「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

たった一枚のCDが巻き起こした大騒動~最終回~

2017年09月08日 | オーディオ談義

前回からの続きで、今回が最終回です。

下記のうち1と2の対策は前回述べたので、今度は3と4の対策へ移ろう。

1 相性のいいパワーアンプを見つける

2 スピーカー周りの作業をする

3 プリアンプの真空管を代える

4 サランネットを取りつける

まずの対策から。

プリアンプに使っている真空管はどういうブランドを挿し込んでいたのか、すっかり忘却の彼方だったので天板を開けて引っこ抜いてみると、何と「東芝」さんの「12AX7」(3本)だった。

国産では「東芝」さんの真空管はとても評判がいい。個人的にも、いかにも日本製らしくツクリが緻密だし故障が少なく生真面目な再生音というイメージを持っている。

しかし、パワーアンプもスピーカーも海外勢なのでやっぱり相性というものがある。

そこで手持ちの「ムラードのECC83」(増幅用2本)と「テスラのECCー803S」(バッファー用1本)に差し替えてみた。

すると・・。

完全とはいかないまでも、キンキン感がかなり収まって聴きやすくなったのには思わず拍手(笑)。

微小電流を扱うプリアンプだが、きちんとした音声信号を確保しておかないと、良い部分も悪い部分も後々パワーアンプで盛大に増幅されていくのだからユメユメおろそかに出来ない存在だ。

もちろんこれはCDトラポやDACなどの前段機器にも同様のことが言える。まあ、言わずもがなだが(笑)。

これでかなり改善されたが、まだまだ~。

最後の対策として4が登場。

SPユニットをカバーする「サランネット」もかなり効果があった。そういえば、イギリスのスピーカーはアメリカと違って「サランネット」を被せて聴くものが多い。私見だが高音域をやや強めに出してサランネットでカバーして聴きやすくするというポリシーではなかろうか。

「サランネット」なんて、どうせ見かけだけだろうと甘く見ていたが、高音域のキンキン感を収める重要な役割があるんだとようやく納得。「今ごろ気付くなんて何だ」と笑われそうだが(笑)。

サランネットとしてクルマの日除け用に内部のウィンドウにくっつけるネットがたまたまあったので、マジックテープで「AXIOM80」に取りつけてみた。

             

我ながら凄い名案に、つい酔い痴れてしまったほどだが肝心の効果といえば悪くはないが決め手というほどでもなかった(笑)。

以上、全体的にみてこれら4つの対策でおよそ7割くらいはキンキン感が収まったような気がするが、あとの3割が問題で完璧とまではいかず、とうとう万策尽きてしまった。

けっして逃げるわけではないが、実際に身近で聴くヴァイオリンの音色はややキンキンしたところがあるし、「アルベ・テレフセン」の演奏を目の前で聴いたことがないので何とも言えないが、むしろこれが本来の音かもしれない。しかし自分はオーディオで調教された聴きやすい音の方が好きだ。

いつの日か「AXIOM80」から「ふっくらとしてやや重心が下がった音」が聴けることを今後の宿題としておこう。

なお、拙い経験上の話だが今回のように一枚だけのCDの再生に拘ると他のCDにはあまり応用が利かないケースが多々ある。

たとえばジャズの名盤とされる「サキソフォン・コロッサス」(ソニー・ロリンズ)がそれで、まず相当に録音感度が低いしモノラル盤とあってなかなか満足のいく再生が難しい。

とりわけシンバルをうまく鳴らそうと思ったら高域のレベルを相当あげなければいけないが、ツィーターをそのレベルに合せると、ほかのCDが何ともおかしな音になる。結局、両者が折り合うポイントを見つけて妥協するのが常だった。

そもそもCD盤というかレコード盤でもそうだが、それぞれ一枚、一枚の収録された録音状況(音質の鮮度や周波数レンジ)に違いがあって、画一的に再生できないところに根源的な難しさが横たわっている。

ましてや同じタイトルのCDやレコードでさえも外国版と日本版では音質が違うのだからリスナー側からするとたまったものではない。

これらの違いにまともに対応しようと思えばオーディオの迷路を彷徨い歩くのが関の山だが、とはいっても、一方ではオーディオの妙味はその辺にあるような気もする。


以上、たった一枚のCDが巻き起こした大騒動」に振り回された2日間だったが、なかなか楽しませてもらった。

何しろ1円もお金が掛からなかったんだからね~!(笑)




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