「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魔笛視聴コーナー~CD(ライブ)の部~♯7

2007年02月14日 | 魔笛視聴コーナー~CD(ライブ)の部~

CD番号       GL 100.502(2枚組)
収録年        1959年

評   価(A+、A-、B、C、Dの5段階評価)

総   合   

指揮者    B    ジョージ・セル(1897~1970)

管弦楽団   A-  ウィーン・フィルハーモニー

合唱団    A-   ウィーン国立歌劇場合唱団

ザラストロ   A-  クルト・ベーメ

夜の女王   B    エリカ・コーツ

タミーノ    B    レオポルド・シモノー

パミーナ   A-   リサ・デラ・カーサ

パパゲーノ  A-   ワルター・ベリー

音   質   

私   見

1959年ザルツブルク音楽祭でのライブ録音だが、指揮者ジョージ・セルと魔笛の組み合わせにはやや異色の印象を受けてしまった。

あの謹厳実直で怖そうなセル(事実、楽団員に執拗なほど厳しかった)とおとぎ話の世界の魔笛のイメージがどうも一致しないが、当時クリーブランド管弦楽団の音楽監督として同楽団を一流に育て上げたことから白羽の矢が立ったのだろう。

さて、演奏の方だがセルの代名詞のような中庸、端正かつ緻密という言葉で要約されるように、非常に歯切れの良い進行だ。

しかし、全編を通じて盛り上がりの無い平板な印象を受けた。もう少し燃えるような熱気みたいなものが欲しいし、それに架空の夢の世界を思わせるような楽しさがもっとあってもいい。自由闊達、天真爛漫、天衣無縫さは魔笛には欠かせない要素だ。

一つの原因として歌手陣がこじんまりとまとまっていて何だか萎縮している印象を受けた。少なくとも伸び伸びとはしていない。

タミーノ役はA-かBか迷ったが、元気度の点でB。夜の女王は音程に不安定さを感じたのでB。

73歳と指揮者にしては比較的若くして急逝したセルの記念碑的な価値はあるのだろうが、決して水準以上に位置する魔笛ではないと思う。

                        

 




 


         

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