落葉松亭日記

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「遺棄」化学兵器処理に3000億円

2006年12月16日 | 政治・外交
日中共同で遺棄兵器処理機構…吉林で回収着手へ (2006年12月15日3時0分 読売新聞)
 日中両政府は、旧日本軍が中国に残した化学兵器の回収・処理を円滑に進めるため、2007年1月にも「日中遺棄化学兵器処理連合機構」を設置する方針を固めた。
 21日に東京で開く日中実務者協議で正式合意する。
 両政府は連合機構の設置後、中国国内で最多の約40万発の化学兵器が埋蔵されている吉林省ハルバ嶺での回収事業に本格的に着手する。
 日中の連合機構は、ハルバ嶺に大規模な発掘・回収施設と処理施設を建設し、回収した化学兵器を無害化する事業の主体となる。中国政府が機構設立に関与することで、事業に必要な道路や電気、水道の基盤整備、環境アセスメント(影響評価)などの許認可作業を円滑に進める狙いがある。
 日中の代表2人が連合機構の共同のトップとなる。日本側は遠藤善久・内閣府遺棄化学兵器処理担当室長、中国側は劉毅仁・外務省日本遺棄化学兵器問題処理弁公室主任を充てる方針だ。
 日中両国は05年末、連合機構の設置で基本合意したが、その後、日中関係の悪化で調整が難航していた。
 連合機構による兵器処理などの経費は日本側が負担する。発掘・回収施設建設に約973億円、さらに処理施設建設には2000億円以上の費用が必要とされている。

 「正論」2006年6月号で遺棄化学兵器は中国に引き渡されていた。~残っていた兵器引継書~(記事:ジャーナリスト水間正憲氏) というスクープ記事があった。その後10月号まで詳細が連載された。

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  山形県にある全国抑留者協議会のシベリア資料館で「旧日本軍兵器引継書」を発見した。斉藤六郎・元全国抑留者協議会会長が1990年代にロシア各地の公文書館などから合法的に日本へ持ち帰ったもの。
 内容は、全終戦直後に中国全土で整然と武装解除に応じ何の例外もなく中国側へと引き渡したことが記されている。この中には「化学弾」も含まれている。
 引継ぎ書は約600冊あり、受者(中国人)には身分、署名、捺印があり、通常兵器、化学弾のほか発煙弾発煙筒のほか日用品まである。これによって所有権は中国に移転しており遺棄ではないことがはっきりしている。

 平成11年 日中間で「中国に於ける日本の遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」が締結される。日本の中国に対する戦争賠償は「日中共同声明」ですべて解決済みであるにもかかわらず、この覚書が「日中共同声明」の無力化につながった。この条約には「旧日本軍が遺棄したと認められる場合」との最低限入れるべき条件が何処ないも入っていない。外務省が原理原則を主張しなかった結果である。

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 これらの記事を通読すると、外務省はろくな調査もせず中共のいいなりになったという感が強い。外務省チャイナスクールの連中、そしてまたしても朝日新聞の中国代弁世論醸成記事の結果だ。

 中共での遺棄化学兵器処理事業のプラント建設の受注目的であるゼネコンが中国人に賄賂を拠出した疑いを持たれているそうである。彼らには日本の名誉など眼中にないに違いないとも指摘している。

 処理事業費は最終的には1兆円になるとも云われる。外務省の不作為で尊い血税がむしり取られるのはなんとも悔しい。