「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

盗人にも三分の理

2024年08月01日 | オーディオ談義

前々回のブログ「目の覚めるような快音に猛暑が吹き飛んでいく」からの続きです。

あれは、もう10年以上も前のことだったかな~。

当時のブログで「タンノイの改造話」をするたびに、「有名なメーカーのオリジナル品を勝手に改造するな! お前はタンノイを冒涜するつもりか」と、ある特定の読者から抗議のメールがたびたび押し寄せてきた。

おそらく「タンノイ愛好家」だったろうと推察できる。

「自分の持ち物だからどうしようと勝手でしょう・・、もし不愉快になるのならこのブログを読まなきゃいいじゃないですか。そもそも誰もあなたに読んでくれと頼んだ覚えはありませんよ」と、その都度反撃するのだが、どうも懲りない方のようで堂々巡りがしばらく続いた。

今ではさっぱりメールが来なくなったのでもう亡くなられたのかな~、やはり「碁敵」みたいで一抹の寂しさを覚えてしまいますね(笑)

「盗人(ぬすっと)にも三分の理がある」という言葉がある。

「悪事を働く泥棒にも、それなりの理由があることをいう。 いかなることでも、こじつければなんとでも理由がつけられることのたとえ。」

よ~く考えてみると、メーカーがテストにテストを重ねて世に問うた自信作をそんじょそこらの訳の分からない素人が勝手に改造する・・、けっして褒められたことではないかもしれない。

ただし、一方ではメーカーも所詮は利益の追求集団なので、コスト面からどこかで「手を抜いているはず」という見方も成り立つ。

その両方の狭間の中で右往左往しているのがオーディオ愛好家というものだろうか。



で、この方がもしご存命中ならさしずめ、この画像のように「TRIAXIOM」(同軸3ウェイ:口径30cm)をサブ・ウーファーにするなんて「お前はグッドマンを冒涜するつもりか!」ときっと啖呵を切ってくるに違いない。

いくらブログ主が(サウンドを)気に入って「好き勝手放題にしていい」とはいえ、何となく後味がよろしくない・・(笑)。

というわけで、主役を務めてもらうことにした。自作の箱に容れており、肝心の「板厚」は「1.2cm」と薄くしている。



さすがにフルレンジだけあって「音像定位」にいっさいの狂いなし。

低音とか高音がどうのこうのというよりも、英国特有の「品のある佇まい」と ふっくら としたサウンドにうっとり~、クラシック音楽を聴くのならもうこれで十分だよねえ。

だがしかし・・、2~3日もすると日頃から「繊細で引き締まった音質」にすっかり麻痺した耳にとってはどうしても食い足りない部分が出てきてしまう~。

そこで、ガラッと変化させてみることにした。



口径20cmのウーファー専用のユニットが入った箱の出番。ウーファー専用だから必要悪の「コイル」を使う必要はない。このままでせいぜい3000ヘルツまでくらいは出てくれるはず。

そして、その上にはデッカのリボン・ツィーターのお出ましだ。ウェスタン製のブラックタイプのコンデンサーで「5000ヘルツ」あたりでローカットした。

この2ウェイに「100ヘルツ以下」をサブ・ウーファーで補強した。

木製の植木鉢に容れた「AXIOM150マークⅡ」(口径30cm)さん・・、ゴメンね(笑)。SPユニットは鳴らさないでおくよりも、適度に振動を与えてやった方が長持ちするからね~。

駆動するアンプの選択には苦労したが結局この3台に落ち着いた。



左から、「TRアンプ」は口径20cmのユニットを、「2A3シングル」(出力管はVISSEAUX:刻印)はリボン・ツィーターを、「WE300Bシングル」は「サブ・ウーファー」を、という組み合わせがピッタリ来た。

で、肝心の音質だがまさに非の打ち所がないとはこのことかな・・、口径20cmのユニットの素早い反応によるスピード感、そして透明感あふれるリボン・ツィーターの魅力全開というところで、おそらく我が家の6系統のスピーカの中で「ベスト・サウンド」ではなかろうか。

これぞまさしく猛暑を吹き飛ばすサウンド・・、お願いだから長持ちしてくれ~(笑)。



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