7月10日の記事「ダウフ・ソッ・カー・チュア・・・とは無関係に、パーキンソンの法則 ・・・そしてガッパオ&ご飯」で、公務員の増殖を論じた同名の法則を紹介したが、他にも同氏の書いた面白い文章を思い出したので、紹介する。そのタイトルが「非建設的建築」である。前回の記事ではパーキンソンの法則を「あちこちで引用されながらも原著にあたってみた人がほとんどいないモノ」として紹介したが、この「非建設的建築」となると、ほとんど誰にも引用されていないだろう。しかしこれは面白い。
概要はこんな感じだ。歴史を振り返ると、役所でも会社でも王国でもその組織が実質的に成長している時は、組織の皆がほとんど間に合わせで仮住まいのようなオフィスあるいは宮殿を使っている。当初は想像も出来なかったスピードで組織が成長するので、建物が追いつかないのである。しかしその組織が成長しきってやがて崩壊、あるいは衰退に差しかかろうとした瞬間に、立派で大規模なオフィスや宮殿の建設計画が持ちあがるのである。逆に言うと、立派なオフィスを持ったということは危険な兆候だ。建設計画が提案されそれを建設している間に組織は衰退に向かい、出来上がった壮大な建築物は衰退した組織の墓場と化す。
私も同様な経験がある。最近は不動産を業としない企業がオフィスビルを新たに所有するということは流行らないが、新たに立派なオフィスビルを借りるということは、今もよく行われている。私が某外資系企業に勤務していた時の話だ。周囲の無数の小さな飲食店から焼き魚や焼き鳥のにおいが漂って来る小さな雑居ビルの中、一つのフロアを確保したその企業は日本で成功を収めつつあった。会社は徐々に成長した。狭い雑居ビルの中の別のフロアが空くたびにそのフロアを借り増し、雑居ビルの中で拡大が続いた。会社が大きくなっているのに、小さなビルの中でいくつものフロアに分かれて仕事をすることはあまり効率が良くない。しかしとにかく賃料が安かったし、突然始まった予想のつかない規模の拡大を前に皆がそれしか方法を考えつかなかったのである。
成長は留まるところを知らず、従業員数は増え続け、やがて会社はリッチになった。普通では考えられないスピードで従業員の給料が上がり、ボーナスが気前よく振る舞われた。ストック・オプションなんてものも出て来た。するとある時外国人トップが「この雑居ビルを出て、当社にふさわしい場所にふさわしいオフィスを構えるべきだ!」と言い始めた。日本人従業員の多くは「もったいない」と反対したのだが、トップはそれに耳を貸さなかった。その頃建設中で最新鋭の設備を備える予定の豪華超高層ビル(千代田区丸の内!!)を借りる決定がなされた。しかも借りたフロア面積は、その時点ですでに膨れ上がっていたスタッフ数のさらに3割増くらいを想定して決定されたもので、あまりに広過ぎるものだった。
移転は決定されたが、それを実行するまでには相当な時間があった。なにせ豪華超高層ビルはまだ工事中なのだから。そして移転をまだしていないと言うのに、ビジネスには衰退の兆候が見られるようになった。ポツポツと顧客が減り始め、純利益が落ち始めた。給料は伸びがストップし、ボーナスは激減あるいはなくなった。なんとなくギスギスしたムードが社内に漂い始め、自発的にあるいは半ば促されて辞める者が出始めた。従業員数は頭打ちから減少へと向かい始めた。そうした動きはその後加速し始めた。そしてやっと移転作業が実行されるや否や、やたら広いフロアは一部を「また貸し」せざるをえなくなった。間もなく借りていたフロアの多くを家主に返上もした。最後には、また別のビルを探して、賃料の安くて小さなオフィスに移転することになった。壮大な無駄である。
斯様に、そこにいる人々にとってはいろいろつらいこともあるが、そして無駄も出るが、民間企業の行き過ぎには必ずどこかで自律的なブレーキがかかって適度な調整が起こる。そして企業は次の復活のチャンスを狙うのである。然しながらオリジナルの「パーキンソンの法則 - 公務員は如何にしてふえるか」にあるとおり、公務員の組織ではこうはならず、せいぜい組織の名称が変わるくらいで、そこにいる人はほとんどそのまま生き残ってしまう。
含蓄に富むこの本をニヤニヤしながら読む人は、実社会で少なくともある程度経験を積んだ人だろう。楽しいので、未読の方は是非どうぞ。
話は変わって、かあちゃんにトリミングされながらほとんど居眠り状態の愛犬。
眠いよぉ。。。
そんなことでは、Canine Freestyleで優勝出来ないぞ!
米国、英国から2頭の天才犬を紹介する。
まずはCarolynとゴールデン・リトリバーのRookie 15歳まで生きたらしい。米国の子だ。
Kateとボーダー・コリーのGin。こちらはまだ新しい。Paul Potts等で有名になったテレビ番組BGTから出た英国の子。
どっちもスゴイでしょう。2頭とも、精神を集中させて人と踊ることが楽しくて仕方がないようだ。
ウチの子も歩く妻の脚と脚の間を縫うように歩くことくらいまでは出来るようになった。でも道は遠い。そもそもアイリッシュ・セターには不向きな競技かもしれない。非Canine的犬種なのである。
昨日は早朝から犬の散歩。用事があるので朝から出かけて、昼は外食。午後遅くなって家に戻り、母の誕生日なので食料品をあれこれ母に宅急便で送り、夕方また犬を連れだし、パーキンソン氏の本をぱらぱらめくって笑い、夕食のおかずはこれ! 厚揚げとニンニクの芽とシイタケのオイスターソース風味炒めもの。片栗粉でとろーり。
まあ、美味しいこと。豆板醤が効いて辛いのなんのって。やたら短時間で楽々な烈火の調理。
この料理は材料を切ってしまうと、あとは食事直前まで何もやることがない。さすがに食事の数分前になると、シェフは中華鍋を振り回し俄かに忙しくなるが、瞬く間に調理は終了する。中華はいいねぇ。
材料は厚揚げ、ニンニクの芽、椎茸。
調味料はオイスターソース、醤油、豆板醤、片栗粉そして水。
それだけだ。簡単な非労働的調理。
概要はこんな感じだ。歴史を振り返ると、役所でも会社でも王国でもその組織が実質的に成長している時は、組織の皆がほとんど間に合わせで仮住まいのようなオフィスあるいは宮殿を使っている。当初は想像も出来なかったスピードで組織が成長するので、建物が追いつかないのである。しかしその組織が成長しきってやがて崩壊、あるいは衰退に差しかかろうとした瞬間に、立派で大規模なオフィスや宮殿の建設計画が持ちあがるのである。逆に言うと、立派なオフィスを持ったということは危険な兆候だ。建設計画が提案されそれを建設している間に組織は衰退に向かい、出来上がった壮大な建築物は衰退した組織の墓場と化す。
私も同様な経験がある。最近は不動産を業としない企業がオフィスビルを新たに所有するということは流行らないが、新たに立派なオフィスビルを借りるということは、今もよく行われている。私が某外資系企業に勤務していた時の話だ。周囲の無数の小さな飲食店から焼き魚や焼き鳥のにおいが漂って来る小さな雑居ビルの中、一つのフロアを確保したその企業は日本で成功を収めつつあった。会社は徐々に成長した。狭い雑居ビルの中の別のフロアが空くたびにそのフロアを借り増し、雑居ビルの中で拡大が続いた。会社が大きくなっているのに、小さなビルの中でいくつものフロアに分かれて仕事をすることはあまり効率が良くない。しかしとにかく賃料が安かったし、突然始まった予想のつかない規模の拡大を前に皆がそれしか方法を考えつかなかったのである。
成長は留まるところを知らず、従業員数は増え続け、やがて会社はリッチになった。普通では考えられないスピードで従業員の給料が上がり、ボーナスが気前よく振る舞われた。ストック・オプションなんてものも出て来た。するとある時外国人トップが「この雑居ビルを出て、当社にふさわしい場所にふさわしいオフィスを構えるべきだ!」と言い始めた。日本人従業員の多くは「もったいない」と反対したのだが、トップはそれに耳を貸さなかった。その頃建設中で最新鋭の設備を備える予定の豪華超高層ビル(千代田区丸の内!!)を借りる決定がなされた。しかも借りたフロア面積は、その時点ですでに膨れ上がっていたスタッフ数のさらに3割増くらいを想定して決定されたもので、あまりに広過ぎるものだった。
移転は決定されたが、それを実行するまでには相当な時間があった。なにせ豪華超高層ビルはまだ工事中なのだから。そして移転をまだしていないと言うのに、ビジネスには衰退の兆候が見られるようになった。ポツポツと顧客が減り始め、純利益が落ち始めた。給料は伸びがストップし、ボーナスは激減あるいはなくなった。なんとなくギスギスしたムードが社内に漂い始め、自発的にあるいは半ば促されて辞める者が出始めた。従業員数は頭打ちから減少へと向かい始めた。そうした動きはその後加速し始めた。そしてやっと移転作業が実行されるや否や、やたら広いフロアは一部を「また貸し」せざるをえなくなった。間もなく借りていたフロアの多くを家主に返上もした。最後には、また別のビルを探して、賃料の安くて小さなオフィスに移転することになった。壮大な無駄である。
斯様に、そこにいる人々にとってはいろいろつらいこともあるが、そして無駄も出るが、民間企業の行き過ぎには必ずどこかで自律的なブレーキがかかって適度な調整が起こる。そして企業は次の復活のチャンスを狙うのである。然しながらオリジナルの「パーキンソンの法則 - 公務員は如何にしてふえるか」にあるとおり、公務員の組織ではこうはならず、せいぜい組織の名称が変わるくらいで、そこにいる人はほとんどそのまま生き残ってしまう。
含蓄に富むこの本をニヤニヤしながら読む人は、実社会で少なくともある程度経験を積んだ人だろう。楽しいので、未読の方は是非どうぞ。
話は変わって、かあちゃんにトリミングされながらほとんど居眠り状態の愛犬。
眠いよぉ。。。
そんなことでは、Canine Freestyleで優勝出来ないぞ!
米国、英国から2頭の天才犬を紹介する。
まずはCarolynとゴールデン・リトリバーのRookie 15歳まで生きたらしい。米国の子だ。
Kateとボーダー・コリーのGin。こちらはまだ新しい。Paul Potts等で有名になったテレビ番組BGTから出た英国の子。
どっちもスゴイでしょう。2頭とも、精神を集中させて人と踊ることが楽しくて仕方がないようだ。
ウチの子も歩く妻の脚と脚の間を縫うように歩くことくらいまでは出来るようになった。でも道は遠い。そもそもアイリッシュ・セターには不向きな競技かもしれない。非Canine的犬種なのである。
昨日は早朝から犬の散歩。用事があるので朝から出かけて、昼は外食。午後遅くなって家に戻り、母の誕生日なので食料品をあれこれ母に宅急便で送り、夕方また犬を連れだし、パーキンソン氏の本をぱらぱらめくって笑い、夕食のおかずはこれ! 厚揚げとニンニクの芽とシイタケのオイスターソース風味炒めもの。片栗粉でとろーり。
まあ、美味しいこと。豆板醤が効いて辛いのなんのって。やたら短時間で楽々な烈火の調理。
この料理は材料を切ってしまうと、あとは食事直前まで何もやることがない。さすがに食事の数分前になると、シェフは中華鍋を振り回し俄かに忙しくなるが、瞬く間に調理は終了する。中華はいいねぇ。
材料は厚揚げ、ニンニクの芽、椎茸。
調味料はオイスターソース、醤油、豆板醤、片栗粉そして水。
それだけだ。簡単な非労働的調理。