じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

重松清「カカシの夏休み」

2023-03-20 21:24:24 | Weblog

★ 重松清さんの「カカシの夏休み」(文春文庫)から表題作を読んだ。

★ 主人公は37歳の小学校教員。今は5年生を担当している。中学生時代の同級生の事故死を知り、その葬儀にかつての仲間が集まった。中学を卒業して以来だ。

★ 彼らの故郷はもうない。ダムの底に沈んでしまったのだ。20余年を経て、家族、仕事などみんな背負うものが増えた。かつての日々を懐かしむ者、過去を封印し前に進もうとする者。

★ 37歳。ふと気づけばがんじがらめで、前にも後ろにも動けない。

★ 主人公も問題を抱えていた。ある児童がクラスに適応できず、時々パニックを起こして荒れまくる。クラスのメンバーはいら立ち、同僚のベテラン教員からは、指導力不足を指摘される。教頭は事なかれを貫く。

★ それに、子どもの問題はどうやら親に原因があるようだ。しかし、教員にできる範囲には限界がある。 

★ 手をこまねいていると、児童から「ひいきだ」「カカシ先生だ」と言われて、途方に暮れる。

★ 37歳。人生の半ばを迎えた彼らは、それぞれの課題を抱えつつ、新たな出発を試みる。

★ 「幸せって何?」 この問いかけが心に残る。あのCMも。

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