「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

戻ってきたアルテック「403A」3ペア

2013年10月08日 | オーディオ談義

先日「この前オークションで委託を受けて出品していたもののうち、落札が済んだ分の清算をしたいと思いますが、今日の午後はご在宅ですか?」と、オーディオ仲間のMさん(大分市)から電話

「ええ、おりますよ。本当はこちらからお伺いしなければいけないのに、わざわざ持ってきていただくとはありがたいです。」

今後まったく使う見込みのない不要になったオーディオ機器をぼちぼち整理しようと、オークションの代理出品をMさんにお願いしたのは8月中旬のことだった。

そのときにお預けしたのは、ジェンセンの1950年代のSPユニット「P8P」(ペア)、ヤマハのサブウーファー(ペア)、そしてアルテックのSPユニット「403A」(3ペア)。

アルテックの「403A」は4ペア持っていたうちの1ペアだけ手元に残しておいたわけだが、今回落札されたのはジェンセンとヤマハの分。予想以上にかなりの高値で売れて思わぬ臨時収入にホクホク。

しかし、アルテックはオークション市場でまったく見向きもされなかった。Mさんと相談の上、1セットづつ出品してもらったが最初は「28000円」で流したところまるで反応なし。次の2週目は仕方なく出品価格を下げて「25000円」にしたところ、これまた反応なし。

どうも人気が悪そうだ。このユニットは結構いい音がするのになあ。

購入したときはたしか1セット平均で30000円を下らなかったので泣きの涙。とうとう思い切って「18000円」のバーゲンセール。今度こそ落札者が出るだろうと思っていたら、これまた反応なし。フ~。

Mさんも「高い値段で購入されたそうですがお気の毒です」と、同情してくれた。こうなれば仕方がないと、とうとう泣く泣く「15000円」まで下げて出品することにしてもらった。

この話はひとまず置いといて、この日(3日)はMさんから清算代金を頂いた後に折角の機会なので我が家のシステムを試聴していただいた。

グッドマンのオリジナルエンクロージャーに「AXIOM80」を納めたシステム(「第三システム」)を聴いていただいたのは、今のところAさん(湯布院)だけで、先日のブログに記載したように大好評を博したわけだが、はたしてMさんはいかに。

「まったくオーディオ・システムの存在を意識させない音ですね。凄く自然な雰囲気を醸し出しています。こういう音は大好きです!」

Mさんはご自宅でタンノイ・オートグラフをレコードで愛用されている。プリアンプはマーク・レヴィンソン、パワーアンプはM・フィデリティのA級100ワットのコンビで凄くいい音で聴かれていて、これまでいろんなお宅でオートグラフを聴かせてもらったが、その中で自分が一番好きな音だと言っていい。そのMさんの折り紙が付いたわけだからうれしくなる。

それに持ってきていただいた試聴盤が実に良かった。タイトルは「エラ・アンド・ルイ」。

          

ジャズ史上に燦然と輝くお二人さんだが、さすがに“うまい”の一言でこれほど肩の力が自然に抜けてウットリと聴き耽ったCD盤も珍しい。これはたいへんな名盤。ジャズファンにはすでに周知のことだろうが。

ひとしきり試聴していただいた後に、次は旧来の「AXIOM80」(「第一システム」)を聴いていただいたところ、Aさんとまったく同様に「音の差は大きいですね、エンクロージャーでこんなに音が変わるものですか。AXIOM80が狭い中に押し込まれて何だか気の毒になりました。」とMさん。

「そうですね、よく考えてみるとAXIOM80が2セットも必要ないですね。旧来の分は入れ替えて別のユニットを納めることにしましょうかね」。

非常に思い出深い第一システムだが、これほど歴然とした違いを示されると未練も何も失くなってしまう。マニアとは用済みとなれば手の平を返したように冷たくなる人種のことである(笑)。

翌日の早朝からさっそくSPユニットの入れ替え作業に取り掛かった。はじめに、かねて用意していた補助バッフルにリチャードアレンの「ニューゴールデン8」を取り付けて聴いてみた。

「悪くはないんだけど、ちょっと音がSPユニットにベタッと張り付くなあ」。たぶんエンクロージャーとの相性が悪いに違いない。総じてイギリス系のSPユニットは(エンクロージャーの)えり好みが激しい。

次に取り付けて聴いてみたのが先述のアルテックの「403A」。手元に1セット残しておいた分である。

                    

明るく開放的でスカッと音が抜けきっていてさすがにアルテック。ジャズ・ボーカルなどは実にいい線をいっている。テレビ視聴などにはもってこいで、やはり自分の目に狂いはなかった!

同時に、こんなに素性のいいユニットを安値でオークション市場に出すのが何だかバカらしくなった。

急いでMさんに電話して、「403Aを売るのは止めました。3セットすべて引き取りたいのですがいいですかね」

「ちょっと待ってください。パソコンを開いて入札者がいるかどうか見てみましょう。(入札者が1名でもいるとオークション途中の停止は無理らしい。)大丈夫です、今のところ入ってませんのでこれから引き上げます。」

いやあ、売れなくてよかった、よかった!

「善は急げ」とばかり、さっそく4日(金)の午前中にMさん宅へ回収にお伺いした。

もちろんモノはついでとばかり、最新のシステムも併せて試聴させてもらった。

つい最近メリディアン(イギリス)のCDプレイヤー(セパレート型)を購入されており、いつものレコードとは違ってCDでオートグラフを聴かせてもらったが、これがまた実に惚れ惚れするような音だった。

内蔵のHPD385(38センチ口径)はとかくの噂があるユニットだがこういう音を出してくれるのなら、我が家のウェストミンスターも現在のD130(JBL)から入れ替えてもいいと思ったほどだった。

2時間ほど試聴させてもらってお礼を述べて、自宅に到着したのがお昼過ぎ。

           

な~に、3セットの使い道はいろいろある。

左右2~3発で鳴らすのも面白いし、先日のブログ「オーディオ予備軍の育成」(10月3日付)に記したように、若者のK君用として保管しておくのもいい。

オット、ここで凄い名案(?)が浮かんだ!

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