「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

JBL375ドライバーの修理~#2~

2014年03月27日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

          

無事「375」ドライバーの裏蓋を開けて、いよいよダイヤフラムの位置の調整に取りかかった。           

音を出しながらの作業になるのでコンデンサーでおよそ500ヘルツ以下をカットしながら、アンプに繋いで音出し。歪んだ音を出した同じソースのCDをかけたが、ホーンが付いてないと実に頼り無さそうな“か細い音”がする。こりゃ、まるで内弁慶だ(笑)。

ダイヤフラムを動かす前に、念のためにマグネット部に取りつけてある8本のネジ(画像の小さなピンク色の丸で囲んだ部分)をそっと締めてみると何とすべてユルユル状態。な~んだ、犯人はこれだったのか!ダイヤフラムがしっかり固定されていないと歪んだ音が出るのは当たり前。

随分、手間暇を掛けやがってと腹いせに8本ともキツ~ク締めてやった。もちろん、締めるときはダイヤフラムの裏側の強力なマグネット部分からドライバーが引き寄せられないように手の平で隔てながらの慎重な作業である。

しかし、どうしてこんなに緩んだのだろうか?これは想像だが(375は)メーカー指定どおりの500ヘルツのローカットにしているものの肩落ち「6db/oct」なので500ヘルツ以下のもっと低域部分まで音が侵入したため、無理な振動によってネジが緩んだ可能性が大いにある。

つまりダイヤフラムに相当負荷をかけていることになるが、ホーン独特の切れ味のいい中低音にするためには300~400ヘルツあたりの周波数帯域は生命線だ。コーン紙を使ったウーファー独特のフヤけた低音とのブレンドの凌ぎ合いの中で音を引き締める効果が絶大。

したがってこの辺までの音域はぜひカバーして欲しいところ。ま、ダイヤフラムは消耗品だと割り切ることにしているが、駆動している真空管アンプが「刻印付き2A3・2号機」の小出力(3ワット程度)タイプなのがせめてもの救い。

そして、この作業で大発見したことがもう一つ。なんと、ダイヤフラム側の出力端子とSPターミナルのプラス端子とマイナス端子の結線が逆になっていた!「エ~ッ、これでずっと聴いていたの」と背筋がゾッとした。

そう言えばどうも思い当たる節があって、テストCDで位相チェックをしていると、アンプによって正相になったり逆相になったりしていたのでいかにも不安定だったがこれでようやく合点がいった。

これからきっとJBLシステムが正常に鳴ってくれるに違いない(笑)。

375を元のさやに収めてCDをかけてみると見事に歪音が解消されていた。作業は大成功。これもOさんのアドバイスのおかげでお金と時間の節約ができたのは何よりだった。オーディオ仲間は実にありがたい。しかも修理のついでに位相に関する接続ミスも発見できたわけで、むしろこちらの方を発見できたことの方が収穫が大きいくらい。

やっぱり今回も「故障転じてチャンス」となった!どうしてこのところこんなに運がいいのだろう(笑)。

そして、翌日の午後タイミングよく市内のYさんからご連絡があった。実際にフルートを吹かれる方で管楽器の生の音に人一倍鋭くて、いつもありがたいアドバイスをいただいている。

「お久しぶりです。お元気ですか?丁度、新しいCDトランスポートが来ましたので試聴に来ませんか」

30分とおかずにお見えになったYさんもすぐに音の変わり様を指摘された。一番うれしかったのが「JBLシステムが実にうまく鳴るようになりましたねえ。」とのご指摘。

さすがにYさん!

「そうなんですよ。これには積もる話がありまして・・・。」

話がくどくなるのでこの辺でお終い(笑)。


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