落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

心配な台湾

2014年09月03日 | 政治・外交
安倍政権は国内の経済政策で一抹の不安はあるものの、外交政策では着々と成果を上げ、このほど来日したインドのモディ首相と両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)設置の検討で合意を得たという。南シナ海やインド洋のシーレーンの安全保障を守る意味合いがある。
安倍氏は日本とハワイ(米国)、オーストラリア、インドの4カ所をひし形に結ぶ「安全保障ダイヤモンド構想」を提唱しており、その一歩となった由。

そんな中、台湾の行く末がはっきりしない。親日国で先の大震災でも多大な援助があった。
だが、日本政府の外交上は台湾より中共優先で「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」との主張を「理解」するとしている。民間レベルでは日台は親密だ。
台湾は日本にとっては不沈空母、米にとっては日本・台湾は不沈空母とよく云われる。
戦前、台湾は日本だったが、敗戦で台湾を放棄したので台湾は台湾人のものと思うが、日本人とよく似た温和な国民性と見受ける、悪く云えばこれまた日本人と同様、事なかれ主義で未だに独立を果たしていない。
台湾が中共のものになれば、「安全保障ダイヤモンド構想」は破れてしまう。

メルマガ「Andy Changの国際ニュース解説」 2014年9月1日より
[AC論説] No.510 複雑な台湾の政治事情
http://www.melma.com/backnumber_53999

産経新聞によると安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」は完成間近 だそうで、まことに心強い。ベトナムとフィリピンも入れれば私の PASEA構想と同じになる。米国、殊にオバマは期待出来ないから日 本が主体になってやるべきだ。

アジアの平和は中国の覇権侵略を防ぐことだが、最も重要なことは 台湾が中国に併呑されないことである。台湾が併呑されたら防衛線 が総崩れになる。

それなのに台湾人の政治家、評論家は国際問題に関心がなく、選挙 しか関心を示さない。台湾の政治事情は複雑で、民進党が中華民国 の政権を取っても中国の影響から抜け出せないばかりか、親中路線 を取る可能性が高い。選挙に勝っても中国に併呑されれば台湾人は 中国の奴隷になり、アジア諸国も平和でなくなるしアメリカにとっ ても一大脅威である。

●アメリカの責任
台湾の複雑な事情はアメリカに大半の責任がある。アメリカは中華 民国を承認しないから中華民国の代わりにタイワンと呼ぶようにな ったが、台湾独立を援助せず中国の恫喝を恐れて台湾人に「海峡両 側の平和な解決」を呼びかけ、それ以上のことをしない。中国が台 湾併呑をやめない限り平和解決はありえない。

台湾が独立すれば中国が武力で恫喝すると言うからアメリカは独立 に賛成しない。中国の脅威に対抗できないのである。中国は武力で なく経済侵略で併呑を図るが、米国が黙視しているため、慢性的に 併呑され平和が総崩れになる。

民進党は選挙に勝つため中国に媚を売る。台湾人は媚中に反対だが 中国人に政権を取られるよりはマシと思っている。媚中政権はいず れ併呑される。民進党に反対して独立運動を進めると米国の反対が 怖いし中国の恫喝も怖い。

●八方塞がりの台湾
独立にはどうしてもアメリカの援助が必要だが、アメリカは介入し たくないから現状維持を強要する。いつまで現状を維持するのか、 いつまで維持できるか?現状維持が出来なくなったらどんな結果に なるのか。

選挙に頼るしかないと言っても民進党は頼りにならない。独立運動 は中華民国を倒すことだが、警察も軍隊も味方につけていないから 抗議は警察に弾圧される。ヒマワリ学生運動は平和な抗議運動だっ たが民衆は声援しても参与しないから後続の運動がない。しかもア メリカは助けてくれない。

民衆運動は平和な抗議運動だからアメリカは反対も賛成もしない。 民衆運動がもっと大きくなればアメリカは援助するかもしれないが、 決まった行動方針がない。つまり現状とは八方塞がりである。

●台湾の軍隊事情
アメリカは台湾関係法で台湾が中国の武力攻撃を受ければ武力で阻 止する決心があるという。中国の武力攻撃が始まったら台湾の軍隊 が一時的でも攻撃を阻止しなければならない。だが今の台湾の軍隊 は殆ど役に立たない。

台湾軍の装備はアメリカが提供したものである。陸海空の軍備は相 当の数量を持っているが、いずれも老朽化している。タイワン政府 も台湾人の政治家もアメリカに最新装備の提供を要求しているが、 最新武器の提供はタイワン軍部に問題がある。アメリカが提供を渋 る理由は新式武器を持って中国に逃亡する軍人がいることだ。軍人 には最新機密を中国に売る者もいる。新装備を売らないのではなく、 売ったらアメリカの新技術、機密、防衛計画なども中国に盗まれる。

装備の他に台湾の中国人軍人は台湾防衛の決心が薄い。兵士の問題 より高級幹部が中国に対する士気を喪失しているからである。台湾 軍の高級幹部は中国人が多く台湾人が少ない。中国人の幹部は機密 を守れない。退役した最高級の将軍たちが中国を訪問して中国の軍 人幹部と歓談し、台湾軍の退職金を続けて貰いながら中国に移住す る幹部も居る。台湾軍の機密は筒抜けである。

こんな軍隊が中国と戦争したらアメリカの援軍が来るまで、数日内 に降参するかもしれない。敵に寝返って味方を攻撃するかもしれな い。アメリカはこんな事情を知っているのか、どんな対策があるの か。台湾人にはどんな対策があるのか。

●独立運動に不可欠な要素
選挙だけが独立運動ではない。台湾独立にはいくつかの不可欠要素 がある。だが不可欠要素を真剣に探る指導者が居ない。今の独立運 動はたくさん主張があるのに大切なことをやっていない。台湾独立 運動は意見が多く互いに非協力的で統一した主張と行動が取れない のが問題だ。以下に述べる諸条件を実施出来る指導者が欲しいと切 に思う。

まず第一に、台湾独立には米国の援助が必要だが米国の曖昧政策で 実際行動は何もしていない。現状維持は中国の経済侵略と人口侵略 を防ぐことが出来ない。台湾の存亡はアジア、米国の危機であると 米国に知らせ、米国の台湾独立を援助を要請すべきである。

ロビー活動は台湾人の独立主張を援助させることだが、一部のグル ープ、TCGやTGUSAなどはSFPTの第23条に依れば米国が台湾の占領 権を持っていると主張し、米国の責任を追及する態度を取っている。

SFPTには米国が台湾の占領権を持つと書いていない。アメリカは台 湾の占領権を持っていない。米国に頼るくせに米国を譴責して相手 を怒らせるだけである。しかも譴責する理由が間違っている。この グループの主張は無益有害である。林志昇のTCGグループは台湾は 日本天皇の領土であると主張しているが根本的に根拠がない。この グループも無益かつ有害である。サンフランシスコ平和条約の内容 を調べればすぐにわかる嘘で一部の台湾人を騙せても米国や日本は 騙されない。

台湾独立運動は米国の支持だけでなく、日本や東南アジア諸国の援 助も必要である。台湾人は選挙に没頭して国際外交を無視している。 これではアジア諸国の応援と支持が得られない。

台湾国内で選挙より大切なのは独立意識を高めて人民の一致行動を 呼びかけることだが、主張がまちまちだから民衆は独立意識があっ ても参加しない。人民が参与しなければ何事も成功しない。

独立運動は公務員、警察と軍隊の宣伝に力を入れるべきである。歴 史が証明するように政府反対運動は警察と軍隊の参加がなければ成 功しない。

■対中抑止へ完成間近 安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」 2014.09.02
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140902/plt1409021233003-n1.htm