(5日目・1月28日続き)メスキータを出て北西の方へ数分歩きます。細い道の両側に美しい花で飾られた白い壁の家が並んでいます。ここは8世紀の頃、ユダヤ人に作られた「ユダヤ人街」で、この細い路地は「花の小径」。奥の方から歩いて来ました。振り返るとメスキータの塔が見えます。
レストランで昼食を済ませてローマ橋対岸のバスに帰り、遠くからメスキータを見てコルドバに別れを告げました。今夜泊まるマドリッドまでは約410km、途中のラマンチャ地方のPuerto Lápice(プエルト・ラピセ)という小さな町で少し長めのトイレ休憩になりました。
さすが「ラ・マンチャの男」ドン・キホーテで名高い土地柄だけに、トイレの標識もこの通り…。
セルバンテスが何度も泊まったという小さな宿で、今は「ベンタ・デル・キホーテ」というレストラン。中庭には、槍を持ったドン・キホーテが立っています。(トイレは写真左の建物)
博物館も併設されていて作者・セルバンテスの使った机や椅子、文房具などが保存されています。
興味深かったのは、世界各地で出版されたドン・キホーテと従者サンチョ・パンサが活躍する本の展示です。右下の本の挿絵はドラゴンと戦うドン・キホーテが描かれていますし、その左の浮世絵風の挿絵は「稲村ケ崎の新田義貞」そっくりですが説明には「ドン・キホーテは鎧の騎士」とありました。実に貧相な顔やし、わけ分からん…。
こっちは有名な風車と戦う、騎士ならぬ武士です。よく見ると風車じゃなく水車じゃありませんか!
さて、しばらく走るとコンスエグラという町に入ります。細い町並みを抜けて小高い丘へ登っていきます。しばらく前から降っていた雨は止みましたが、凄い風です。
ここには11基の白い風車が並んでいます。風車は回らないようになっています。
上の写真手前に見える丘に登ってみました。行政からの補助金に頼らずに村の人たちが大事に保存しています。一つ一つの風車に名前が付いていることからも愛着ぶりが分かります。
風車がたくさんあるくらいですから、普段から風の強い処ですが、それにしてもあまりにも強い勢いで飛ばされそうです。慌ててここだけ入口の開いている風車に入りました。村の人たちが保存のために有料で内部を見せてくれています。ココア付きで1.5€(200円余)の協力金を払って螺旋階段を登ります。
古い木製の歯車です。壁に「風車小屋の構造」「どのように動くのでしょう」といった日本語の解説が張られていました。
3階建てほどの高さにある窓からはコンスエグラの街が一望できました。ここからマドリッドまでは130km。ホテルについて荷物を部屋に運び、夕食が始まったのは20時30分になっていました。