見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

井口日吉神社の十一面観音坐像(東京長浜観音堂)を見る

2022-08-29 21:49:16 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京長浜観音堂 『十一面観音坐像(長浜市高月町井口・日吉神社蔵)』(2022年8月2日~8月31日)

 8月のお出ましは、十一面観音坐像(鎌倉時代)。写真で見たとき、それなりに大きな像かと思ったら、像高30cmに満たない、小さな観音様だった。しかし彩色された小さな頭上面のひとつひとつの表情、宝冠・瓔珞など、実に精巧で美しい。

 高月町井口(いのくち)の日吉神社(ひよしじんじゃ)は坂本日吉大社から分社勧請されたもので、大山咋命を祀る。この観音像が伝わったのは已高山の円満寺(阿弥陀堂)で、「日吉山王二十一社」の本地仏と垂迹神を表わす木像群の1躯である。本来は21躯が揃っていたと思われるが、現在は19躯が伝わる。今回は、十一面観音坐像=伊弉冉尊に加えて、千手観音坐像=国狭槌尊、男神形立像=猿田彦大神、天女形立像=大山祇尊、童子形立像=神素戔嗚尊の計5躯がおいでになっている。

 手前の男神形立像は猿田彦大神で、よく見ると鼻が高い(長い)。

 会場では、19躯勢ぞろいの写真つき解説をいただいたが、それを見ると、大宮・二宮をさしおいて、客人宮の伊弉冉尊の本地である、十一面観音がいちばん大きいのが面白い(※日吉大社山王二十一社)。何らかの理由で集まってきた仏像・神像群に二十一社を割り当てようとしたら、そうなってしまったのかなと想像する。

 スタッフの方(女性二人のうち、おひとりは学芸員だとおっしゃっていた)に「こちらは、ふだん已高山の円満寺においでなんですか?」と聞いてみたら、「いいえ、もう10年以上前から、観音の里歴史民俗資料館でお預かりしています」とのことだった。それじゃあ、私は資料館で拝見させていただいたことがあるかもしれないな。

 なお、今年は3年ぶりに「観音の里ふるさとまつり」が開催されるとのこと。ただし事前予約のバスツアーのみ(すでに完売)で、周遊バスは出ないのだそうだ。うーん、残念。

第38回観音の里ふるさとまつりの開催について(長浜・米原を楽しむ観光情報サイト)

 なお、いつの間にか、ホームページのURLが変わっていたので、ここに掲載しておく。

東京長浜観音堂

 次回展示は11月!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 軍を率いた文官/曽国藩(岡... | トップ | 作品に語らせる/森鴎外(中... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

行ったもの(美術館・見仏)」カテゴリの最新記事