「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「AXIOM80」から念願の”ふっくらした音”が・・!

2022年01月26日 | オーディオ談義

つい先日に投稿した「4台の真空管アンプの大混戦」の読者の反応は、正直言って期待していたほどではなかった。

いかにも「マニアっぽい記事」が敬遠される傾向は一貫して否めないようでして~(笑)。

それでも懲りることなく、いろんな話題のブログを挟み込みながら「ほとぼり」が覚めた頃を見計らって再度「マニアっぽい記事」の出番といこう。

さて、「八面六臂」(はちめんろっぴ)という言葉がある。

ご存知の方も多いと思うが、広辞苑によると「八つの顔と六つのひじ。転じて、独りで数人分の手腕を発揮するたとえ。八面六臂の大活躍などという」

まさにその言葉に相応しいのが、このところ重宝している「Y球」である。



何の変哲もない
、ありきたりの「ミニチュア管」だが、さすがにオーディオ専用として作られただけあってその性能には目を瞠っている。

以下、詳述してみよう。

我が家にはプリアンプを除いて現在10台の真空管アンプがある。多いか少ないかは読者のご判断にお任せします(笑)。

うち1台(6A3シングル)は改造に出しており、もう1台(EL34プッシュプル)は低音域専用なので、残りの8台が常に出番を待っている状態。

そして、前回に登載した4台のアンプに続いて、残りの4台も忘れてもらっては困る存在だ。

ちなみに、前回のアンプ群がけっして「一軍(レギュラー)」というわけではなく、たまたま出番が後になったということなので念のため。

その残りの4台のアンプとは「6FQ7」プッシュプル、「371A」プッシュプル、「371シングル」(前段管がAC/HL)そして「PX25シングル)という顔ぶれ。

この度のSPケーブルの変更、プリアンプの球の交換に応じて、「4台の真空管アンプの大混戦」~パート2~といこう。

使ったスピーカーは前回と違って自作の箱に容れた「AXIOM80」(オリジナル初期版、以下「80」)。



「80」の箱は薄い板厚で共振させるのがベストだと思っているが、市販の箱で「板厚1.5cm」のものが無いので自作するしかない。

まず一番バッターは「6FQ7」プッシュプル。



我が家の中で一番「お金」がかかっていないアンプといえるが、なかなか楽しませてくれて重宝している。

で、製作の経緯を述べると、当初はチャンデバ用として出発したが、途中で気が変わってパワーアンプに設計変更となった。

その動機は「オークション」で名門「TRIAD」(トライアッド)の小振りの出力トランス(プッシュプル用)を格安で落札したことによる。

すぐに、知り合いの「K」さん(大分市)にお願いして、「前段管=6SL7」「出力管=6SN7」で組み立ててもらった。

「シンプル・イズ・ベスト」という言葉はこのアンプのためにあるほどで、小ぶりのパワーのもと、まるで蒸留水を思わせるようなピュアな音質にそれなりの満足感を持っていたが、そのうち変化を求めていろいろ弄りたくなった。

まずは、出力管を「6SN7」から専用の変換ソケットを使って「6FQ7」に代えてみた。

なぜ「6FQ7」かというと、「6SN7」と同じくらいの「μ=ミュー」だし、手元に4本(2ペア)あったので使ってやらないともったいないから。



通常のミニチュア管と比べてやや図体が大きい。RCAブランドの「クリアトップ」で、購入当時は人気管だったが今ではさほどでもない。

試しに出力管としてほかにも「E180CC」(英国:ムラード)を使ってみたが、やや強めの衝撃音のときに音が歪む、しかしこの「6FQ7」だとびくともしないので、この球じゃないとダメ的な存在。

本来の「6SN7」よりも明らかに音に色彩感が出てきて、そう、淡白な水彩画という雰囲気がなかなか好ましい。

次に、目を付けたのが前段管の「6SL7」だ。有名なSTCブランド(英国)「6SL7=CV569」を使っていたのだが、ふと思いついてこのところ大活躍中の「Y球」を変換用ソケットを使って挿し換えてみた(画像のとおり)。

すると、途端に音が柔らかくなって「AXIOM80」から微妙な翳りのニュアンスを見事に引き出してくれるではないか!

淡白な水彩画から色使いが豊富で奥行き感のある水彩画へと見事に変身。これは素晴らしい!

この「Y球」はプリアンプに使っても良し、パワーアンプの初段に使っても良し。

というわけで、前述の「八面六臂の大活躍」にようやく行き着きました(笑)。

と、ここからが本題です。

音が良くなればなるほど俄然、意欲が湧いてきて改めて「自作の箱」に着目。

箱の底面の20㎝四方の穴には「ARU」と「重し」の両方を兼ねて「AXIOM150マークⅡ」ユニット(軽いコーン紙)を据え付けているのだが、別に80の背圧の逃げ道として前面の下部に「1.
5cm×50cm」の隙間をつくっている。

聴いているうちに、この隙間が少し大きすぎるかもしれないなあ・・。

そこで試しに「ARU」(背圧調整器)の積りで半分以上を黒い布テープで塞いでみた。



すると、これまでよりも”ふっくら”として豊かな音が出てきたのには仰天した。たったこれだけのことで・・・!

固い「板」ではなくて柔軟にしなる「布テープ」を使うというのがミソである。

お金なんぞを掛けずに工夫を凝らす、これぞ「オーディオ」と思いませんかね?!

いかん、つい地が出てきて「自画自賛」になってしまった~(笑)。

しばらくこの「絶妙の音」を楽しみたいので他のアンプの出番は当分の間無しとしよう。


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