基本は何も変わっちゃいないアナログ・メカのこと。そして、以来半世紀にもなるこのメカの理解をロクに育んでこなかった横着。ニートの広告面から警鐘の和音がゴンゴン響いてきて、今度こそ一般平民の行けるところまで行ってみよう、と。そういえば、H先生、オルトフォンは見つかりましたか?