じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

小川洋子「衣装係さん」

2022-10-26 18:10:28 | Weblog

★ 中学校の国語の教科書に採用されている小川洋子さんの「百科事典少女」が良かったので、それが収められている「最果てアーケード」(講談社文庫)を購入。まずは巻頭の「衣装係さん」を読んだ。

★ どこか異次元のような小さく古びたアーケード。個性豊かな店が並ぶ。大火で街の大部分が燃えたときも、生き残った商店街。周りが再開発される中で、ひっそりと昔のままの姿で残っている。

★ アーケードのオーナの娘が主人公。アーケードの奥にある小さな中庭で愛犬のペペと時間を過ごすのが彼女の楽しみだ。

★ 大火で焼けてしまったが、かつて劇場があり、当時、そこで衣装係をやっていた女性(もはや相当な御年輩だが)が、お気に入りのレースを求めてアーケードにやってきた。

★ 「衣装係さん」は、誰も着る人の当てのない衣装をせっせとつくり続けている。たぶん彼女の中で、舞台が回っていることだろう。

★ 「百科事典少女」もそうだったが、この作品にも「死」がひとつのキーワードになっている。「最果てアーケード」には何か秘密がありそうだ。

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