見もの・読みもの日記

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蘭州・寧夏から内蒙古2010【6日目】銀川

2010-08-24 02:32:51 | ■中国・台湾旅行
■西夏王陵

 銀川市の郊外、今回のツアーで一番楽しみにしていた西夏王陵に向かう。西夏(せいか)は、中国近世、宋、遼、金などと時代を同じくするタングート族の国家。西夏文字という、漢字に似て、より複雑な独特の文字を持つことで知られる。近年は『射雕英雄伝』や『天龍八部』などの武侠小説(とTVドラマ)によって、妙に親しい存在となってしまった。王陵区の入口は、立派なゲートが設けられ、観光用の電気自動車が待っていて、ちょっと嫌な予感。しかし、王陵(三号陵園)周辺は、まだ自然の景観がそのまま保存されていた。併設の博物館で出土品を見学することもできた。



■賀蘭山岩画

 こちらは全く予習をしていなかったので、何もの?と思ったら、古代人(旧石器時代から西夏時代まで)の岩絵が多数見られる渓谷だという。もとからこの渓谷にあったものも、観光に便利なように他所から移築してきたものもあるらしい。世界史ではラスコー、アルタミラなどの「洞窟壁画」として習うものだが、中国では、露天の岩壁に描かれたものが多いようだ。画題は動物や人の顔など。岩絵よりびっくりしたのは、渓谷に野生のヤギが現れたこと(すぐに険しい岩壁を駆け上がって消えていったが、保護色なので見つけにくい!)。





■拝寺口双塔

 賀蘭山のふもとに残る双塔。頭頂部が小さく、トウモロコシを突き立てたような姿をしている。雲南の大理を思い出す美景である。柵の中に西夏時代の瓦礫が集められて積み上げられていた(ホント?)。妙に愛想のいい坊さんが迎えてくれたと思ったら、ひとりずつお布施を迫られて閉口した。



■海宝塔寺

 銀川市街にある大きな寺院。最近、公園として整備されたばかりだという。それにしても、大賑わいと思ったら、入口に「盂蘭盆会」の垂れ幕。この日は、ちょうど旧暦の7月15日だったのだ。参拝客のほかに物売りも物乞いも集まり、すごい人出。塔は楼閣式九層。四角張っていて、あまり中国ふうではなく、西域ふう(イスラム建築ふう)な感じがした。



 蘭州から銀川まで同行してくれたガイドの劉さんとは、明日でお別れ。夕食はホテル近くの庶民的な串焼き屋。ビール、枝豆、串焼き(ただし羊肉がメイン)で話し込んでいると、上野か赤羽あたりの飲み屋にいるような気がする。横行する官僚の身内びいきと汚職に触れて「中国、だめだよね、共産党一党だけでは…」なんてこともつぶやいていた。

(9/4記)

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