宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

米大統領選、民主党予備選ーサンダース氏(78歳)と若い世代の動向に注目 (3)

2020年02月10日 | 綱領関連

「朝日」9日付一面トップ記事は、「若者が支える78歳革新派」の見出しのアメリカ大統領選の民主党予備選で注目されているバーニー・サンダース上院議員(78)の活動や支持者の声、背景などを伝えるものでした。

 サンダース上院議員の活動は、「しんぶん赤旗」などの報道を通じて注目してきました。

「朝日」紙は、「収入にかかわらず、すべての国民が高等教育を受けられるようにすべきだ。公立大学の無償化と学生ローンの免除をともに実現しよう。話していたのは、民主党の大統領候補を目指すバーニー・サンダース上院議員(78)。音声のみの参加だったが、支持者からは大きな歓声が上がった」(1月31日、米アイオワ州デイモンのイベント会場)

 さらに、記事は次のように書いています。

「サンダース氏の主張は、米社会では『極端』と受け止められがちだったが、ここに来て勢いを増す。支えるのは、若者だ。米メディアが党員集会参加者に行った調査では、17~29歳の48%がサンダース氏支持と答えた。この世代でブダジェッジ氏の支持率は19%、同じく穏健派のバイデン前副大統領(77)はわずか3%」

「逆に、65歳以上では33%がバイデン氏を支持し、サンダース氏は4%。世代間で大きな違いが出た」

 そして、若い世代の声を生々しく紹介しています。日本の若い世代と共通した現実を実感させられます。

「貧富の格差の拡大や多額の学生ローン。米国の若い世代には『将来に希望が持てない』との思いが広がる。こうした閉塞感が、大統領選の行方を左右する可能性がある」 

 バーニー・サンダース氏の政策が若い世代の共感を得て、広がっていることに大変激励されています。同氏の政策の裏付けに関わる記事が2月9日付、「しんぶん赤旗」が報じています。(「マンチェスター=池田晋」記者)

「ニューハンプシャー州で、11日の投票日を前に民主党の主要7候補によるテレビ討論会が7日、マンチェスター市内で開かれました」この討論会で、「政治とカネ」をめぐって激論が交わされました。

 同紙によれば、以下のような内容でした。

「サンダース氏は、ブティジェッジ氏を名指ししながら『ここの数人の候補と違い、私の選挙は億万長者から寄付を受けていない』と指摘。150万人以上の市民から、のべ600万回以上の小口寄付で自らの運動が支えられており、『米政治史上、前例がないものだ』と強調しました」

「一方、ブティジェッジ氏は、トランプ大統領が巨額の献金を集めていることをあげ、『得られるものは全て使ってたたかう必要がある』と富裕層からの献金を正当化しました」

 サンダース氏が、どのような思いで政治活動を決意したのでしょうか。同氏の経歴などを「ウィキペディア」は次のように紹介しています。

「ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリンで、ポーランド系ユダヤ人移民の息子として生まれた。~(父)イーラクが渡米後、ポーランドの親戚のほとんどがホロコーストで殺害された。そのためサンダースは幼い頃から政治意識に目覚めていた。『アドルフ・ヒトラーという男が合法的に政権を取り、第二次世界大戦が起こり、ユダヤ人600万人を含む5000万人が殺害された。だから子供の私が学んだのは、政治とは本当に重大なものだということだった」

 サンダース氏は、1941年9月8日生まれです。日本軍が真珠湾攻撃を強行した3か月前です。私は1943年8月29日生まれです。同世代の政治家として深く尊敬してます。

 

 


「新たな危機を生み出す、米国のやるべきことは核戦争を回避すること」-ダリル・キンポール会長 (2)

2020年02月08日 | 綱領関連

「東京新聞」5日付、夕刊は、次のように報じました。

〈米シンクタンク、軍備管理協会のダリル・キンポール会長の話〉低出力の核兵器の配備は新たな危機を生み出すだけだ。米国の潜水艦に搭載されているのが、小型核かどうかはロシアには見分けがつかず、過剰な反応を招く恐れがある。米国がやるべきなのはロシアとの緊張緩和を探り、膨大な費用のかかる核戦争を回避すること。来年二月に期限が切れる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長なしには核戦争のリスクは増すばかりだ。〈ワシントン・共同)

 米国の保有している戦略原潜は14隻あり、うち8隻は太平洋に配備されています。2017年10月には、緊迫していた朝鮮半島情勢のなか、釜山に改良型オハイオ級ミシガンが入港しています。

 同年4月に入港した同艦について、「韓国メディアは、「アメリカ海軍特殊部隊シールズを韓国軍との共同訓練のために運んできた伝えた。訓練の訓練の目的は、北朝鮮の核兵器施設と同国の金正恩委員長を排除するこ。だが、米軍は訓練の目的は同国の政権転覆ではないと述べた」報じていました。(「2017・10・23」)

 日本への同艦の入港について、「神奈川新聞」が次のように報じていました。(2010年9月28日)

「米海軍のオハイオ級原子力潜水艦『ミシガン』(1万6764トン、マクローリン大佐ら158人乗り組み)が28日午前10時5分ごろ、米海軍横須賀基地に入港した。『乗組員の休養と物資の補給・維持』などが目的とされている」

 日本との関係では、「しんぶん赤旗」2月6日付の竹下岳記者の記事が注目されます。

「米国防総省はF35ステレス戦闘機の、新型核弾頭B61-12が搭載可能な『ブロック4』への移行に着手しました。B61-12は出力が低く抑えられているものの、命中精度が大幅に向上しており、結果として破壊力が増しているとされています」

「新NPRでは、核・非核両用の戦闘機や爆撃機(DCA)について、『必要なら北東アジアに配備する』と明記。F35Aはすでに17年秋から約半年間、米空軍嘉手納基地(沖縄県)に暫定配備されています」

「ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄に伴い、米政府は日本を含むアジア地域への新たな中距離弾道ミサイル配備を検討しています。トランプ政権による陸上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』の押し付けも、こうした新たな核戦略の一環といえます。米国の『核抑止』依存政治が続けば、日本は再び、米国の核戦略拠点にされかねません」

 改定綱領は、「(第9節)『ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ(広島・長崎をくりかえすな)』という被爆者の声、核兵器廃絶を求める世界と日本の声は国際政治を大きく動かし、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が成立した。核兵器を軍事戦略の柱にすえて独占体制を強化し続ける核兵器固執勢力のたくらみは根強いが、この逆流は、『核兵器のない世界』をめざす諸政府、市民社会によって追い詰められ、孤立しつつある」

 この立場で、核戦争阻止、核兵器禁止、廃絶のために全力を尽くす決意です。

 

 

 

 

 

 


「非常に深刻で重大ー核密約廃棄を」「米が小型核潜水艦に実戦配備、日本にも影響」-志位委員長(1)

2020年02月07日 | 第28回党大会関係

 日本共産党の志位和夫委員長は6日の記者会見で、米国防総省が新型の小型核弾頭W76-2を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の海軍による実戦配備を公表(4日)したことに、次のように厳し抗議しました。「しんぶん赤旗」7日付より、紹介します。

「トランプ政権が”使いやすい核兵器”といわれる小型核を実戦配備したもので、核使用のハードルを下げ、ロシア、中国などとの軍拡競争をさらに激化させるもので、『核兵器のない世界』への重大な逆流をつくるものであり、断固抗議したい」と表明しました。

 志位氏は、「トランプ政権は2018年に新たな『核態勢の見直し』(NPR)で、SLBMの低出力核弾頭への一部切り替え、海洋発射核トマホークに代わる新型の海洋核巡行ミサイル(SLCM)、核・非核両用戦闘機F15E、F35に搭載可能な核弾頭の開発など、”使いやすい核兵器”の方向へかじを切るよう決定したことを示し、『今回の配備はそれらを具体化したものだ」

 その上で、「これまで日本政府は、米オバマ政権当時のNPR(10年)で核搭載SLCMの退役を発表したから、”日本への核持ち込みは想定されない”と答弁してきたが、18年の新NPRで事態が変化したと指摘。日米間には日本の旧民主党政権も存在を確認した『核密約』(1960年)があり、いまだ廃棄の措置がとられていないことを示し、実戦配備の段階で核密約に沿って働き始めると『事前協議なしに日本に核兵器が持ち込まれ、日本が核の基地になるという現実的な危険がいま生まれてきている」と解明しました。

 続けて、志位氏は、「非常に深刻で重大な問題だ。日本政府として、この核密約を公式に廃棄し、無効なものとすべきだ。そうしてこそ初めてこの問題について日本政府の意思が働くようになる。核密約の廃棄をこの機会に強く求めたい」と表明しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」-憲法第97条 (2)

2020年02月06日 | 綱領関連

【昨日のつづき】

「(ハ)第2次世界大戦の結果は、この暗黒の歴史に大きな転機をもたらし、自由と民主主義をめぐる状況も一転することとなった。1948年の国連総会では世界人権宣言が採択された」

「反ファッショ連合勢力に敗北した日本の支配層は、『民主化』への同意を余儀なくされた。降伏条件となったポツダム宣言は、民主主義の復活・強化をはばむいっさいの障害の除去、言論、思想、宗教の自由、基本的人権の確立、軍国主義の一掃と平和的、民主的な日本の建設などを要求していた」

「戦前戦中、天皇の神格化と絶対主義支配を『国体』として強要され、ながい無権利状態で圧制に苦しんでいた国民も、日本の民主化と自由の実現を要求する運動に参加し、はじめて公然活動の自由を得た日本共産党はその先頭に立った」

「日本の反動的支配層は、大きな制約をもった占領下の民主主義にさえさまざまの抵抗をこころみた。にもかかわらず、1947年には主権在民をうたった新憲法が生まれた。この憲法は、その成立の経過や当時の複雑な状況を反映して、『象徴』天皇の条項など、国民主権の民主主義とは矛盾するものを残しているものの、積極的な平和的、民主的な条項をもっている。その精神は、さきにのべた憲法5原則に集約することができる」

(注:【憲法5原則】)

「1974年7月、宮本委員長(当時)の記者会見で、①国民主権と国家主権、②恒久平和、③基本的人権、④議会制民主主義、⑤地方自治、を憲法5原則と定式化し、これが日本社会の将来の進歩・発展のなかで、いっそう充実、徹底させられるべきことをあきらかにしました」

「憲法第97条は、『この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』であると、とくにのべている。自由民権運動や日本共産党をふくめ、進歩的国民の自由と民主主義のための苦闘のたたかいもまた、この『自由獲得の努力』の一翼であった」

「(二)-後段の最後部分ー1922年の党創立以来、一貫して自由と民主主義のために不屈にたたかってきた日本共産党は、この国民運動の先頭に立って奮闘するものであるわが党のこの立場は、自由と民主主義の問題にたいする科学的主会主義の本来の立場を自主的、創造的に発展させたものであって、たんなる一時期の戦術ではなく、現在から将来にわたる日本共産党の政策と活動の一貫した特徴をなすものである」


「日本の民主主義の過去と現在ー「自由と民主主義の宣言』(1996年一部改定)から (1)

2020年02月05日 | 綱領関連

「未来社会」における自由と民主主義については、今後も検討していきたいと思います。そうした思いを込めて、「自由と民主主義の宣言」の次の一節を紹介したいと思います。

「第2章 日本の民主主義の過去と現在」の次の部分です。

「(ロ)1922年(大正11年)に結成された日本共産党は、近代日本の自由と民主主義の伝統を継承するものであった。日本共産党は、国民主権の立場から君主制の廃止、貴族院の廃止を大胆にかかげ、はじめて男女平等、18歳以上の男女の普通選挙権を要求し、労働者の団結、出版、集会、ストライキの自由、8時間労働、小作人への土地の引きわたしなどをかかげた」

「日本共産党の鮮明な国民主権の立場は、当時の主権在君主義の『国体』とは真っ向から対立した。その侵略戦争反対、諸民族の自由、平等、植民地支配反対の立場も、好戦的軍国主義とは真っ向から対立するものであった」

「そうしたことのゆえに、日本共産党は公然活動の自由をいっさいうばわれ、『国賊』と非難され、治安維持法と特高警察によって世界に類例をみないほど過酷な弾圧をうけた。うむをいわさぬ逮捕、しばしば虐殺にまでいたった拷問、脅迫、長期拘留、特高の筋書きによる予審と暗黒裁判ーーこれらが日本共産党にたいして常用された」

「中国東地方の侵略以来15年間の侵略戦争、とくに日・独・伊反共軍事同盟による太平洋戦争への拡大とともに、気骨ある自由主義者、宗教者にいたるまで弾圧しながら、天皇制権力はファッショ的暗黒体制を極限にまですすめた。治安維持歩による犠牲者は、記録されているだけでも死者1682人、逮捕・送検者7万5681人、未送検の逮捕者は数10万人にのぼった」

「そして、まさに国民の自由や権利の最後の一片までの圧殺こそ、アジアと日本の国民にいいようのない苦悩と犠牲を強いることと表裏一体であった。いわゆる15年戦争で戦死・戦病死したものだけで230万人、戦災死亡者50万人以上、海外死亡の民間人30万人、被災者880万人にのぼり、そのほか国民各層の被害と困難ははかり知れなかった。中国人民をはじめアジア諸国民2000万人以上が犠牲となった」

この事実は国民の自由と民主的権利の一つひとつをかちとり、守りぬくことの大切さを、いまもわれわれに痛切に教えている」


「第13回臨時党大会(1976年)で、自由と民主主義の宣言」採択 (6)

2020年02月04日 | 未来社会へのプロセス

 日本共産党は、1961年の綱領採択から1970年代前半の一連の「自由と民主主義」の探求と成果のうえに、1976年7月第13回臨時党大会を開催し、「自由と民主主義の宣言」を採択しました。 以下、党史「日本共産党の80年」からその意義、内容について紹介させていただきます。

「『宣言』は、党綱領にもとづいて発展させてきた日本の社会発展と進歩的未来にかかわる多角的な探求を基礎に、それをいっそう発展、充実させ、自由と民主主義について、日本の政党の歴史上はじめての包括的な宣言として結実させたものです」(「同書」228頁)

「ソ連・東欧の体制の崩壊が進行するはるか以前に、『自由と民主主義の宣言』は、自由と民主主義の全面的で本格的な発展こそ、マルクス、エンゲルスいらいのほんらいの社会主義の姿であることを内外にあきらかにしました」

「社会主義と市場経済の結合が、世界のどこでもまだ問題になっていない時期に、『宣言』は社会主義日本でも市場経済を活用することを明確にしました。こうして『自由と民主主義の宣言』は党綱領とともに、日本の進路をしめす基本文書の一つとなりました」(「同書」228頁)

 次に、「自由と民主主義の宣言」の一節を紹介します。(志位氏の「綱領教室」第3巻 299頁から転用)

「科学的社会主義の学説と運動は、・・・人類が生み出したすべての価値ある遺産を正当にうけついでおり、民主主義と自由の問題でも、近代民主主義のもっとも発展的な継承者、国民の主権と自由の全面的で徹底した擁護者として、歴史に登場した」

「この学説と事業の人類史的な意義は、それが、近代民主主義による国民の政治的開放とその徹底を重視しながらも、それだけに満足せず、搾取制度の廃止による国民の経済的、社会的開放にまで前進することによって、真の人間解放に到達する道を、あきらかにしたところにあった」

 こうした、党の理論、政策の探求の歴史を振り返る中で、党の存亡の危機とも言われた、「50年問題」を自主独立の立場で解決し、「61年綱領」を確定し、発展させてきた先輩諸同志のみなさんに改めて心からの尊敬の念を覚えます。

 そして、1960年代から70年代に旧ソ連共産党や中国共産党毛沢東派との理論闘争を全面的に展開し発展させるなかで、マルクス、エンゲルスの本来の科学的社会主義を発掘し、蘇えさせることにつながったと受け止めています。

 こうした、たたかいの歴史と成果のうえに、第28回党大会で「綱領改定」を成し遂げることができたと思っています。

 


「近代民主主義と、未来社会における自由と民主主義の関係」について (5)

2020年02月03日 | 未来社会へのプロセス

 日本共産党は1976年の第13回臨時党大会で、「自由と民主主義の宣言」を採択し公表しました。この「宣言」を夢中で読んだことを覚えています。私の元の職場は、大蔵省・関税局(国)による自主的な労働組合活動に対する権力を挙げた団結権の侵害・分裂、壊滅をねらった賃金、仕事、宿谷入居等あらゆる人権侵害が吹き荒れていました。

 私たちは、こうした国・当局の憲法も、国公法もないがしろにした不当、不法な攻撃に、是正、謝罪を求めて1974年東京、横浜、大阪、神戸の4地裁に提訴し裁判闘争に立ち上がりました。原告団員は450名に上りました。これだけの規模の裁判闘争は日本の国家公務員労働者のたたかいでも初めてのことだったと思います。

 国を相手の裁判は延々と続き、最高裁の判決が出されたのは、2001年、21世紀になっていました。最高裁の判決は、東京、横浜事案について「国の団結権の侵害」を認め、大阪、神戸事案は敗訴となりました。27年に及ぶ国を相手にした不屈のたたかいを支えてくれた家族、職場の仲間、国公労働者の仲間。そして、地域、全国の多くの民間の労働者、労働組合、市民、学者、弁護団のみなさんに今も、感謝の思いが尽きません。

 こうした困難で長期に及んだたたかいを支えのは憲法の基本的人権規定でした。そして、より根本的に、「自由と民主主義の歴史と大義」を明らかにし、そのたたかいの「未来への展望」を示してくれたのが、日本共産党の「自由と民主主義の宣言」だったと思っています。


「人格的に独立した個性をもった人間ー未来社会を準備する」-志位さんの「綱領教室」から (4)

2020年02月02日 | 未来社会へのプロセス

「マルクスは、1857年~58年に書いた『資本論』の最初の草稿『経済学批判要綱』のなかで、『個人』の発展という見地から、人類史の発展を三つの段階に概括して、次のようにのべたことがあります」(「綱領教室」第3巻 307~308頁)

(第一段階、第二段階は略略します。以下、「綱領教室」第三巻、308~310頁から)

「第3段階は、『諸個人の普遍的な発展のうえにきずかれた、また諸個人の共同体的、社会的生産性を諸個人の社会的力能として服属させることのうえにきずかれた自由な個体性』です」

「これが社会主義・共産主義社会です。マルクスは、『第二段階は第三段階の諸条件をつくりだす』とのべて、資本主義社会がつくりだす人格的独立性こそが、ーまだ『物象的依存性』を土台にしてはいるけれどもー、未来社会の条件となることを指摘しています」

「資本主義社会というのは、自由な個性をつくるという点でも人類史上、きわめて大きな役割を果たす社会です。資本主義社会から未来社会へと継承され、発展させられるのは、民主主義や自由、高度な物質的生産力、経済社会のルールとともに、何よりも、独立した人格をもった豊かな個性だということを、強調しなければなりません」(以上は、同書 310~311頁)

 そして、志位さんは、次のように話をすすめました。」(以下、「同書」312~313頁)

「なぜ旧ソ連社会で、スターリンの無法な人間抑圧が長期にわたって支配し続けたのか。なぜ中国でも毛沢東時代に『文化大革命』のような事態が引き起こされたのか。そうした問題を考えると、ロシアにしても、中国にしても、資本主義が未発達の遅れた国で革命が始まったという条件があったことを忘れてはなりません」

「そのなかでも、人間の個性、基本的人権、主権者としての意識などが、十分につくられていない条件のもとで、革命が始まったことは、前途にもっとも重大な客観的困難をつくりだしたことでしょう」

「もちろん、そういう歴史的条件があったから、スターリンの誤りが必然だったとはいいません。しかし、誤りの一つの客観的な背景として、こうした問題があったことは事実でしょう」

「私たちは、これだけ資本主義が発達し、日本国憲法では人権の保障が豊かにうたわれ、国際的にも人権保障についての豊かな到達点がある。そういう社会のもとで、より先の社会にすすむわけですから、これは人間の個性という点でも、資本主義のもとで達成した到達点をすべて継承して、未来社会を建設することができる大いなる条件をもっている」

 


「人類の未来社会(本史)の基本的な特徴は『自由』な社会」ー不破さんの発言、著書から (3)

2020年02月01日 | 未来社会へのプロセス

 不破さんは党大会で、2004年綱領改定案の報告者、代議員として発言しました。そのなかで、次のように述べました。

「党綱領は、日本における社会変革の前途を、段階的発展と多数者革命の路線にもとづいて展望しています。ですから、社会主義・共産主義への社会変革を今日ただいまの当面の課題として追求するものではありません。しかし、当面の課題で多数者を結集する上でも、日本共産党が最終的にどんな社会を目指しているのか、このことについて多くの人々の理解を得ることは、大変重要な、不可欠ともいうべき課題です」

「読売」の1月26日付、「社説」は、「共産党綱領改定」について次のように述べています。

「綱領は、『発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道』と規定した。『資本主義の枠内で可能な民主的改革』を経て、社会主義・共産主義社会を目指すという。国のあり方を根本から改めようとする本質は変わっていない」「国家観の根本的な違いを棚上げにして政権参加を語ることは国民にたいする欺瞞ではないか」

 こうした、疑問や批判はいままでも多く出されてきたものです。現場で活動している私たちにも寄せられている声です。その一つの根源が、「中国をどう見て、どう向き合っているのか」にあることを実感しています。

 そこで、不破発言の具体化、実践をどう進めるのか、とりわけ、支部レベルの活動にどう生かしていくのか、考えさせられているところです。そこには、私たちの活動のなかに、「綱領第5章ー社会主義・共産主義の社会をめざして」がどう位置づけられていたのか。私自身が、この分野の活動は中央委員会の活動だと、かってに思いこんでいたこと。そして、この分野の活動こそが若い世代との最大の対話と交流の場だという自覚がきわめて弱かったと痛切に反省しているいます。

 そのためには、学習・理論活動及び実践活動を見直し、大いに挑戦したいと考えています。

 その思いの一端を不破さんの次の著書、「党綱領の未来社会論を読む」(2018年9月5日 初版、14~15頁)に励まされ、はじめたいと思います。

「この未来社会論の骨格が、主著『資本論』のなかに、マルクス自身の言葉で、簡潔ではあるが深い内容で叙述されているのに、なぜ、レーニン、スターリンの二段階発展論の陰に隠れて、陽の目を見ないまま長年読み過ごされてきたのか、これは、私自身の自省の念をふくめて驚かざるを得ないことでした」

「そして、新たに発掘されたマルクスの未来社会論では、『自由』という言葉が、何よりも重要な深い意味を持つ『本史』の基本的な特徴となるのです。それは、スターリンが『社会主義』の名のもとに自画自賛してきたソ連社会の現実とは、まったく正反対の性格をもつ社会でした」

「こうして、日本共産党は、2003~04年の党綱領改定の仕事のなかで、マルクスの未来社会論の内容の理論的解明とその現代的な発展に努力し、党綱領第5章の理論的骨組みをつくり上げたのでした」

「このことは、2003~04年の党綱領改定でのも最も重要な内容の一つであると同時に、世界的な運動の前途から見ても、重要な位置づけをもつものだ、と言ってよいでしょう」