じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

蒼井上鷹「キリング・タイム」

2021-04-17 10:08:15 | Weblog
★ 雨の土曜日。変異株の前に「重点措置」の効果は見られず、早晩「緊急事態宣言」発出の様相だ。政府の腰が重いのは、オリンピックへの影響と経済への影響を懸念してと新聞は書いている。首都圏から見て、大阪及び関西圏は「対岸の火事」って感じもあるのかな。次期総選挙を意識して「維新」いじめとか。

★ しかし、こうしている間にも感染は拡大し、ゴールデンウィークを挟んで、首都圏も悲惨な状況になっているような予感がする。温かくなれば感染力が落ちるものと思っていたが甘かったようだ。ロック・ダウンも現実味を帯びてきた。また買いだめに走るのか。杞憂に終わればよいが。

★ さて今日は、蒼井上鷹さんの「九杯目には早すぎる」(双葉文庫)から「キリング・タイム」を読んだ。第26回(2004年)小説推理新人賞受賞作。

★ 会社の上司と部下の話。しょっぱなから衝撃的な展開。上司が部下を階段から突き落とすのだ。そして、物語は数時間前にさかのぼる。

★ 話者は部下。デートの約束があるというのに、評判のよくない上司と遭遇してしまった。そして一緒にビールを飲む羽目に。上司は半額タイムのビールをがぶ飲みしながら、最近命を狙われている気がするという。上司に話を合わせる部下の会話と心の声の落差が面白い。部下は部下で秘密を抱えているのだ。

★ 誰が加害者で誰が被害者なのか。とんだ「キリング・タイム(時間つぶし)」になったようだ。

★ 続けて表題作の「九杯目には早すぎる」を読んだ。数ページの掌編だが、かつての名作のセリフがうまく引用されて面白い。ミステリー小説の世界は奥深そうだ。
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