じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

角田光代「橋の向こうの墓地」

2022-10-18 15:48:28 | Weblog

★ ふと気づくと10月も半ばを過ぎ、年賀状の用意やインフルエンザ・ワクチンの予約など年の瀬の年中行事を思う。年をとるごとに1年が短くなる気がする。

★ 先日の京都新聞に掲載された宗教家・佐々木閑さんのコラムが印象に残る。大阪万博というから1970年。当時小学生だった閑少年も両親と会場を訪れた。父親が所用のため現地での集合だったが、あまりの人出のため、まさに生き別れ。その時、見ず知らずの男性が肩車をして、父親さがしを手伝ってくれたという。

★ まさに地獄に仏。閑さんはこの「ヒーロー」のことを今でも思い出すという。(その後、父親とは太陽の塔の前で再会できたという。)

★ さて、今日は角田光代さんの「トリップ」(光文社文庫)から、「橋の向こうの墓地」を読んだ。主人公は専業主夫。パートナーとは事実婚。彼女の「従来の価値観、既成の結婚概念」を打ち崩す「新しい関係、新しい生活、新しい価値観」の名演説に一時は高揚した主人公だったが、結局は「ヒモ」の生活ではないのかと、ぼんやりとした憂鬱を感じながら日々の掃除、洗濯、調理に励んでいる。

★ 彼の楽しみは、御贔屓の肉屋さんのコロッケを買って食べること。自分と同じように、肉屋でコロッケを買って帰る常連の母子が気にかかる。あいさつするでもなく、言葉を交わすわけでもない。

★ そこで彼は小学生の頃、神社の裏手の墓地に住んでいたホームレスの男との秘密の交流を思い出す。友達のできなかった彼にとって、それは一つの通過儀礼だったのかも知れない。

★ 現状の生活、出会った母子への好奇心、そして小学生時代の思い出。支離滅裂のようで不思議な融和を感じる。エンディングは何か深い。主人公はなぜ「今日の夜はすき焼にしようと唐突に思いついた」のか。

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東野圭吾「鏡の中で」

2022-10-17 19:41:04 | Weblog

★ 昼間「相棒」の再放送を観る。第1シーズンかな。14年前なのに今より新鮮味があり、脚本が良いように感じる。俳優陣はもちろん若々しいし。

★ 「鎌倉殿の13人」は実朝の意外な性的一面にびっくりした。昔の武家社会では「稚児あそび」などというものもあったというが。

★ 円安、物価高、年金制度改悪など、経済の先行きに不安を感じる人が増えている。知人の家族は、ネット上にあふれる危機を煽るような番組に洗脳され、保存食の買いだめに走っているという。

★ パニック買いをすれば、危機でもないのに危機が起こる。経済危機は案外、人間の心の弱さがもたらすものなのかも知れない。

★ さて、私はなるようにしかならないと高を括って、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選30 もうすぐ犯行記念日」(講談社文庫)から東野圭吾さんの「鏡の中で」を読む。

★ 交通課の警察官が主役。ある交通事故。乗用車と二輪車が衝突し、二輪車に乗っていた若者が死んだ。乗用車の運転手の完全な過失であるが、警察官は事故の起こり方がどうも腑に落ちない。

★ すでに書類は送検されているが、警察官は独自の調査を始める。

★ 非常にわかりやすい作品で読みやすかった。

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夏樹静子「黒髪の焦点」

2022-10-15 19:59:25 | Weblog

★ 円安が急速で1ドル150円に迫る勢いだ。私が若い頃は1ドルが360円だったから、それでよく暮らせたものだと思う。今ほどグローバル化が進んでおらず、国産品で生活が成り立っていたからだろうか。

★ 円安が進むと英会話学校で働く講師など給料が目減りして大変だろうなぁと思う。

★ それにしても、マイナンバーカードと保険証(更には運転免許証)との一体化や年金の支払期間を40年から45年に延長するとか、最近国からの注文が多いように思う。「100年安心年金」などと言っていたのはそれほど昔ではないのに。国(政府)が信用できないから、マイナンバーカードも普及しない。

★ さて、今日は飛び入りの受講生や高校生の中間テスト対策でバタバタとした1日だった。合間を見つけて、日本推理作家協会編「ミステリー傑作選31 死導者がいっぱい」(講談社文庫)から夏樹静子さんの「黒髪の焦点」を読んだ。

★ 女子高の同窓会で再会したメンバー。その内の一人が殺された。遺留品として残されたのは髪の毛。利用が始まったばかりのDNA鑑定が行われるのだが。

★ 非常にわかりやすいオーソドックスな作品だった。サスペンス劇場にぴったりの作品で、実際ドラマ化されているようだ。

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三浦哲郎「みちづれ」

2022-10-14 15:44:23 | Weblog

★ 最近は何でも値上がりして、比較的安いのは特売の生鮮野菜ぐらいだろうか。

★ 先日、電気代の請求書が届いてその額に驚いた。過去最高の額だ。使用量が劇的に増えたわけではない。ただこれはまだ序の口で来春はさらに2割以上も高くなるとか。ランニングコストの安い暖房器具はないかと思案中だ。

★ さて、今日は三浦哲郎さんの「短篇集モザイクⅠ」から「みちづれ」を読んだ。寒い北国。本州最北端で連絡船を待つ人。手には菊の花束を握っている。海峡の中ほどで自ら命を絶った親族への供養だ。いよいよ連絡船が廃止されるということで、最後の慰霊の旅となった。

★ 主人公と同じように花束を目立たないように抱えた老婦人。彼女も親しい人を海峡で亡くしたのだろうか。雪に足をとられて転倒しても、自力で立とうとする強い意志を持った人。この慰霊は一人でやり遂げねばならないという張り詰めた使命感が伝わってくる。

★ 思いがけず「みちづれ」となった二人。使命を果たしてホッとしたような婦人の気持ちが伝わってくる。

 

☆ 内閣支持率は下がる一方で、統一地方選後に一波乱か。支持率の推移を見ると、元首相が凶弾に斃れてからの低下が著しい。首相にとっては、政敵がいなくなり政策遂行がやりやすくなったはずなのに、バランスが崩れてしまったようだ。敵、反対勢力があってこその高支持率か。面白いものだ。

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十訓抄「明宗という笛吹き」

2022-10-13 15:25:27 | Weblog

★ 昨夜は「相棒21」を観た。14年ぶりの亀山薫復活ということで、果たしてどんな対面劇になるのかと期待。案外あっさりした再会だった。それにしても相棒コンビはもはや70代、60代。若く見えるなぁ。

★ 大河ドラマ「草燃える」(1979年)の総集編を観た。時代は今放映中の「鎌倉殿の13人」とほぼ同じ。頼朝を石坂浩二さん、北条義時を松平健さん、政子を岩下志麻さんが演じる。

★ 40余年を経て大河ドラマの描き方も変わったなぁと思う。「鎌倉殿の13人」は脚本の三谷幸喜さんの味付けもあってか結構コミカル。一方「草燃える」は終始シリアス。少々疲れる。

★「鎌倉殿」の女性陣は幼さを感じる。これは私が年をとったせいだろうか。「草燃える」のエンディング、滝田栄さんが吟じる「平家物語」は心に沁みる。

★ 高校生が十訓抄「明宗という笛吹き」を勉強していたので便乗して読んでみる。堀河院の頃(11世紀末期かな)、明宗という笛の名手がいた。堀河院が聴いてみたいと召し出したが、明宗は院の前だと思うと手が震えて、うまく演奏ができなかった。それでは残念と堀河院はある女房に言い含めて、彼女の前で演奏させ、それを陰から聴くことにした。

★ 演奏は評判に違わず見事なもので、院は思わず「素晴らしい」と言葉に出してしまう。院が傍らで聴かれていると知った明宗はびっくりして、縁から落ちてしまった。演奏していた曲が「安楽塩」だったのに掛けて、明宗には「ああ落縁」とあだなが付いたという。

★ いつの時代にもあがり症の人はいるものだ。偉い人の前ではどうして緊張してしまうのだろうね。

★ ところで十訓抄は受験問題としてよく出題される。一度通して読んでみたいものだ。

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浅田次郎「佳人」

2022-10-12 19:49:42 | Weblog

★ 中間テストが終わったので、申請してあったマイナンバーカードを役所に取りに行った。近所のスーパーマーケットまで出張して申請の手伝いをしてくれたので随分と助かったが、一方で受け取りは待ち時間が長くうんざりした。

★ コロナワクチンの集団接種の手際よさとは裏腹に、どうも要領がよくない。窓口に3度も呼ばれ、その都度10分から30分待たされた。結局、カードを受け取るまでに1時間半。「いらない」と途中で何度も帰ろうと思った。5年後、10年後に再び更新に行かねばならないとのこと。めんどくさい。

★ さて、無駄な時間を費やし、授業準備に追われたので、今日は短い作品。浅田次郎さんの「薔薇盗人」(新潮文庫)から「佳人」を読んだ。

★ 地方議会の議長まで務めた夫に先立たれ、かつてのファーストレディは年頃の男女のキューピッドになるのが趣味のようだ。

★ ある正月、息子夫婦が帰省したのを機会に、息子の部下に花嫁候補を紹介するという話になった。今のご時世、見合いというのもどうかと息子は思ったが、見渡せば会社の部下に美男子で仕事もできるのに38歳まで独身の人物が思い浮かんだ。彼なら打ってつけだと思ったのだが。

★ 恋愛にはいろいろな形がある、物語は思いがけない方向に進みそうだ。

★ 高校の中間テストはまだ残っているが、中学校の期末テストまでは6週間ある。少し長い作品に挑戦しようかな。

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中間テスト・時事問題対策

2022-10-11 16:40:02 | Weblog

★ 中間テスト1日目が終わった。あと1日。明日は社会科がある。最近、社会科のテストには時事問題が出題される。予想問題をつくってみた。

◆ 8月30日に亡くなった旧ソ連の最高指導者で、1989年に米ソ冷戦を終わらせたのは誰か。

  あ) スターリン             い) ゴルバチョフ                う) プーチン                      え) エリツィン

◆ ジョンソン首相の辞任にともない新たにイギリスの首相に就任したのは誰か。

  あ) サッチャー              い) トラス                          う) ハリス                          え) メルケル

◆ ロシアに占拠されているウクライナの原子力発電所を何という。

  あ) ザポリージャー         い) チェルノブイリ              う) キーウ                         え) オデッサ

◆ 国際原子力機関を略称で何というか。

  あ) IAEA                    い) OPEC                         う) IOC                             え) FRB

◆ 外国の通貨に対して円が安くなることを何というか。

  あ) 円高                     い) インフレーション           う) デフレーション              え) 円安

◆ 10月11日現在、1ドルはおよそ何円か。最も近いものを選びなさい。

  あ) 105円                  い) 125円                        う) 145円                         え) 165円

◆ 9月8日に亡くなったイギリスの女王は誰か。

  あ) エリザベス女王     い) ビクトリア女王             う) ダイアナ女王               え) カミラ女王  

◆ 新たに即位したイギリス国王は誰か。

  あ) チャールズ3世      い) リチャード3世       う) ジョージ3世                 え) ウィリアム3世 

◆ 沖縄のアメリカ軍普天間基地が移設される予定はどこか。

  あ) 辺野古                  い) 岩国                           う) 横田                            え) 三沢                 

◆ 日本で65歳以上の高齢者が日本の全人口に占める割合は約何%ですか。

  あ) 10%                    い) 30%                          う) 50%                           え) 70%

◆ ウクライナの大統領は誰ですか。

  あ) ヤルゼルスキー    い) チャイコフスキー         う) ゼレンスキー             え) ロマノフスキー

◆ 一方的な「住民投票」でロシアが併合したウクライナの州はいくつか。

  あ) 1州                       い) 2州                             う) 3州                             え) 4州

◆ 北朝鮮の弾道ミサイルなどが飛来したときに発出される全国瞬時警報システムを略語で何というか。

  あ) Jアラート              い) Nアラート                    う) Sアラート                     え) Zアラート

◆10月1日に亡くなった元プロレスラーで国会議員も経験した人は誰か。

  あ) ジャイアント馬場       い) アントニオ猪木            う) ジャンボ鶴田                え) 力道山

◆ 王貞治さんを超える、1シーズン56本塁打を記録した選手は誰か。

  あ) 松井秀喜                  い) イチロー                      う) アーロン・ジャッジ         え) 村上宗隆

◆ アメリカ・メジャーリーグで、ベーブルース以来の「二けた勝利・二けた本塁打」を記録した日本人選手は誰か。

  あ) 大谷翔平                  い) 松阪大輔                    う) 野茂英雄                     え) 長嶋茂雄

◆ 社会経済活動を維持するため、ウイルスと共存しようという考えを何というか。

  あ) ゼロ・コロナ         い) アフター・コロナ         う) ノー・コロナ            え) ウィズ・コロナ

◆ 9月23日、佐賀県と長崎県を結ぶ新幹線が開通した。何という名前か。

  あ) 佐賀・長崎新幹線     い) 西九州新幹線             う) 東九州新幹線               え) 北九州新幹線

◆ コンビニなどでプラスティックのスプーンやフォークなどを提供しないようになりました。これは何という法律によるものですか。

  あ) プラスチック資源循環促進法                  い) 地球温暖化ガス排出規制法

  う) 循環型社会促進法                                  え) 環境基本法

◆ 認可保育所などの空きを待つ児童のことを何というか。

  あ) 児童浪人                  い) 待機児童                    う) 漂流児童                     え) 置きざり児童

◆ 個人番号(マイナンバー)が記載された写真付きのカードを何というか。

 あ) アイデンティティーカード  い) セキュリティカード   

 う) 社会保障カード  え) マイナンバーカード 

 

★ さて、いくつ当たりますやら。

 

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「禁断の魔術」「監察医 朝顔」

2022-10-09 13:59:44 | Weblog

★ 中学校の中間テスト対策。朝の10時から夜の10時まで。この業界はブラックだね(笑)。

★ 昨日、今日と本を読む時間がないのでドラマを2本観た。1本目は、ガリレオシリーズ「禁断の魔術」。第1シーズンが2007年。それから15年近く。俳優陣もそれぞれ年を重ねている様子。湯川先生も准教授ではなく教授で十分なお年頃だ。

★ 2本目は、「監察医 朝顔 2022年スペシャル」。毎度のことながら泣ける作りになっている。ツグミちゃんは成長していくなぁ。時任さんのセリフのない演技。これはこれで難しいだろうなぁ。桑原君(風間俊介さん)だけは変わらないので安心感がある。

☆ 学校が休みの日は塾が忙しい。3連休(3連勤)も半ばだ。定期テストの場合、出題範囲があらかじめわかっているので、学校との腹の探り合い。塾では過去問を分析して出やすいところを指導する。毎度のことながら、勉強に意欲的な子とそうでない子との差は歴然。

☆ 能力があるにもかかわらず、与えられた課題もせず、「できない、わからない」を繰り返す生徒も目につく。文科省が目指すような「主体的で対話的な深い学び」など程遠い。主体的に学ぼうとする生徒と与えられたものさえできない生徒。到達度の差は開くばかりだ。

 

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伊坂幸太郎「太陽のシール」

2022-10-08 16:46:17 | Weblog

★ バイデン・アメリカ合衆国大統領は、ロシアのプーチン大統領の核兵器発言を受けて、キューバ危機以来の「アルマゲドン(世界最終核戦争)」の危機だと発言したという。

★ 終末論が流行り出すと、また新たなカルト教団が生まれるかも。

★ さて、週末に「終末」というのもダジャレだが、伊坂幸太郎さんの「終末のフール」(集英社文庫)から「太陽のシール」を読んだ。

★ 「終末のフール」とは、8年後に小惑星が地球に衝突し地球が滅亡するという話。人々はこの8年間をどのように過ごすのか。予言からすでに5年が経過し、一時期のパニック、混乱も一段落。人々はそれなりに平穏な毎日を過ごしている。

★ 「太陽のシール」に登場するカップルもそんな一組。地球滅亡まであと3年という時、妻の妊娠がわかる。長年叶わなかった子宝だけにうれしいには違いないが、果たして産むべきか否か。

☆ よくよく考えてみれば、小惑星がぶつかろうとぶつかろまいと、私たちは不安定で無常な世界に生きている。次の瞬間、病気であれ事故であれ、命を落とすかもしれない。小さな物事に一喜一憂して生きている。

★ 「アルマゲドン」と言われてもどうしようもない。

 

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乃南アサ「夜明け前の道」

2022-10-07 18:26:20 | Weblog

★ アニメ「ゴールデンカムイ」の第4期がスタートした。不死身の杉元とアイヌの子・アシリパちゃんの新たな冒険が始まる。来週からはドラマ「相棒」も始まる。夏ドラマは不振だったようだが、秋ドラマはどうかな。

★ ドラマが1クール単位になって、今から思うと14年続いた「太陽にほえろ!」や10年続いた「特捜最前線」はすごかったなぁ。

★ コロナ禍で下火になっているが、中学校では職場体験が行われる。大学生になると就活のインターン制度がある。最近は首相官邸も職場体験の舞台なのか。首相が子息を秘書官にしたとかで話題になっている。

★ 企業の御曹司などではよくありそうなことだが、首相には珍しい。北条氏に倣って、岸田一族の地盤固めか。

★ さて、今日は乃南アサさんの「不発弾」(講談社文庫)から「夜明け前の道」を読んだ。タクシー運転手の話。タクシーは人を選べない。時には嫌な客も乗ってくる。嫌な客にグチグチと文句を言われると、つくづく自分がこの仕事に向いていないと思う。

★ 人生は転落しだすと転げ落ちるのみ。這い上がるのは至難の業だ。いっそ死んじまおうと何度思ったことだろう。そして、今宵もそんな誘惑に負けそうになる。もうどうにでもなれと走っていると、外国人らしい客を拾った。泥酔か、いや傷を負っているらしい。やっかいな客を乗せてしまったものだ。

★ とはいえ、死を覚悟してしまえば何とでもなれと、瀕死の客の言う通り目的地まで送り届けることにした。

★ 最後はホッとする良い話で終わっている。

☆ 中間テストまであと4日。明日からの3連休はテスト対策三昧だ。

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