「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

AXIOM80の鳴らし方の一考察と実験

2017年10月26日 | オーディオ談義

どんぐり ころころ ドンブリこ 「小池」にはまって さあ大変  「枝野」が出てきて こんにちは みなさん 一緒に遊びましょう

今回の総選挙(2017.10.22)はこの童謡に尽きる(笑)。

閑話休題

先日(10月13日)、愛知県からお見えになったSさんとの会話の中でとても興味のある事柄を伺った。

SさんはTRアンプに精通された方だが、その製作にあたって毎日、1日の初まりに「今日はここぐらいまでにしておこう」と作業の進行度合をあらかじめ定めておくそうだ。

時間の余裕を確保することで、焦るあまりの凡ミスの防止や何かしら改良点の発見につながることが多々あるとのこと。

人間は休んでいる間に「脳」の方で勝手に記憶の定着や情報整理をやっていると何かの本で読んだことがあるが、それと似たようなことかもしれない。

自分にも思い当たる節がある。スピーカー周りの工作をしていると、早く音を聴きたいばかりについ焦ってしまい最後の方は「やっつけ仕事」になって、後になって改良点が見つかったりするがもう「後の祭り」になることが往々にしてある。

つまり、何が言いたいかというと「拙速は禁物だ」ということ。

そういうわけで、フルレンジとして使っているAXIOM80にウッドホーンを取り付けるときも同じ轍を踏むまいと用心した。

口径30センチのフィリップスのユニットをウッドホーンに取り付けてから、意識して1日間隔をおいてから、いよいよ作業に着手した。

簡単に済むだろうと思っていたら想像以上に大変で左右両チャンネルの作業に4時間ぐらいかかった。

グダグダ書くよりも画像をご覧になった方が手っ取り早い。

    

作業の手順だが、まずウッドホーンにAXIOM80を取り付け、そのウッドホーンごと今度はバッフルに取り付けるという二段階に分かれる。いろいろとノウハウがあるが、いちいち書く程の事でもないので省略する。第一、面倒くさい(笑)。

理論上のメリットは次のとおり。

 取り付けネジをいっさい使っていないのでユニットのフレームの歪みは皆無

 ショートホ-ンの効果で音の空振りが少なくなるし、かつバッフルに当たって跳ね返る間接音の軽減も見込めるので音像がシャープになる

 エンクロージャー内部でのユニットのコーン紙に対する定在波の干渉が被せたホーンのおかげで抑えられる

と、いいことずくめ。これは一石三鳥だっ!

通常、オーディオはどこかをいじるとプラスとマイナスの両面性が出てくるのが当たり前だが、このケースではプラス面ばかりでマイナス面が見当たらないというのも珍しい。

とはいえ、一番の問題は実際に出てくる音だ。これまで限りなく「理屈倒れ」を経験してきたので、こればかりは聴いてみないとわからない。

ハラハラ、ドキドキ、ワクワクしながら出てきた音は・・・。

ウ~ン、いったいどういう表現をしたらいいんだろう。

イメージとしていえば、「眉間にしわを寄せた神経質そうなタイプ」から「満ち足りた表情をした好々爺」に変身といった感じかな(笑)。

肩の力が抜けた「ごく自然な佇まい」に深く感じ入った。コーン紙を使っているのに「紙臭い音」がしないのは、エッジレスと強力なマグネットの賜物だろう。

これで十分だと思ったがさらに欲が出て次の二つの対策を講じた。

 吸音材とのマッチング

「小袋に入れた羽毛の吸音材」をエンクロージャーの中に2個張り付けた時と、取り除いてユニットの真後ろに1個張り付けたときとで比較してみると、前者はやや沈んだ音になり、後者だと明るめの音になった。好き好きだが自分は2個のときの方が良かった。念のためすべて取り払うと明らかに音がキャンキャン気味になってアウト。

 駆動するアンプとのマッチング

もともと、たいへん神経質なユニットなのでアンプを選ぶことで有名だが、今回はさほど選り好みをしなかった。

とっかけひっかえ試してみると、「周波数レンジ」では「WE300Bシングル」、「音の質感」では「171シングル」、「長時間気楽に聴ける」点では「371Aプッシュプル」がよかった。こうして適応できるアンプの幅が広がったのはありがたい。

中でも小出力であることから所詮は脇役に過ぎないと思っていた「171シングル」の善戦が光った。

   

オール・ナス管で、左から前段は「AC/HL」(英国マツダ:最初期版)、出力管は「171」(トリタンフィラメント)、整流管は「480」(SPARTON:メッシュプレート仕様)、そしてインターステージトランス内蔵。

「メッシュプレート仕様の整流管を使うと全般的に極端にノイズが減って澄み切った音が出ます。改造した甲斐がありましたよ。」(北国の真空管博士)

これまで「フルレンジで鳴らすAXIOM80」のベストの音を目指していろいろやってきたが、我が家に限っての話だがようやく「山の頂に向かって九合目ぐらいには辿り着いたかな」という感じ。

以上、ささやかな一考察と実験だったが「AXIOM80」に興味のある方の一助になれば幸いです(笑)。



 

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