もとdaregaitsdoco.com

成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

体操世界選手権

2006-10-22 23:58:32 | ●体育会系
 優勝、16.487点なんていう、とんでもない新尺度の世界コンペが終わろうとしている。コマネチの10点満点連発の分かりやすさに比べ、得点を見ただけで演技の優劣が分かる時代がついに終わった。『Down Beat』と『スイングジャーナル』にある「五つ星=5 Stars」が、15、16個になっちゃった感じに、正直なところ演技を見ない限り訳が分からず、ただでさえ人気が閉塞状態の体操界を心底から憂えて止まない。ちょっと前、行きつけの有楽町の赤提灯で、隣り合わせた妙齢の女性が鉄棒の蹴上がりって何? というので身振り手振りで説明した。大逆手車輪、シュタルダーとか付け加えたら、美女の目つきは宇宙人相手のようになった。中学の3年間、体操部、高校ではしょぼい体操同好会員。あれから30余年、このスポーツに女の子が叫声を上げるようなブレイクがあっただろうか。評価を複雑化させるほど冬が険しくなるばかりなことに、世界の筋肉マンOBたちは早く目覚めて欲しい。ただ、富田選手がひねりワザを決めるたびに客席から黄色い声が上がったら、ちょっとフリーク・ショウっぽくなっちゃうかな。今も夢なのは、監物選手が最初の、逆手車輪から大逆手への一気切り返し。そういう渋い激務が加点要素にならなくなった今、この競技は中国雑伎団的トリッキーに占拠されかねない。