見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2012日吉大社・山王祭(4/13)

2012-04-16 23:52:16 | 行ったもの(美術館・見仏)
週末、関西に行って来た。いろいろ目的はあったのだが、最終的に決断した理由は、4月12日~15日に行われる日吉大社の山王祭を見られると気づいたこと。昨年、大津市歴史博物館の『日吉の神と祭』を見て、絶対一度は行ってみたい、とあこがれていたのだ。日吉大社のホームページを見たら、宵宮の祭事は夜9時頃まで行われるらしい。ふむ、それなら東京を夕方出ても間に合うかしら?

結局、13日(金)は2時間ほど早退して新幹線に乗り、京都→大津着が18時頃。ホテルですばやく仕事のメールチェック。外は、ポツポツ小雨が降り出してきたので、え~やめようかな、と気持ちがしぼむ。そこを押して、夕暮れの京阪電車で出かける。窓の外は真っ暗闇。しかし、一緒に終点の坂本で下りたお客の「松明の匂いがする」という言葉に、だんだん興奮を取り戻す。

「生源寺」というお寺の境内に、こんな感じで↓男衆が勢ぞろいしていた。



参加者のひとりひとりが、独特の節回しで名前を呼ばれる「読み上げ式」の最中。どうやら地区ごとにまとめて呼ばれるのだが、地区の区切り目で「(次は)南の浦でっせ~南の浦でっせ~」みたいな関西弁の煽りが入るのが面白い。

読み上げが終わると、正面の唐破風の下に並んだ侍衆が扇を上げる。すると庭先の男衆は一斉に踵(きびす)を返して、門の外に駈け出して行った。



やがて、坂の下から大きな松明が境内に運び込まれる。同じことが2回繰り返された。(私が見たのは2回だが、4回=4本松明が運び込まれるのかもしれない)



次に、杖のように細長い松明(竹か?)を手にした男衆=駕輿丁(かよちょう)が並び直すと、今度は、合図とともに全員が走り去った。多くの見物客がその後を着いていくので、私も群衆に従う。満開の桜の下、屋台の並んだ参道の坂を、人々はわれ先に上がっていく。途中で右に折れ、本道を外れると、かなり暗い。暗闇の中に、松明の燃えかすが点々と落ちている。

やがて、少し開けた場所に出ると、粗末な屋根と柱だけの不思議な建物がライトアップされて、闇の中に浮き上がっていた。男たちに護られた四基の神輿が、ゴトンゴトンと音を立てながら、生き物のように前後に揺れている。



すでに大勢の人に囲まれ、間近には近づけない状態だったが、右端の大きなスクリーンに、至近距離のライブ映像を流してくれているのがありがたかった。これは「神輿振り」という神事で、神様の陣痛を表すともいわれている。この神事が1時間近く続いたあと、スクリーンには、生源寺を出発する侍衆の姿が映し出された。駆けつけた侍衆は、神輿に飛び乗るパフォーマンス。神輿の担ぎ棒が高く跳ね上げられる。



この状態で、獅子舞い、ささらなどが奉じられ、最後は、扇を構えた山王祭実行委員長の祭文(声がよくて、上手い)。扇が返るとともに、1メートルほどの段差を、どさりと滑り落ちる神輿。これが御子神の出産をあらわす。



そして、待ち構えていた男衆=駕輿丁(かよちょう)に担がれ、見物人の頭上を、揺れもせず、滑るように猛スピードで去っていく。石橋を渡り、闇木立の中に消えていく金色の神輿を必死で追いかけるが、人波に揉まれて、すぐに引き離されてしまった。それでも人々の向かう方角に着いていくと、「西本宮」と思しき社殿が見えてきた。



拝殿には三基の神輿が据え付けられており、ここに四基が加わって、計七基が勢ぞろいして、明日の巡行を待つ。だいたい夜9時。宵宮の神事が終了し、人々の波が引き始めたので、私も宿に戻ることにする。面白かった~。以下、翌日の記事に続く。
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