●ティネカ・ポスマ/インタヴュー by 成田 正(05年12月3日/『Jazz Today』に掲載)
--オランダで女性サックス奏者といえばキャンディ・ダルファー。彼女はお父さんのもとで鍛えられましたが、あなたは?
Tineka Postma(以下TP):祖父がアマチュアでクラリネットをプレイしただけ。でも、その影響でしょうね。祖父がよく家でジャズを聴いてまたしたから。
--それで9歳になると、アルト・サックスばかりかピアノとフルートも始めた。3種類もやるとはずいぶん欲張った?
TP:ピアノはおもちゃ代わりね。外で遊ばず、家に帰るとピアノにまっしぐら(笑)。それに比べサックスとフルートは、メロディ感の強さに惹かれました。
--よく聴いたジャズ・ミュージシャンは?
TP:キャノンボール・アダレイとマイルス・デイヴィス。デヴィッド・サンボーンも好きだったわ。
--アムステルダム音楽院に入ったのは、もちろんプロの道を目指して?
TP:ええ、ジャズ・アルト・サックスを6年間学んで学士号を獲りました。その奨学金でニューヨークのマンハッタン音楽院に5ヵ月間留学したんです。
--デイヴ・リーブマンやクリス・ポッターとか、師事した講師陣は凄い人ばかり。ドラムスのテリ・リン・キャリントンとも仲良しになった。濃厚な5ヵ月だったでしょ?
TP:修士課程でしたからね。それに、NYはライフ・スタイルがとてもエネルギッシュでしょ。ストレス が多い代わりに、高いレベルのプレッシャーがあるのも楽しかった。
--デビュー作『ファースト・アヴェニュー』の発表が03年。それから今まで、カヴァーよりオリジナル曲に重きを置いてきたようですね。
TP:今のところはそうですが、避けてるわけではありません。スタンダード・ソングも大好きよ。
--では、今度のセカンド・アルバム『フォー・ザ・リズム』でフォーカスしたことを教えてください。
TP:私自身の成長を聴いてもらえる作品にしたかった。ずっと曲を書いてますから、どうしてもオリジナルが多くなります。それらを、テリ・リンのような素晴らしいミュージシャンとプレイすることで、高い次元に引き上げたかったの。と言うかそうできたと思うわ。楽器のヴォイスも私なりのものでね。
--確かに前作では聴けなかった何かが引き起こってますね。
TP:そう聴いてもらえると嬉しいわ。音楽家としてのクリエイティヴな面が、ここから聞こえてくるかしら?
--もちろん。
TP:これからもそのことなの、集中していきたいのは。音楽を通してクリエイティヴな自己を押し出すことね。『フォー・ザ・リズム』はまだそのプロセスのほんの途中に過ぎないけれど、そういう私の意志を感じてもらえたら何よりね。
--それには普段のライヴ活動が肝心。最近の状況は?
TP:軸になるのは私のクインテットで、クラブやジャズ・フェスティヴァルに出てきました。音楽スタイルは、ハード・バップとファンクを一緒にしたようなグルーヴィーな感じのものが多いわね。それと、11月はダイアン・リーブスとテリ・リンとのツアーでカーネギー・ホール公演もあって、来年はエリントン作品をカヴァーするツアーを始めます。その他はビッグ・バンドやセッションにも顔を出して.....、忙しいわ(笑)。
--では、12月の初来日公演にも期待しています。
TP:私もこれを機に日本のジャズ・ファンの方々と関わりが持てるようになるのが、とても楽しみです。
(ジャケ写真は『フォー・ザ・リズム』55 Records/FNCJ-5510)
--オランダで女性サックス奏者といえばキャンディ・ダルファー。彼女はお父さんのもとで鍛えられましたが、あなたは?
Tineka Postma(以下TP):祖父がアマチュアでクラリネットをプレイしただけ。でも、その影響でしょうね。祖父がよく家でジャズを聴いてまたしたから。
--それで9歳になると、アルト・サックスばかりかピアノとフルートも始めた。3種類もやるとはずいぶん欲張った?
TP:ピアノはおもちゃ代わりね。外で遊ばず、家に帰るとピアノにまっしぐら(笑)。それに比べサックスとフルートは、メロディ感の強さに惹かれました。
--よく聴いたジャズ・ミュージシャンは?
TP:キャノンボール・アダレイとマイルス・デイヴィス。デヴィッド・サンボーンも好きだったわ。
--アムステルダム音楽院に入ったのは、もちろんプロの道を目指して?
TP:ええ、ジャズ・アルト・サックスを6年間学んで学士号を獲りました。その奨学金でニューヨークのマンハッタン音楽院に5ヵ月間留学したんです。
--デイヴ・リーブマンやクリス・ポッターとか、師事した講師陣は凄い人ばかり。ドラムスのテリ・リン・キャリントンとも仲良しになった。濃厚な5ヵ月だったでしょ?
TP:修士課程でしたからね。それに、NYはライフ・スタイルがとてもエネルギッシュでしょ。ストレス が多い代わりに、高いレベルのプレッシャーがあるのも楽しかった。
--デビュー作『ファースト・アヴェニュー』の発表が03年。それから今まで、カヴァーよりオリジナル曲に重きを置いてきたようですね。
TP:今のところはそうですが、避けてるわけではありません。スタンダード・ソングも大好きよ。
--では、今度のセカンド・アルバム『フォー・ザ・リズム』でフォーカスしたことを教えてください。
TP:私自身の成長を聴いてもらえる作品にしたかった。ずっと曲を書いてますから、どうしてもオリジナルが多くなります。それらを、テリ・リンのような素晴らしいミュージシャンとプレイすることで、高い次元に引き上げたかったの。と言うかそうできたと思うわ。楽器のヴォイスも私なりのものでね。
--確かに前作では聴けなかった何かが引き起こってますね。
TP:そう聴いてもらえると嬉しいわ。音楽家としてのクリエイティヴな面が、ここから聞こえてくるかしら?
--もちろん。
TP:これからもそのことなの、集中していきたいのは。音楽を通してクリエイティヴな自己を押し出すことね。『フォー・ザ・リズム』はまだそのプロセスのほんの途中に過ぎないけれど、そういう私の意志を感じてもらえたら何よりね。
--それには普段のライヴ活動が肝心。最近の状況は?
TP:軸になるのは私のクインテットで、クラブやジャズ・フェスティヴァルに出てきました。音楽スタイルは、ハード・バップとファンクを一緒にしたようなグルーヴィーな感じのものが多いわね。それと、11月はダイアン・リーブスとテリ・リンとのツアーでカーネギー・ホール公演もあって、来年はエリントン作品をカヴァーするツアーを始めます。その他はビッグ・バンドやセッションにも顔を出して.....、忙しいわ(笑)。
--では、12月の初来日公演にも期待しています。
TP:私もこれを機に日本のジャズ・ファンの方々と関わりが持てるようになるのが、とても楽しみです。
(ジャケ写真は『フォー・ザ・リズム』55 Records/FNCJ-5510)