落葉松亭日記

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北朝鮮情勢 ー2

2017年04月22日 | 政治・外交
朝鮮半島に向かっているとばかり思われていた米空母「カール・ビンソン」はインド洋に移動していたという。
今日のニュースでは、同空母は数日中に日本海に到達するという。
米空母、朝鮮半島向かわずインド洋に移動 連絡ミスか 2017.04.19 Wed posted at 10:08 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35099993.html?tag=top;subStory

米空母カール・ビンソンを主軸とする打撃群がインド洋に向かっていたことが明らかに

(CNN) 北朝鮮による挑発行為への対抗措置として、シンガポールから朝鮮半島近海へ派遣されたはずの米原子力空母カール・ビンソンが、実際は逆方向にあるインド洋での演習に向かっていたことが19日までに分かった。
米国のある政権高官は、国防総省とホワイトハウスの間に連絡ミスがあったとの見方を示している。
米太平洋軍司令部は今月8日、カール・ビンソンを中心に編成する打撃群がシンガポールを出港し、西太平洋へ移動すると発表した。米軍当局者はCNNに、北朝鮮の牽制(けんせい)が目的だと語っていた。

これを受け、トランプ米大統領はテレビ局とのインタビューで「艦隊を送り込んでいる。とても強力だ」と語った。数人の側近らも空母派遣に言及した。
北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は空母配備を「無謀な侵略行為にほかならない」と非難していた。

しかし太平洋軍司令部の発表直後、複数の米当局者がCNNに、打撃群はまずオーストラリア海軍との軍事演習を予定通りに済ませる予定だと語った。一方、マティス国防長官は先週の記者会見で、演習は中止されたと発言。国防当局者らがこれを打ち消し、中止されたのはオーストラリアへの寄港だと修正するなど、情報が交錯していた。
複数の国防当局者がCNNに語ったところによると、打撃群は今月末までに朝鮮半島近海に到着する見通しだという。

今回派遣された打撃群は、戦闘機を60機あまり搭載できるカール・ビンソンをはじめ、ミサイル駆逐艦の「ウェイン・E・マイヤー」と「マイケル・マーフィー」、ミサイル巡洋艦「レイク・シャンプレイン」などで構成されている。
一方、北朝鮮は米海軍が朝鮮半島周辺に空母を派遣したことに反発。シリアの空軍基地に対してミサイル攻撃を行ったことなども踏まえ、米国が「危険な状況」をつくり出しており、「世界の平和と安定に重大な脅威を及ぼしている」「朝鮮半島情勢を戦争の瀬戸際まで追い込んでいる」などと非難している。

米空母カール・ビンソン、「数日中」に日本海へ ペンス副大統領 2017年04月22日 13:47 発信地:シドニー/オーストラリア
http://www.afpbb.com/articles/-/3126050?cx_part=txt_topstory

【4月22日 AFP】北朝鮮情勢が緊迫化する中、マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領は訪問先のオーストラリアで22日、原子力空母カール・ビンソン(USS Carl Vinson)が数日中にも日本海(Sea of Japan)に到着すると述べた。
 ペンス副大統領はシドニー(Sydney)で報道陣に対し、「われわれの考えでは、カール・ビンソン(を中心とする空母打撃群)は数日中、今月末までには日本海に配備される」と述べた。
 米軍は先週、カール・ビンソンは朝鮮半島(Korean Peninsula)に向かって北上していると発表したが実際には一時南下していたことが明らかになり、同空母の所在に関するドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の情報は錯綜(さくそう)していた。(c)AFP

北朝鮮は・・・
北、戦争辞さずと声明 米国を非難 「日本列島が沈没しても後悔するなよ」と威嚇2017.4.21 23:56
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/170421/wor17042123560027-n1.html

 北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は21日、トランプ米政権が空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海へ向かわせるなど対北朝鮮圧力を強めていることを非難し、「わが軍と人民はいかなる特段の選択もいとわない」として戦争も辞さないとする報道官声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
 声明は、ペンス米副大統領が訪韓した際「米国の決意を読み誤ってはならない」と北朝鮮を牽制(けんせい)したことなどにも反発。「水爆から大陸間弾道ミサイル(ICBM)に至るまで持つべきものは全て持っている」と主張し「われわれの首脳部を狙う敵対勢力は、南朝鮮(韓国)が灰となり日本列島が沈没し、米本土に核が降り注いだとしても後悔してはならない」と威嚇した。(共同)

半島に米原潜など50隻集結! 金正恩氏はのど元に「トマホーク」を突き付けられている状況:2017.4.21
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/print/170421/wor17042120500019-c.html

 朝鮮半島の周辺海域で「水面下の戦い」が繰り広げられている。米国と北朝鮮、中国、日本、韓国、ロシアなどの50隻前後とみられる潜水艦が、息を殺して、お互いをけん制しているのだ。ドナルド・トランプ米大統領は「無敵艦隊を派遣した。空母よりずっと強力な潜水艦も持っている」と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に警告した。水中から巡航ミサイルのターゲットにされた正恩氏は、「6回目の核実験」を強行できるのか。

 「アジア太平洋地域の平和と安全にとって、北朝鮮は最も危険で差し迫った脅威だ」「われわれはいかなる攻撃をも打ち負かし、通常兵器や核兵器が使用された際にも、米国は圧倒的かつ効果的に対応する」

 マイク・ペンス米副大統領は19日、米軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中の原子力空母「ロナルド・レーガン」の艦上で、米兵や自衛隊員らを、こう強く激励した。

 北朝鮮は来週25日の「建軍節」(朝鮮人民軍創建記念日)に合わせて、「6回目の核実験」や「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射」を強行する可能性が指摘されている。

 いずれも、トランプ政権が設定する「レッドライン」(越えてはならない一線)といわれ、北朝鮮が暴挙に踏み切った場合、トランプ氏は「斬首作戦」「限定空爆」を命じることも示唆している。北上が遅れていた原子力空母「カール・ビンソン」も、25〜28日頃には朝鮮半島近くの日本海に到着する見込みだ。
 中国の習近平国家主席は、トランプ氏がシリア攻撃で見せた覚悟を受けて、北朝鮮の暴発を押さえ込もうと、さまざまなチャンネルで交渉を試みているとされる。
 朝鮮半島をめぐる神経戦が続くなか、周辺海域では「究極のステルス兵器」といわれる潜水艦の情報が相次いでいる。・・・・・

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成29年(2017)4月19日(水曜日)  通算第5269号
http://melma.com/backnumber_45206/

4月27日(新月)の北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?
  米国の「レッドライン」は、いまだ具体策が意味不明


 「北朝鮮がレッドラインを越えたら、米国は単独でも行動する」とトランプ大統領は習近平にも直接言った。中国が北の暴走を押さえ込めると推測したわけだが、中国の軍を掌握していない習に、そんな力はない。
 日本の新聞はさかんに習近平が権力態勢を磐石としていると分析しているが、北京情報筋からの分析はまるで逆である。
 軍の抗議集会が北京のど真ん中に展開されるという前代未聞の事態が出来している。

 米国の言う「レッドライン」とは具体的に何を意味するのか。

メディアは「北が核実験をしたとき」「北がICBMの発射事件をおこなえば」と報じているが、トランプ政権は「あらゆる選択肢が卓上にある」と曖昧に表現するだけで、この中味は巡航ミサイル数百発発射して核兵器施設、ミサイル発射基地、軍事施設の全てを攻撃するという壮大なシナリオから、金正恩の「斬首作戦」にとどめおき、北の新体制と核凍結の交渉をするアイディア、対シリアのように象徴的に打撃を与えるプランまでが飛び交っている。

 巷間囁かれてきたのは4月27日が「新月」となるため、この日に米軍の軍事作戦が行われるだろうという推測だった。
 新月は言うまでもなく太陽と月が一線となるため、夜中に月明かりがない日である。

タイミングから言えば4月25日に北が建軍記念日を迎えるため、祝賀ムードに湧く北朝鮮は核実験をおこなう可能性が高いからだ。
それがレッドラインを越えたと判断し、ミサイル攻撃、あるいは特殊部隊の上陸作戦があると言われた。
 アルカィーダの首魁だったオサマ・ビン・ラディンがパキスタンに潜伏中の隠れ家を襲ったのも、新月だった。

 トランプ大統領としては、振り上げた拳を降ろさなければならない。低迷気味の人気回復にはもってこいの作戦ともなる。
 急浮上している作戦アイディアは、金日成、正日親子の巨大な銅像を破壊するという象徴的襲撃作戦だ。
 これは複合的効果を産む。つまり独裁者二人の銅像を破壊すると、民衆は体制崩壊と誤認し、反政府暴動に発展する可能性がある。
また軍高層部、警察、秘密警察がいかなる反応をするか、つまり権力機構の通信、命令系統がどのようは反応をするかを見て取れるわけで、同時に通信設備や発電所の破壊も行われるだろう。 北朝鮮の軍や警察が相互の通信がとれなくなれば、有効な反応が出来ないばかりか、防衛体制が機能せず、無秩序状態に陥るだろう。

▼しかし、攻撃は遠のいたのではないか

   シンガポールを出航した米海軍カールビンソン空母攻撃群は、朝鮮半島近海にはほど遠く、まだインドネシア沖を航行中であることが分かった。
一つには追尾している中国とロシア艦船に対しての陽動。いま一つは南シナ海を北上していないので、東シナ海へやってくるにはまだ時間がかかる。
 だが、もう一つ顕著な理由がある。軍を動かすトランプ大統領に進言するべきマティス国防長官は、いまサウジアラビアにいる。
 ペンス副大統領は日本にあって、19日には空母ロナルドレーガン艦上で演説する。
 マクマスター安全保障担当大統領補佐官はインドにいる。

 最終決定をする三人がワシントンに不在とあって軍事行動を決定する態勢にはない。