「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

戻ってきた「AXIOM80」

2014年01月24日 | オーディオ談義

一昨日の22日(水)午後4時半頃のことだった。

いつものように60分ウォーキングを終えて、自宅に戻って“くつろいでいた”ところ玄関のチャイムがピンポ~ン。どうせ “押し売り”ぐらいだろうと玄関に出てみたところ、宅配業者が「着払いの荷物が届いています。」

思い当たることはただ一つなので「オ~ッ!」とうれしい悲鳴。

そう、1月7日(火)に修繕に出していたSPユニット「AXIOM80」がおよそ2週間ぶりにやっと戻ってきたのである!

そうならそうと、修繕屋さん(大阪)が事前に「これから送ります」ぐらい一言連絡してくれればいいものを、ここの店主さんは腕はいいけれど、そういう親切心はまったくない(笑)。

途中で1度連絡したところ、「まだ修繕中です。該当箇所に接着剤を沁みこませていますので時間がかかりますよ。」と、やや乱暴な物言いで、いつもの調子。

当方としても可愛い子供を人質に取られているようなものだから、ひたすら低姿勢で「そうですか、けっして急ぎませんのでたっぷり時間をかけてください」な~んて、心にもないことを言っていたずらに刺激しないように待ちの姿勢を貫いたことだった。下手に急がせて中途半端な作業をされても困るしねえ。

この調子なら少なくともあと1週間はかかると踏んでいたのだが、意外と早く戻ってきたというのが正直な感想。おそらく口は“ぶっきらぼう”だが心根は優しい店主さんが気を利かして急いでくれたのだろう。

夕食前のことだったが、すぐに作業に取り掛かった。エンクロージャーに容れていた「リチャードアレン」のユニットを外して、元通りに「AXIOM80」を入れ替える作業である。

途中で「ご飯ですよ~」と、家内が呼びに来たが「まだ、まだ、後だ!」。とにかく最初の「音出し」をするまでは食事どころではない(笑)。

SP周りの作業はとにかく慎重を要する。SPコードのユニットへのハンダ付け、エンクロージャーへの取りつ時のネジ締めなど、絶対に慌ててはいけない。ハンダが溶けすぎてユニットにこぼれ落ちでもすると大変なことになるし、ネジ締めの時に手が滑ってドライバーがコーン紙を突き破りでもすれば、もう自殺もので首をくくらないといけない。

ようやく2時間ほどで作業が終了して、心臓をドキドキさせながら「音出し~」。

故障個所は見事に治っていた。納品の説明書には該当ユニットの「周波数特性実測表」とともに、「コーン紙補強、カンチレバー取り付け直し、センター調整」とあったが、テストCDで200ヘルツ以下の信号を連続して入れたときに、「バタバタ」言っていたあの付帯音が見事に無くなっていた。

しかし、問題は音質。

何だか全体的にやや上ずった音がしてキャンキャン気味のどうも落ち着きがない音。むしろ修繕に送る前よりも悪くなっている感じで「困ったなあ、ちょっと期待外れだなあ」。駆動するアンプはWE300B(1988年製)だからアンプに不足はないし・・・。

ユニットの前にサランネットを付けて高音域をマスキングしたりしてあれこれ調整するも、どうもイマイチ。その日はとうとう諦めて就寝。

翌早朝、目覚めたときにふと気が付いた。そういえば「ARUを代えていたなあ。」

ARUとは、昨年12月のブログ「二つのAXIOM80の聴き比べ」にも搭載したように「Acoustic Resistance Unit」の頭文字をとったもので、音響的に負荷をかけて低い音を平坦に伸ばす役目を持っている」もので、要するに
ユニットの背圧の逃がし方を微妙に調整することで、豊かなふくらみのある音を得る道具のこと。

グッドマン社のユニットは通常のバスレフ方式だと「暖簾に腕押し」みたいなスカスカした音になるので、このARUは必需品といっていい。

                    

写真の水色で囲んだ部分が「ARU」の箇所で、エンクロージャー内部から2枚の金網を重ねて張り付けている。ユニットの後ろ側に出た音(逆相)を微妙に負荷をかけながら空気中に逃がす役割を担っている。

もちろんメーカー指定ではなく、自作のエンクロジャーだから完全にヤマカンに基づいた自己流である。とはいえ、何回も実験を繰り返してみた結果であることは言うまでもない。

以前は細かい目の金網を2枚張り合わせて張り付けていたが、別のユニット(リチャ-ド・アレン)に交換したときに細かい目と粗めの金網の2枚にセットし直していたのを思い出した。

「犯人はここかもしれない!」ピンと閃いたねえ。ちょっと遅すぎるが(笑)。

起き抜けだが、さっそく作業に取りかかった。エンクロージャーを“どっこいしょ”と倒して16本の裏蓋の長いネジを外してからご開陳。もう1枚細目の金網を足してみた。これでARUの構成は2枚の細目の金網と1枚の粗めの金網の計3枚の重ね合わせになる。

             

これが付け足した超細目のステンレスの金網で、考え抜き、迷った挙句の産物で近くのホームセンターで購入したもの。微妙な背圧の調整にはもってこいの代物だと思う。

さあ、注目の音出し~。結果は・・・。

大当たり~、それも以前より良くなっている!

あのキャンキャンした雰囲気の音が、しっとりと湿り気があってふっくら感が増して実に聴きやすい音になっている。高音域をマスキングするサランネットなんてもちろん要らない。たった30センチ四方の金網1枚で、これだけ音が変身するのだからまったくオーディオは奥が深い。そして、怖い世界である。

こういう勉強をさせてくれる「AXIOM80」さんに心から感謝。

これで、真空管アンプ「PX25・1号機」で駆動する「AXIOM80」(オリジナル・エンクロージャー入り)と、WE300Bアンプで駆動する「AXIOM80」の2系統システムが出そろった。

前者は官能的な雰囲気の音でどちらかといえばクラシック向き、後者はメリハリがきいた音でジャズ向き、かな~。いずれも甲乙つけ難しで、自画自賛になるがかなりの水準に達しているように思う。

ちなみに我が家の現在のラインナップは次のとおり。

CDトランスポート(ワディア270) → DAコンバーター(ワディア27ixVer.3.0) → バッファーアンプ → 真空管プリアンプ(2台) → パワーアンプ(真空管アンプ5台) → スピーカー(JBL3ウェイシステム、AXIOM80・2セット)

消費税が上がる前に弱点を補強するとなると、時代遅れの前段部分くらいかな~(笑)。
 


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