じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森絵都「犬の散歩」

2024-04-28 19:04:12 | Weblog

★ 一足早く夏がやって来た感じだ。ゴールデンウィーク2日目。衣替えを急いだほうが良いのか迷う。

★ 今日は授業が一コマだけ。高校生が国語の課題を持ってきた。2022年の教科書に三浦しをんさんの「舟を編む」の一場面が採用されているという。

★ 変人と呼ばれるほど真面目で、それでいて場違いな営業の仕事をしている馬締。彼は言語感覚を買われて辞書編纂部へ。先輩の西岡はチャラい現代風の青年。しかし持ち前の人当たりの良さと押しの強さで辞書の編纂を助けていた。ただ彼にとって辞書に関わる必然性はなく、それが彼の葛藤になっていた。

★ 性格が正反対の馬締と西岡はお互いに触発し、西岡もやる気が湧いてきた。そんな折、辞書編纂中止という噂が流れる。それを阻止すべく先走った西岡は経営陣から目をつけられ、彼は辞書編纂を継続する見返りに自らは他部署に移ることになる、という場面。

★ 映画では馬締役を松田龍平さん、西岡役をオダギリ・ジョーさんが演じていた。この作品はアニメ化もされている。ちょっと見てみたがなかなか面白かった。

★ コトバは人をつなぐ。コトバの海を渡る舟を編む人々の生き様が描かれていた。

★ さて読書は、森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」(文春文庫)から「犬の散歩」を読んだ。専業主婦の女性がスナックで働くことにした。理由は犬のボランティアをするための資金を得るため。彼女は友人の紹介で、捨てられたり、放置された犬の里親を探すボランティアを始めたのだ。

★ 最初はボランティアに抵抗を感じ、また「人が苦しんでいる時代に犬とは」という周りからの冷たい視線を浴びながら、それでも殺処分される犬たちから目を背けることができず、彼女はボランティアを始めることにした。始めて見ると、それが彼女の生きがいになってきたようだ。

★ 犬嫌いの義父が、だんだん犬に馴染んでいく様子は笑えた。犬(あるいはペット)には人を癒す力があるようだ。

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