勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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サンバ / SAMBA

2014年12月27日 | 洋画(フランス系)
最強のふたり』のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの両監督と主演のオマール・シーが再び結集した作品。

軽妙なリズムで物語は進んでいきますが、描いているのはじつは深い、フランスの移民問題を描いた作品なんですね。正面から“移民”と言う問題を描くと、固くて、劇映画というよりもドキュメンタリーの様になってしまいがちですが、上手くシセとアリスの関係を絡み合わせて、コメディ感たっぷりに難しい移民問題を描いています。上手いです。

シャルロット・ゲンズブールが、燃え尽き症候群のキャリア女性を非常に上手く演じています。突然キレるシーンにはちょっと笑いました。

でも、何と言ってもこの作品のキモは、オマール・シーですね。『最強のふたり』での第37回セザール賞主演男優賞は伊達では無いですね。運命に翻弄される不法移民の男性を上手く演じています。

日本に居ると、“移民”と言う言葉はどこか遠い世界の話ですが、フランスでは普通に身近な問題なんですね。いわゆる3K的職場で働くのは、そのような人々なんですね。先に「日本ではいみんという言葉は遠い世界」と書いてしまいましたが、コンビニやファストフードの現場を見ると、実際にはそうでも無いかもねぇ。建前としては、日本では不法移民ではなくて留学生ということになっているけど、実態としては留学生の名を借りた出稼ぎ者であったりしますからねぇ。

物語の最後には“共和国宮殿”とたぶん読む、国家憲兵に警備されている所にサンバは居ましたよね?あれって、エリゼ宮?サンバが出てくる玄関も、エリゼ宮風に見えるんだけど?そう言う所が、移民問題の根深さと広がりを示しているような気がしました。移民が居ないと、国が成り立たないと言うことなんですかね。

タイトル サンバ / 原題 SAMBA
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/フランス
監督 エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
出演 オマール・シー(サンバ・シセ)、シャルロット・ゲンズブール(アリス)、タハール・ラヒム(ウィルソン)、イジア・イジュラン(マニュ)

[2014/12/27]鑑賞・投稿


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1 コメント

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明日は我が身か? (atts1964)
2015-01-26 12:15:17
人口減少問題で、フランスが打った手が確か移民受け入れ政策ですよね。
先進国共通の問題ですが、もちろんいろんな問題が生じているんでしょうね。我が国もいずれはそういう選択をする時代が来るのでは?そんなことを感じた作品でした。
TBお願いします。
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