12月5日の土曜日、「アンプづくりのオーソリティ」大宰府のM田さんのところへ行ってみた。随分と久しぶりでもう6ヶ月ぶりぐらいになるだろうか。
平日に行けばいいものを、わざわざ高速道路が片道1,000円(通常は3,300円)のときを見計らって行く、「こすっからくて、みみっちい」自分がいる!オーディオ製品にはこだわりなくジャンジャン(?)お金を使うくせに~。
今回の訪問はプリアンプの「マランツ7」の調子がおかしくなって左チャンネルからハム音が出るので数日前に送付しておいたものを、故障の原因が見つかったとの連絡で引き取りにお伺いしたものだ。
小雨交じりの中を自宅を7時半に出発し、到着したのが8時50分。まあ、順当な所要時間。
結局、「マランツ7」の故障の原因は、内部の部品の不良なんかではなく、古い製品のため接続するピンコードの口径がマッチしないためにハム音が出ていたものと分かった。
分かってみると随分と単純な話。送料1,500円もかけて送ったのがバカみたいでホントに勿体ない話。
しかし、行ったついでにM田さん宅のオーディオ装置の音を聴いてビックり仰天。大収穫だった。
CDとレコードと両方聞かせてもらったがレコードの方が生涯で聴いたこともないようなモノスゴイ音が出ていた。
とにかく、低域とか高域とかがどうのこうのという次元ではなくて、音のストレートさ、瞬発力とかエネルギー感が我が家の音とは桁違い。どういう理屈を聞かされようとこうして目の前で音を聴くのが一番説得力がある。
まさに衝撃!オーディオを訳知り顔してどうのこうのという自分がまったく恥ずかしくなるほどで、やはり上には上があるものである。本当に世間は広い!他家の音をいろいろと聴くものだとつくづく思った。
ノウハウをいろいろお聞きしたが、語ると長くなるし、電気技術には疎いので省略。しかし、アナログに加えてスピーカーから出てくる音の位相の調整と磁気回路に電磁石を使用した「励磁型スピーカー」を使うというのがポイント。
それにしても、乏しい「小遣い」の中から「ワディア」のCDシステムを購入し、これでアナログとは「おさらば」との自負心が見事に打ち砕かれたのも一興か。
「CD派かレコード派か」つまり「デジタルかアナログか」いまだに論争が尽きないが、デジタルの音も決して悪くはないのだが、ちゃんとしたアナログの音を聴くと物足りなくなる。
今後益々のデジタル化は必至の情勢だし、「iPod」などの周辺機器の可能性に夢を託したい気持ちが大いにあるが、今回の音を聴くと現在のデジタルの音はどうも軽すぎるように思った。
「音に目方」なんて持ち出すのはおかしいが、人工的で実在感に乏しい音と形容すればいいのか。
そういえば、近年「オーディオ人口」の減少が叫ばれて久しいがデジタル化の進展とともに一方的に衰退していったような気がする。
東京のS田さん曰く「パソコンで手軽に”広く浅く”情報が手に入り、利便性が第一で、音質は二の次の世代」の増加とも関係があるのかも。
しかし、「音楽の楽しみ」と密接に結びつき、人生に豊かな潤いを与えてくれる「オーディオ文化」の衰退を傍で見るのは忍びないが、こういう世代に「オーディオの楽しみ」を分かってもらうにはどうしたらいいんだろう?「要らぬ世話」と一蹴されればそれまでだが。
ともあれ、今後、我が家の装置にどういう美点を見出してどういう風に折り合いをつけていくか、考え込みながら帰途についたことだった。