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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

♪メロディ・ガルドー

2009-02-22 17:27:09 | ●Weblog
 前作『夜と朝の間で』の歌にカメラを向けたとすると、F1.4レンズの絞り開放、シャッター速度15分の1ほどでやっと何かが写る感じだったのが、メジャー第1弾の最新作『マイ・オンリー・スリル』(邦題)は、シャッター速度はもはやどうでもよく、何より先に絞り値をできる限り大きくとることが肝心だ。ラリー・クラインがプロデュースし、ヴィンス・メンドーサが編曲し、意表を突くもてなしの〈虹の彼方に〉を収録、などはほかでも出てくるだろうから、ひとまず言っておきたいのはそこかな。トーチ・シンガーのまわりに光が立ち込め始めた、とも言えるかも知れない。ただ、それでももちろん、闇のトンネルから完全に抜け出たわけもなく、軽くはじけるリップ・ノイズにも、小刻みな喉の震えにも、直視し続けられない何かが相変わらず憑いている。ストリングスやホーンズを後ろに配しながらのこの調子には、やはりこの娘の危うい天才を身に染みて思うしかない感じだ。なお、添付したアート・ワークは、「Promotional Use Only-Not For Sale」盤からのもので、これがまんま製品になるかは未確認なのを念のため。どっちにしても、この絵柄だけで「来るなあっ!!」という手応えに変わりはないけど.....。