昨年(2022年)12月10日付で投稿した「小道具といえどもまったく手が抜けないオーディオ」をご記憶だろうか?
要は「クロスオーバーの設定をするための小道具のコイルといえども、そのブランドによって音がガラリと変わるので、まったく手が抜けない」という内容だった。
で、そのときにさっそく専門ショップに「ムンドルフ」(ドイツ)のコイルを注文したところ、「輸入品なので3か月かかります」「ハイ、いいですよ」というやり取りを経て、このほど注文品がようやく到着した。結局2か月弱で届いたことになる。
いかにも音が良さそうなコイルだと思いませんか~(笑)。表示にある通り抵抗値が「0.2Ω」だから通常のコイルと比べて1/10程度の値である。
で、この用途となると我が家の本丸「ウェストミンスター」の低音用ユニット「スーパー12」(英国ワーフェデール:口径30cm)に決まっている。
さっそく、ワクワクしながらこれまでの銅箔コイルを外して交換した。
ネットワーク周波数早見表によると、スピーカーのインピーダンスが「8Ω」の場合「1.8mh(ミリヘンリー)=700ヘルツ」(-6db/oct)となっている。つまり「700ヘルツ」のハイカットである。
さあ、ここで焦点になるのが中高音域を受け持つ「175ドライバー」(JBL)をどのあたりの周波数で「ローカット」するか。
これでガラッと音質が変わる。
で、その「小道具」となる「コンデンサー」たちがこれ。
左から「22μF(マイクロファラッド)」「12μF」「10μF」で、それぞれ対応する周波数は順におよそ「900ヘルツ」「1700ヘルツ」「2000ヘルツ」となる。
理論上ではハイカット「700ヘルツ」に対してローカット「900ヘルツ」が妥当だが、実際に聴いてみないと迂闊に結論は出せない。
ワクワクしながら順番に差し替えながら聴いてみると、こればかりはもう好き好きですねえ。
細身の柳腰のスタイルが好みの方は「10μF or 12μF」でOK、ややグラマラスなスタイルが好みの方は「22μF」というところですか~。
我が家の場合はクラシックが主体だし、ウェストミンスターではオペラやオーケストラを聴くことが多いので響きが分厚くなる「22μF」で決まり。
そして、ムンドルフのコイルは期待どおりの音でした。そしてお値段どおりの実力でした(笑)。
「-6db」といいながら、「700ヘルツ」あたりでスパッと切れる感覚が何とも言えない。
起用したアンプは「~700ヘルツ」を担当するのが「71Aプッシュプル」、「900ヘルツ~」を担当するのが71Aシングル。それぞれ新しい整流管で一段と磨きがかかったアンプです。
とりわけ、後者のアンプの整流管「83V」(RCA:刻印)は1930年代の製品で、日本に2本しかないそうです。つまり「北国の真空管博士」と「ここ」だけ(笑)。
「175」の抜けと艶はこれまで聴いた中で最高です。金属の「ダイヤフラム」から信じられないほどの瑞々しいヴァイオリンの音色が引き出せるのだからもう驚くばかり~。
「175」との被り(ハーモニー)がごく自然で、まったく「駄耳の持ち主」にはもったいないくらいの「特上のサウンド」ですよ、これは~(笑)。
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