ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

スペイン8日間の旅(11)

2014-02-19 11:30:27 | 旅日記

6日目(1月29日・水)マドリッド~トレド~マドリッド

レコンキスタ、新大陸発見、大航海時代とスペインが大いに繁栄した1561年、トレドからここに都が移されて以来、マドリッドはスペインの首都になり、政治・経済・文化の中心として発展してきました。昨夜は遅く着きましたので、今日はゆっくりと、9時にホテルを出て市内の観光です。

美しい公園や建物を次々に通り過ぎますが、残念ながら車窓からの観光では、座席の関係もあって自由に写真も撮れません。これはシベーレス広場 Plaza de Cibeles。中央のシベーレス(ギリシャ神話の女神・キュベレのスペイン語読み)噴水に因んだ名前です。後ろの建物はコムニカシオネス宮殿(ビデオカメラで撮影したものをキャプチャ、トリミングしました。)

王宮やマニョール広場はあっという間に通り過ぎました。ようやくスペイン広場 Plaza de Españaで下車。ここで現地のガイドさんと合流します。スペイン広場は3年前訪れたローマを始めグアム島や東京にまであるそうですが、やはり本場はここでしょう。

セルバンテスの没後300年を記念して造られた広場の中央には、大きな塔の下にセルバンテスがどっかと腰をおろし、その前にサンチョ・パンサを従えたドン・キホーテの銅像がありました。

スペイン広場から始まる大通り、グラン・ビアを走りプラダ美術館の前に着きました。1819年、スペイン国王の命で王家のコレクションを公開したのに始まる世界三大美術館の一つです。

10時の開館時間になりました。既に大勢の人が列を作っています。

収蔵作品2万点、全部見るには何日もかかりますが私たちは10数人ずつに分かれ、ガイドさんのイヤホンの説明を聞きながら1時間20分ほど主な作品だけを見て回ります。(写真はチケット・団体券?15€と日本語の館内ガイド)

最初に入った部屋の奥に架かるこの絵に、まず目を引かれました。宮廷画家ベラスケスのラス・メニーナス(宮廷の侍女たち)です。美術には疎い私にも、立体感のある表現力、描画力の凄さは分かります。(後でガイドさんが「今でいう3D」と言っていました。)傍に近づくと手前の犬の毛並みまでくっきりして、今にも飛び掛ってきそうです。中央のマルガリータ王女、肖像画を描いている画家ベラスケス本人、鏡に映る肖像画の対象・フィリペ4世と后…圧倒される思いで鑑賞して、この部屋だけで何分いたでしょうか。引き込まれるように見入っていました(館内は撮影禁止ですので、写真はお土産に買った絵葉書からスキャンしました。)
 
他にも多くのベラスケスの作品やエル・グレコの「胸に手を置く騎士」などの作品を鑑賞しましたが、一番強烈な印象を受けたのはゴヤの「我が子を喰らうサトゥルノ」です。絵葉書がありますが、あまりにも不気味なグロテスクな絵ですので敬遠します。

これもゴヤの作品。上は「1808年5月2日、エジプト奴隷兵との戦い」、下は「1808年5月3日の銃殺」。ナポレオンの新略に抵抗する市民と、その最後を怒りを持って描いた傑作です。


一転して謎の美女「裸のマヤ」と「着衣のマヤ」。当時、裸婦像はタブーだったので依頼者の宰相・ゴドイさんだけが、こっそりニヤニヤ鑑賞したのでしょうか。


これもゴヤの、上は「カルロス4世の家族」。ここでも画家自身が登場しています。下は「日傘の女」です。

鑑賞を終えて、売店でお土産の絵葉書を買って外に出ました。すぐ前は青空を背にした聖・ジェロニモ教会です。

いつも私たちが時間を持て余す免税店でのショッピング・タイムののち、ランチ・タイムになりました。日本でいうと居酒屋風の気軽なお店で、タパスを食べます。生ハムや焼きマッシュルーム、イカのリング揚げ…などなどの一品料理ですが、これが今回の旅行で一番私たちの口に合いました。実はスペイン料理は調味料に砂糖を使わないので(その代わりデザートが超甘い、もちろん料理に出汁は使わなし…)味付けが単調なせいか、あまり美味しいとは思いませんでした。(もっとも、安いツァーの料理だったせいもあるでしょうが…。)

上はレストランのトイレ案内の紳士・淑女。下の左はメトロの入り口と市バス。右は下水の蓋にあった「マドリッド市章」。山桃を取ろうとするクマさん。この絵と同じ銅像はプエルタ・デル・ソル「太陽の門広場」で見たのですが、写真に撮れなかったので、せめてもの代用です。さて、お腹も膨れてホロ酔い気分で最後の観光地・トレドへ向かいます。