じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

夏樹静子「年一回の訪問者」

2022-10-28 18:04:25 | Weblog

★ 久しぶりに本屋に立ち寄った。小川糸さんの「ライオンのおやつ」の文庫が出ていたので買った。癌ステージ4、余命宣告された女性が主人公。「明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当に幸せなことなんだなぁ」のセリフに魅かれる。

★ NHKの「ヒューマニエンス・クエスト」で「死」や「ガン」を取り上げていた。生物の使命は種を残すこと。死は運命として受け入れねばならないこと。ガンを引き起こす遺伝子にも大切な役割があることを学んだ。それにしても最近の生命科学の進歩はすごい。

★ 「死が運命」と理屈でわかっても躊躇があるのは、人間が極めて社会的な動物だからだろうか。「いのち」というのは不可思議なものだ。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選18 花には水、死者には愛」(講談社文庫)から夏樹静子さんの「年一回の訪問者」を読んだ。

★ 早朝、一人の老人が路上で死んでいた。頭から血を流しうつ伏せで倒れていた。どうやら十数メートル上の道路から落下したようだ。老人と言ってもまだ70歳。もと軍人で将校だったというから体も丈夫そうだった。少し前に事故で骨折し、リハビリを兼ねて早朝の散歩を日課としていたようだが、安全なコースを選んで歩いていたようだ。それなのにどうして高いところから落下したのか。

★ 自殺か事故か。老人にそこそこの財産があるとわかって、事件の可能性も出て来た。相続するのは息子。しかし老人は遺言書を残していた。息子に愛人の存在。嫁にも秘密がありそうだ。カギを握るのは年に1度だけ訪れる人物。ピアノの調律師というが、どうも怪しい。果たして真相は。

★ 私も65歳が迫り、自分の死にざまをあれこれ考えるようになった。不測の事態に備えて、治療方針、延命措置、臓器移植など書き残しておいた方が良いのかも知れない。

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