「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「TRアンプ」と「真空管プッシュプルアンプ」の対決

2020年12月09日 | オーディオ談義

「あれっ、今日はなんだかいつもの300Bアンプの音と違いますね。ダイナミックレンジがとても広いし、それに艶があって凄く色気がありますよ」とオーディオ仲間のYさん。

「ウ~ン、分かりましたか!今日は出力管に本家本元のWE300Bを使ってます。」。

「道理で・・。いとも簡単に出力管の音質の差を出せるんですから、よほどアンプの部品とツクリがいいんでしょうね。」とYさん。

いつものことながらYさんの「耳の鋭さ」には舌を巻く思いがする。



ちなみに、このアンプを仮に「百万で譲ってくれませんか」という依頼があっても首を縦に振らないつもり~(笑)。

それはさておき、今回(5日)、Yさんに来ていただいたのはこのところ我が家のハイライトになっている「図体の大きなサブウーファー」(ウェストミンスターのこと)の仕上がり具合を聴いていただくためだった。

クロスオーヴァーをこれまでの「280ヘルツ」(-6db/oct)から「150ヘルツ」にしてからまったく「激変」という様相を呈している。

物凄い低音域の情報量と充実感にオーディオの根源的な生命力を感じてしまい、何だかすっかり酔っぱらった状態のままに「ハイレゾ」とやらのチマチマしたデジタル系の話がバカバカしく思えてきてしまった(笑)。

さらには他のスピーカーにも「応用範囲」がぐ~んと広がったのにも嬉々としているが、そのうちでも、白眉となるのが「AXIOM80」との共演で、これをまずYさんに聴いていただいた。

「とてもいいですねえ、それほど目立った違和感がありませんよ。AXIOM80にこれほどの低音域が加わったら鬼に金棒じゃありませんか」と感嘆の声を挙げられた。

そこで、やおらCDソフト「フラメンコ」の再生に取り掛かった。ダンサーの床を踏みしめる「ドスン、ガツン」のド迫力を聴いていただいて度肝を抜いてやろうという魂胆である(笑)。

お目当ての2曲目「タラント~ソンソンセラ」を聴いていただいてから、すぐに「どうですか?」。

「う~ん、こういうパルス音の低音再生がいちばん難しいと承知してますが、AXIOM80のハイスピード感はまるで高速スポーツカー並みですね。それに比べてサブウーファーのスピードがちょっと遅れ気味なのを感じました。しかし、AXIOM80のスピードに合うサブウーファーなんてこの世に存在しないでしょうからこれで良しとすべきでしょう。」

「そうでしょうね。口径38センチのユニットだともっとスピードが遅れるでしょうから30センチを選択して正解だったと思ってます」

それからYさんの注文に応じてクラシックからジャズまでいろんな曲目を試聴したが、そのうちおもむろにYさんが「実は、低音用にも使える真空管アンプをクルマに積んでるんですけど試聴させてもらっていいですか」と、切り出された。

エ~ッと、驚いたが「もちろん、いいですよ~」と一つ返事。



これがそのアンプ。出力管にEL34を使ったプッシュプルアンプで出力が片チャンで30ワット近く稼げるほどの(真空管アンプには珍しい)高出力アンプである。

オークションで「音が出ないジャンク品扱い」のものを格安で購入されたとのことで、新品同様品。

どうやら出品者がキット製品を仕上げることができないまま手放したようで、Yさんが落札後に専門家に診てもらったところ「バイアス電圧関係部分の配線の接着不良です。」とたちどころに故障個所が判明して無事に音が出るようになったとのこと。

これだから「オークションは止められない」の典型例ですね(笑)。

そういうわけで、TRアンプを外してこのプッシュプルアンプを据え付けて試聴開始。

自分も「TRアンプ」と「真空管プッシュプルアンプ」との対決には興味津々である。

そして、焦点の「タラント~ソンソンセラ」の再生に二人とも一心不乱に耳を澄ました。

そして「ドスン、ガツン」の低音域のあまりの重量感に思わず言葉を失った!

真空管アンプでこんな低音を出せるのか・・。今さらながら「プッシュプル方式」の威力をつくづく思い知らされた。

「参った」と思ったが、口惜しいので何食わぬ風を装った(笑)。

試聴後に、Yさんから「このアンプどうですか?」との問いに対して「TRアンプと互角ですね。重量感はこのアンプの方が上ですが、分解能となるとTRアンプでしょうか」と返事しておいたが、自分なら明らかに重量感の方を優先する。

「しばらく置いておきますので、エージングをよろしくお願いします」との自発的なお申し出に「ハイ、いいですよ」と、一つ返事(笑)。

真空管アンプの「シングル型式」にこの低音は絶対に無理なので、低音域に限っては「プッシュプル型式」という組み合わせが十分成り立ちますね、我が家では・・。



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