「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

またもや故障のおかげで

2014年02月14日 | オーディオ談義

現在愛用中のプリアンプに使っている真空管はミニチュア管の「6DJ8」(ECC88)。

12AU7(ECC82)や12AX7(ECC83)に比べるとあまりポピュラーな球ではないが、華やかさがあって切れ味の良いところが大いに気に入っている。ただし、当たり外れが多いのが難点の一つで、2本セットで購入しても片方からサーノイズが目立ったりしてなかなか良いモノに巡り合
えない。確率からするとおよそ2/3といったところ。

ここ3日ほどにかけても、どうやらいつものクセが出てきたようで無音時に左チャンネルからガサゴソと何やらノイズらしき音がする。あまり気にしないでいいほどの“ごく”わずかな音だがそれでも何となく気になるのがオーディオマニアの常。

はじめはパワーアンプの初段管を疑ったのだが、アンプを代えて試聴しても左チャンネルから同じ症状が出るので犯人は決まり~。

プリアンプの真空管を2本とも入れ替えてやると、すっかり症状が治まった。そこまではいいのだが、入れ替えたのに伴いあまりの音の違いにビックリ仰天。入れ替えた方が断然好みで2枚も3枚もベールが剥がれた印象がする。

これまで使ってきた真空管はザイレックスの「6DJ8」だが、「ザイレックス・ブランドに駄球なし」の定評どおり、例によってイギリス調の渋くて上品な音だったのでこれはこれで満足していた。

そして今回入れ替えたのはアンペレックスの「6922」の「PQ」(Premium Quality:金足)。さすがに「6DJ8」の高信頼管とされる「6922」、しかも「PQ」とくると、レベルが違う。

こんなにいいのなら同じ種類の球をストックしておくに限ると、オークションを覗いたところ「6922」の出品がありました!

しかし、同じ6922のアンペレックス・ブランドでも「USA」ロゴ(9本組)と「HOLLAND」ロゴ(12本組)の2つのタイプが出品中。





いったいどちらを選んだらいいのだろう?

こういう時に一番頼りになるのがオーディオ仲間のKさん(福岡)である。同じ「AXIOM80」を愛用している「盟友」だが、とにかく真空管に関して知らないことはまずないと言っていいほど詳しい方。

さっそく訊いてみた。「6922をオークションで調達する予定ですが、“メイド・イン・USA”と“メイド・イン・HOLLAND”の2つのタイプが出品されてますが、どちらを選んだらいいんでしょう?今日(11日)の夜が落札なので切羽詰ってますが。」

「ちょっとオークションを覗いてみましょう。(その結果)メイド・イン・USAの方はオランダ・フィリップスがニューヨークの工場を買収して作ったものです。メイド・イン・HOLLANDの方はオランダ・フィリップスの正統派の流れを汲んでますから、落札するのであればぜひHOLLANDタイプをお薦めします。12本セットで現在14800円ですが、まっさらの新品(デッドストック)なのでかなりの値上がりを覚悟した方がいいですね。」

これまでKさんに相談するたびに「これは駄目ですよ~」と一言のもとに却下されるのが常だったので、こういうことは実に珍しい(笑)。

よ~し、本腰を入れてチャレンジすることに決めた。1本5000円として12本なので6万円、プラスして愛嬌で1000円、計61000円で入札していつものように夜8時ごろにバタンキューと就寝。これで落札できなかったときは縁がなかったものとして潔く諦めよう。

そして翌日、ガバッと跳ね起きるなりパソコンを開いてメールを見ると「あなたが落札者です」にニッコリ。しかも落札価格は予想外の31000円なり。

いやあ、想像以上に安価で手に入った。これもザイレックスの真空管がたまたま不調だったお蔭で、まったく「禍福はあざなえる縄のごとし」。前日の電子辞書に続いて、またもや故障のおかげでいい目を見た(笑)。

それにしてもメイド・イン・USAの方を見てみると意外と人気がなくてもっと安価だった。「入札に参加する人たちは皆、メイド・イン・HOLLANNDの方がいいことを知っていた」ことに驚いた。

とにかく、午前9時過ぎになってKさんにお礼の意味を込めて結果報告。

すると「(開口一番)おめでとうございました。落札の経過を注視してましたよ。最後まで張り合っている方が1名おりましたが、3万円の線で諦めたご様子でした。4本程度ならともかく12本まとめて購入となると、そんなに要らないということかもしれませんね。ところで、ご相談ですが12本のうち何本か譲っていただけないでしょうか?」

「もちろんです。12本も要りませんからはじめから何本か差し上げるつもりでしたよ~」。

6DJ8に関しては、「6922」からさらに高信頼管となる「7308」に至るまで良質の球を豊富に在庫しておられるKさんだが、今回はどうやら非常に食指をそそる球だったようで思わずニンマリ。

これで我が家のプリアンプは完璧なバックアップ体制のもとで稼働できることになった。

とにかくプリアンプの真空管の交換によって得られる音の違いは想像以上のものがあり、出力管の交換と比べても“どっこい、どっこい”でどんなに投資しても惜しくないくらいの価値がある。

愛用中の「AXIOM80」がことのほかその辺がシビアなので、頼もしくもあり、恨めしくもあり~(笑)。

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