「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

たった一枚のCDが巻き起こした大騒動~その2~

2017年09月06日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

日頃愛用しているスピーカー「AXIOM80」だが、たった一枚のCDでメチャご機嫌が悪くなったのでひたすら赦しを乞いながら(笑)、以下のように4つの対策を講じてみた。

1 相性のいいパワーアンプを見つける

2 スピーカー周りの作業をする

3 プリアンプの真空管を代える

4 サランネットを取りつける

ここまでは前回記述したとおりだが、それではまず1の対策から。

はじめに、ヴァイオリンのキンキンした響きはパワーアンプとの相性が大きな原因だと睨んだ。とにかく繊細極まる「AXIOM80」はアンプを選り好みするので有名なユニットである。


4台の真空管アンプがとっかえひっかえ登場した。それぞれに個性があって捨て難いものばかり。

「エレハモの300Bを使ったシングル」、「171シングル」(インターステージトランス入り)、「2A3シングル」、「PX25シングル」

それぞれのアンプで電圧増幅管、出力管、整流管などを交換しながら「AXIOM80」との相性を確認するのだから簡単にはいかず、みっちりとまる1日かかった。

結果から言えば
、いずれも「無念の討ち死に」で、比較的GOODだったのは「171シングル」だったが、それでもあのキンキン感がどうにも収まらなかった。

        

このアンプの構成は電圧増幅管は「MH4」(メッシュプレート)、出力管は「171」(トリタン・フィラメント)、整流管は「OK-X 213」(メッシュプレート)と、1930年代製造前後のメッシュプレートの清澄感をもってしても(キンキン感を)克服できない
のだからどうやらアンプの責任(相性)ではなさそうだ。

1がダメなら次の対策は2。

次に「AXIOM80」を収めている自作のエンクロージャーに疑惑の眼を向けた。このエンクロージャーは自作してから半年あまりだが、やっぱり自己流の限界かなあと思うことが再々あるものの、逆に言えば「手がかかる子供ほど可愛い」存在だ(笑)。

いつも、めげることなくあれこれ手立てを講じているが、まずは「羽毛の吸音材」の量を増やしてみた。

吸音材の量は増えすぎると音に精彩がなくなり、足りなさすぎると音が粗くなるのでベストポイントが必要だが、こればかりはいろいろ取り換えて実際に試聴するしかない。

はじめに吸音材を増やして試聴してみると、キンキン感は少し収まったものの、肝心の溌剌とした元気が無くなってしまった。

これはアカン。「角を矯めて牛を殺す」という類である。

次にダメ元で「目の粗い敷物」をエンクロージャーの底部に設けた「ARU」(音圧調整器)に被せてみたところ、なかなかの効果があった。                                

この状態で「ライムライト」を聴いてみると、「おお、かなり良くなったじゃない」。明らかに低音域の量感が増してきたのである。

そもそも低音域と高音域は繋がっていて、いくら高音域がキンキンいっても低音域の量感が増してくると目立たなくなるものだ。したがって高音対策は低音対策でもある。

ほら、日本の「対アメリカ外交」は「対中国外交」でもあると「禅問答」のように云われるが、その表裏一体の関係と似たところがある。

おっと、また口が滑ってしまった(笑)。

スピーカー周りの作業としてはほかにも、「AXIOM80」を取りつけたバッフルの6本のネジをユルユルに取りつけて、板の振動を増やすことにしたがこれも悪くはなかった。

とはいえ、やっぱりキンキン感が完全に収まったわけではない。まだまだ物足りない。

次にいよいよ後半の2つの対策へ移ろう。

以下、続く。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする