じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

相場英雄「ガラパゴス」(上)

2023-02-21 19:18:42 | Weblog

★ ここにきて猛烈な寒波。寒暖の差が大きいので体にこたえる。いよいよ明日は公立高校前期の発表だ。

★ さて、今日は相場英雄さんの「ガラパゴス」(小学館文庫)の上巻を読み終えた。先日、NHKのドラマを観たので、おおよその流れは知っている。しかし原作はさらに詳しく、日本における企業の実態、日本の資本主義を支える底(あるいは裏)の部分が描かれていた。

★ 警視庁捜査一課継続捜査担当の田川刑事は鑑識課に異動した同期の木幡に依頼され、身元不明者の捜査に当たる。その中で「自殺」と処理された不審な遺体を見つける。

★ 田川刑事たちは他殺と見て、再捜査に踏み切る。そこから見えてきたものは、派遣労働者、偽装請負といった社会の底辺で働かざるをえない人々の実態だった。

★ 文庫の帯には「聞こえるか。人間の壊れてゆく音が」と書かれている。人間も壊れていくが、日本の資本主義の崩壊の音が聞こえるようだ。「大企業にとって、非正規労働者は部品と同じである」という。

★ コスト削減、とりわけ人件費を削減しなければ国際競争に勝てない企業。しかし、人を大切にしない企業は長い目で見て生き残れるのだろうか。

★ 物語は下巻へと続く。

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