「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア

2018年04月19日 | 独り言

去る15日(日)、「2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア」(会場:福岡市、「マックス・オーデイオ」主催)に行ってきた。

         

昨年に続いて2回目の訪問だが、九州の片田舎では日ごろ聴けない高級機が一堂に会する得難い機会なのでオーディオ仲間(4名)で押し掛けた。

10か所ほどのブースを聴いて回ったが、機器の「エージング不足」を割り引く必要があるし、我が家の旧式な音と比較しての個人的な感想なのでどうか「真に受けないようにね」とお断りして、腹蔵のない意見を述べてみよう。

何しろ他人のシステムを云々するときとは違って、いくら貶(けな)してもいっこうに構わないのがとてもいい(笑)。


まず個別のスピーカーごとの感想からいこう。

   

JBLの「エベレスト」(648万円)だが、妙に低音域が膨らんでいて嫌な音だった。2本のウーファーのうち1本はサブウーファーの役割とのことだが、「コルトレーン&ハートマン」(レコード)では音像(歌手の口元)がやたらに大きくなってとても聴けたものではなかった。

同行の仲間曰く「カートリッジの選択ミスですね。昔のレコードをこんなところで鳴らすものではありません。」

「成る程、スピーカー側の一方的な責任ではないかもしれませんがそれにしてもねえ。こんなスピーカーならただでくれるといっても願い下げですよ。」(笑)。

    

アバロン(580万円)というスピーカーだったが、もう弦の音が固くて硬くて・・・。このスピーカーの存在価値がどうもよく分からない。

     

タンノイさんの「カンタベリー」(356万円)だが、これも感心できなかった。やたらに高音域がうるさく何だか金属的な響きがするし、低音域の沈み込みも明らかに足りない。

昔のタンノイは良くも悪くも「いぶし銀のような音」に特徴があったのだが、まさに隔世の感がある。

クラシック再生に限らずジャズの再生も併せて狙ったような音だったがどうも周波数レンジを広げ過ぎて音の密度を薄くしたような印象で、このスピーカーもただでくれるといっても要らない。

   

モニターオーディオ(イギリス)の「PLー300Ⅱ」(160万円)だが、これが一番気に入った。日本のイギリス大使館に収めてあるそうだが、とてもバランスが良く品のいい音で感心した。

低音域の沈み込み、独特のツィーターによる高音域の自然な佇まいなど非の打ちどころがなく、これは欲しいなあ、一瞬、我が家のウェストミンスターを叩き売ろうかと思ったほど(笑)。

ただし、仲間に「モニターオーディオが一番良かった!」と言っても皆さん「?」だったが、それぞれが個別に回ったので聴く機会がなかったのかもしれない。

    

これは大きな真空管ですねえ!「CSーport」のシングルアンプ(5、378千円)だそうで、見かけに応じてどうせ大味な音だろうと思ったがそうでもなかった。

しかし、こういう大型管を使う必然性とメリットについては短い試聴時間ではどうもよくわからなかった。

以上のとおりだったが、総合的な所感は次のとおり。

 総じて周波数レンジが広くてよく言えばブライト、悪く言えばギラギラした音が多かった。こういう音は「ちょっと聴き」はいいのだろうが長時間聴くとなると耳が疲れそうで、ついていけない気がした。少なくとも静謐感のもとでクラシック音楽に浸れる音ではない。まあ、瞬間風速向けのデモ用に調整された音なのかもしれないが。

 オーディオはどんなに高価な機器でも必ずしも「気に入った音は出ない」ことを改めて感じた。「パワーとお金は、かければかけるほど音が悪くなる」という通説は一面の真実ではありますなあ。

いずれにしても今回のフェアを通じてアンプにしろスピーカーにしろ昔と比べて進歩したのだろうかという思いが沸き起こったが、一方では自分の耳がガラパゴス化した可能性もありそうだ(笑)。


 

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