勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 / Darkest Hour

2018年04月01日 | 洋画(イギリス系)
チャーチルの第一次内閣発足から、ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)までの4週間を描いた映画。

ゲイリー・オールドマンが第90回アカデミー賞で主演男優賞、辻一弘が同じアカデミー賞で、その主演男優賞のゲイリー・オールドマンを似ても似つかないウィンストン・チャーチルに“変身”させた事で、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。

ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)と言えば、昨年、クリストファー・ノーランの『ダンケルク』がありましたが、その撤退作戦に至るまで、イギリス政府指導部の内部では、こんな政治的な暗闘が繰り広げられていたんですね。チャーチルが、首相就任の頃、ここまで仲間の政治家たちに人気が無いとは知りませんでした。“挙国一致内閣”と言いながら、全然挙国一致していない。隙あらば足元を掬おうとしている政敵ばかり。リアルに国家の危機に瀕しているのに、議会政治の先進国であるイギリスにおいてすら、こんな状況なのかと、驚きました。まだまだ議会政治の世界で言えば野蛮な国である日本が、下らん政治的駆け引きに終始しているのも仕方ないのかな・・・。

それと思ったのが、いつの時代も、政党を移るような政治家は、政治家から嫌われるんですね・・・。日本でもそうですよね。

って言うか、乱世には暴れん坊・・・。日本でも、戦後の乱世の時代、チャーチルとどことなく風貌の似ている吉田茂が首相になって、長期政権を築いたことに気が付きました。政治家仲間から、なんとなく嫌われているのも似ていますね。

映画の話に戻ります。

ゲイリー・オールドマンがチャーチルを熱演していますが、彼の強気一辺倒のところだけではなく、党派争いで弱気になったり、アメリカからの援助を得ることが出来なくて絶望の淵にたったりと、様々な表情を上手く演じています。確かに主演男優賞モノですね。

上記の通り、似ても似つかないゲイリー・オールドマンがチャーチルになってしまったのですが、それ以外にも、顔を知っている人で言えば、チェンバレンも何となく似ていました。

最後ですが、微妙に“邦題あるある”に汚染されていますね。確かにチャーチルは、ヒトラーに勝ったわけですが、この作品は、その最後のところまでは映画いておらず、政権当初の立ち上がりの部分だけを描いています。そういう意味では、“ヒトラーから世界を救った男”と言うのは、言い過ぎでは無いかと?

タイトル ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 / 原題 Darkest Hour

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イギリス
監督 ジョー・ライト
出演 ゲイリー・オールドマン(ウィンストン・チャーチル)、クリスティン・スコット・トーマス(クレメンティーン・チャーチル/ウィンストンの妻)、リリー・ジェームズ(エリザベス・レイトン・ネル/ウィンストンの秘書)、スティーブン・ディレイン(ハリファックス子爵エドワード・フレデリック・リンドリー・ウッド/外務大臣)、ロナルド・ピックアップ(ネビル・チェンバレン/枢密院議長)、ベン・メンデルソーン(国王ジョージ6世)、ニコラス・ジョーンズ(サイモン子爵ジョン・オールスブルック・サイモン/大法官(貴族院議長))、サミュエル・ウェスト(アンソニー・イーデン/陸軍大臣)、デビッド・バンバー(バートラム・ヒューム・ラムゼー提督/ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)責任者)


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