「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

新年度はロンドンの優雅な地区に特化した不動産投資を少額からいかが(1) Land of Hope and Glory

2013-04-01 00:00:59 | モノ・お金
アベちゃんのリフレ政策。本当に物価は今後上昇するのだろうか? 



円安はすでに始まっている。昨年に貿易収支は転換点を見ているし、為替相場は長期的には極めて経済ファンダメンタルズを反映する(短期的にはまったく予測不可能で、アベちゃんのことはきっかけに過ぎないと私は思う)のであるからして、それはあっておかしくはない。そのことは物価に反映されるだろう。コアに含まれないとはいえ石油価格も上がるはずで、それは国内の広範囲な物価に影響するはずだ。しかし不思議なもので、これだけの円安にもかかわらず国内のガソリン価格は全然上がっていない。グローバルな需給関係を反映してここしばらくの原油のドル表示価格は、むしろ下がり気味だからだ。WTIはご覧のとおり。



あのバブル経済時代ですら、激しい物価上昇はなかった。そうだとしたら、シッカリした経済成長をともなって物価がゆっくり上昇する、という華やかで理想的な状況は今後本当にあるのだろうか? 驚くことに日本の人口は減り始めている。結婚しないし、子供をつくらない。若年層が歳をとり中年、老年になっても、さらにそのよぼよぼの親の遺産と年金をあてにして寄生したりして、かろうじて生きる時代。食いつぶし社会、日本。



そうこうしているうちにアジア諸国に経済では追いつかれ、我々より彼らの方が相当先進的で、かつ欧米的になった。AQUOSの技術を持ちながら窮地にあるシャープには、台湾からそして次に韓国から救いの手が差し伸べられた。経済的には他国の後塵を拝し、人口は減るが移民受入れにも踏み出さない日本が、そのGDPを拡大することは並大抵ではないだろう。

そうだとすると日本の株式市場の活況って、今後どれくらい続くのだろうか。さらに、局所的あるいは一時的にはともかく、日本の不動産全体の時価の安定的上昇なんてあるのだろうか。昨今先行している日本のREIT人気が長続きするとはとても思えない。そうした日本で我々はどうすればそれなりに豊かに生き延びられるのか。いや、ビジネスを興そうとかいうような大それたことではなく、単に貯蓄、投資としてだ。

話は変わる。Bloombergは世界の富裕層が注目するのは結局ロンドン、ニューヨークの不動産だと伝えている。ニューヨークはわかる。やはり今も世界の中心だから。それは上海ではないのだ。しかし何ゆえ、ロンドン?



結局いつもお金がまず最初に向かうところはココなのだ。正に上記Youtubeの如く Land of Hope and Glory♪ 希望に満ち栄華に溢れる土地・不動産(←意味が違う)。自国の言語とルールと時刻を世界標準にしてしまい、自国企業がどうなろうと外国企業に門戸を開いて結局は自国民が得をし、コスモポリタンに徹する一方その独自の魅力でファンを増やし、老大国と言われて1世紀が過ぎてなお外交には隠然たるパワーを持ち、過去にはひどいことをいろいろとしながらも文句をあまり言われず逆に媚を売られたりする。なんだ、こりゃ?というしたたかな国、英国。

アラブもロシアも、その富豪のカネが向かう先はいつも真っ先にココである。しかもロンドン中心部の比較的優雅な地区の不動産物件。ZIP codeで言うと特にNWとかSWとかWのつく地区の高額不動産が中心だ。ピカデリー。言葉の響きそのものが楽しそうである。


【注意:これは我が家の厨房の画像で、ロンドンではない。レンジフードに磁石ではられたプレートだ】

一旦日本のことに話を戻す。住宅の建替えサイクルの短さでは日本は悪名高く、しかもその住宅が恐ろしく高額である。そのことは、日本の住宅購入者がバカにされていることを意味する。おまけに土地も高額なので、細切れになった区画に家を建てるだけで精一杯。景観の維持に関しては政府も無策で、土地は分割し放題。家は次々建て替えられ自国の建築文化を失っているので統一的で優れた景観を維持すべきという道徳観も希薄になる。住宅とは話が異なるが、日本経済の中心地、丸の内・大手町地区ですら90年代に建てられた一流のオフィスビルが、再開発のため近年壊されたりもした。

結局は「土地以外、長期的には価値がない」というのが日本の多くの居住用不動産だ。日本の場合、数字上、木造家屋は20年少々で減価償却が終了だ。鉄筋コンクリートのマンションだって実はそれほど変わらない。わずかな期間に中古マンションの相場がどんどん崩れて行く様子を見ればそれは明らかだ。人々は建物にあまり大きな価値を認めていないのだ。管理費に加え、長期的にはどんどん上昇しそうなのに購入時にそれが明確にはされない修繕積立金の負担を考慮するとかなりやっかいなものである。



私もロンドンのフラット(集合住宅)やロンドンの外の戸建てに住んだことがあるからわかるけれど、彼の地の住宅の耐久性は日本の住宅のそれとは比較にならない。

ロンドンの居住用不動産は、土地(面積)を買うのではない。ざっくり言うと、ロケーションと建物を買うのである。一般に戸建て住宅販売広告でも、土地面積は書いていない。そして古い物も対象になる。だから●●年築なんてことはあまり書いていない。逆に「19世紀の」なんてことは却ってそれがセールス・ポイントになるので書いてあるが。屋内各部屋の面積だってあまり書いてはいないだろう。例えばこんな具合である。

Four double bedrooms, two reception rooms, detached family home situated in a very quiet cul-de-sac. Gas central heating, double glazing, modern kitchen, separate utility, downstairs wc. Lovely family bathroom and shower room. Very beautiful and comfortable rear garden. Double garage with parking for two cars to front.

「不動産投資」という同じカテゴリーではあっても、日本の不動産投資やREIT(リート)などとはコンセプトが別物だと言える。ロンドンの一流居住用不動産投資は半ば骨董品への投資のようなもの。彼の国のシッカリした建物は世紀の変わり目を2回またいでその価値を上昇させる。



少々意味は違うがこれが参考になる。柳本正人著「英国十九世紀のボロ家を別荘に変えた」。本当のリフォーム、そして住宅の価値とは何かがわかる本だ。日本とは対照的な英国の不動産売買。この本はすでに廃刊のようなので、古本でどうぞ。柳本氏の文章は大変しっかりしている。英国リフォームものの類似の本の中では一番これが良いだろう。

柳本氏はこの本の訳者でもある。



英国関連本なら、我が家は事欠かない。ものすごい数の蔵書がある。

柳本氏の英国住宅リフォーム話は、おかしいほどに実際的だ。外枠はシッカリしていて、中をどんどん変えて、立派な住宅として世紀の単位で住み継がれて行く家。羨ましい話である。

God, who made thee mighty, make thee mightier yet♪・・・やはりあの歌詞のとおり。



同じ不動産投資をするなら、こういうのをやれば良かったと反省しきり。このブログを長くお読みの方々はご存じかもしれないが、私は一部ローンまで使って、相模原市にアパートを建てた。入手した土地や新たに建てた建物の原価があまりに低いため、十分な家賃収入を得て最後には売却益も出てシッカリ税金も取られた。しかしそのリスクの大きさも認識した。そのリスクのひとつは建物の耐性の無さである。



ご覧の画像が、私が建ててその後売却したアパートだ。大きな話の前では、かなり軽薄に見えてしまう。

住宅ローンよりも簡単に銀行がカネを貸してくれるから、アパート投資なんて誰でも始められる。でもそこでちゃんと儲けられるかどうかは別物だ。正直申し上げて日本のアパート投資家の多くは、その苦労に見合わない「負けのビジネス」を強いられているはずだ。そしてそのアパートを適度な価格で売りたいが売れず、嫌になるようなアパート経営を続けている方々も多いと推測する。

話がそれすぎて長くなったので、続きはまた次回記事で。
コメント (8)
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