「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

出番ですよ~、「ナンバー2」の真空管!

2014年01月21日 | オーディオ談義

オーディオは音楽を聴く道具なので基本的には独りで楽しめる趣味なのだが仲間との交流があると、さらにその楽しみが何倍にも膨れ上がるような気がする。

そういうわけで仲間たちにはいつも感謝の念を抱いているがそのうちのひとり、Aさん(湯布院)とは一番長い付き合いでもう20年以上になる。

システムのどこかをいじったときは必ずといっていいほど来ていただいて試聴をお願いしているが、昨年末にプリアンプがほぼ完ぺきな状態で調整されて戻ってきたこともあって、
うれしさのあまり今年も年明け早々から二度ほど試聴していただいた。

☆ 1月14日(火)

愛用している「AXIOM80」が故障してしまい、修理に出してその代わりにエンクロージャーに収めたのがリチャード・アレンの「ニュー・ゴールデン8」(口径20センチ)。

「AXIOM80」と比べるのは酷だと分かってはいるものの、持ち主の評価としてはどうしても贔屓目になるので、冷静な第三者に判断してもらおうとAさんに来ていただいた。使用したアンプは真空管式の300Bアンプ。

試聴曲目はシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」(デービス指揮、ヴァイオリンはアッカルド)と由紀さおり・安田祥子コンビの「ローレライ」など。

「音の重心に不足はないのですが、もっと全体的に伸び伸びと鳴って欲しい気がしますね~。それにちょっと暗いです。」

「やっぱり、そうですか~」と言いながらもアレンさんに未練が残るので一縷の望みを託して「それでは真空管を代えてみましょうかね」と、中国製の300Bから本家本元のWE300B(1950年代のオールド)に代えてみた。

「いやあ、これは素晴らしい!まるで(リチャード・アレンが)生き返ったみたいです。こんなに差が出る
とは思いもしませんでした。」

それなら、「これはどうでしょう」と引っ張り出したのが今度は1988年製のWE300B。スピーカーのテストの積もりが何だか「球転がし」の様相を呈し始めた(笑)。

「明らかに音に若さを感じます。もっとエージングをした方がいいような気がしますね。日常的にオールドを使うのは勿体ないので、これは大切なお客さん用に取っておいて、いつもは1988年製を使用されてはいかがでしょう。年数が経つにつれオールドに近い音になるかもしれませんよ。」

WE300Bといっても製造年が30年以上も違うと、音が随分違う。たしかにAさんが仰るように日常的に使うのは1988年製がいいのかもしれない。

             

なぜなら、いつも中国製(写真左)を使うのでは淋しい思いがするし、オールド(写真中央)では音が良すぎて(?)もったいないし、そういう意味では1988年製(写真右)は絶妙の位置づけのようだ(笑)。

というわけで、出番ですよ~、「ナンバー2」の真空管!

それもこれも、真空管は消耗品だし修繕がきかないのでいつかは寿命がくる、それに古くて音がいい真空管はまったく再生産がきかないことに一番の原因がある。少々“みみっちい”ようだが後生大事に使わないとねえ。

☆ 1月18日(土)

我が家の問題児であるJBL3ウェイ・マルチシステム。ご機嫌がいい時と悪い時の差が激しくて手こずっているが、「手がかかる子供ほど可愛い」という言葉もある通り、自分で言うのも変だが愛情の注ぎ方は“ひとかたならぬ”ものがある(笑)。

この日は中域用のJBL375ドライバー(16Ω)に使っている真空管アンプPX25・2号機の真空管のテストをAさんとともにやってみた。

使った球は次のとおり。

          

直熱三極管の雄としてWE300Bと並び称されるPX25の本家本元はイギリスだが、タイプにはいろんな種類がある。

そこで手元にある4種類を試聴してみた。試聴の順番に写真左から「ドーム管」(イギリス:オスラム)、「ナス管」(チェコ製)、「ドーム管」(チェコ製)、「VR40ナス管」(イギリス:軍用管)。

試聴の結果、Aさん曰く「同じPX25でもこんなに音が変わるとは驚きです。今日は大きな収穫でした。あえて順番を言わせてもらいますと、VR40がダントツです。次に少し音の品格が落ちますがオスラムのドーム管です。チェコ製はちょっと・・・・。日常的に“VR40”を使うのは正直言って勿体ないですね~。」

やっぱり、ここでも出番ですよ~、「ナンバー2」の真空管!(笑)

最後に念のため申し添えておこう。

今回は何だか真空管のヒアリングテストになってしまったが、もちろんそれぞれに良さはある。上記の結果はあくまでも我が家の試聴環境での結果だし、それに使っているアンプの出力トランスや回路、初段管や整流管によっても出力管は生きたり死んだりする。

けっして先入観を持たないようにしてくださいね~。
 


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