「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~オーディオ訪問記~

2011年07月23日 | オーディオ談義

先日(7月7日)に我が家に試聴に見えた大分市のEさん。

そのときに大いに気に入られたのがアンドラーシュ・シフ(ピアニスト)によるベートーヴェンのピアノソナタ「30番~32番」。

輸入盤のためご近所のCD店で調達が叶わず、ネットによる注文の依頼を受けていたが、ようやく19日(火)に「HMV」から我が家に到着。

そこで20日〔水)の午前中にEさん宅へ試聴がてら持って行ってあげた。

クルマで1時間ばかりのところの所でご近所に家が無いので気兼ねなく大きい音で試聴できるのがうらやましい。

すぐに専用のオーディオルームに通されたがアッと驚いた。        

       

まるで竹林に迷い込んだ感じで、「こりゃあっ」、と思わず絶句。

丁度我が家と同じくらいの部屋(およそ20畳)のシステムと正対した側に所狭しと並べられた「切り竹」のオンパレード。

「一体、どうしたんですか?」

「なーに、近所の山から竹を切ってきて並べただけさ」。

「ルームチューニング」にかけてはEさんの右に出る人はいないと思っていたが、見るからに音の反響が良さそうなので感心した。

「いい音がしそうですね~」としばし見入った。30年間以上も毎日数時間、何らかのオーディオ実験を繰り返しているEさんの努力にホントに頭が下がる思い。

しかも、ほとんどお金をかけないのが特徴で、何かしら身近な生活の材料をうまく工夫して使ってある。

たとえば自分が現在使っていて、大いに重宝しているスピーカーのインシュレーターも、大きなネジの先を旋盤で削り取ったものをいただいたもの。


         

システムのほうは2台の真空管アンプを駆使して、アルテックの「A5」を愛用しておられる。

         

低域用のアンプは「EL34」のパラプッシュで出力100ワットの代物、中高域用はウェスタン300Bのシングルでモノラルの2台。 

                 

このウェスタン300B(アメリカ)は30年間この方、毎日数時間鳴らしても一切故障知らずというから驚異的な球の寿命に驚く。整流管は同じくウェスタンの274Bだそうでこれも長寿命。

名三極管としてウェスタン300Bと並び称される「PX25」(イギリス)を自分は愛用しているが、これまでにもう5本ほどツブしているので音質は別として、耐久性はまるっきり違う。

アメリカとイギリスの軍事力の違いの象徴かもしれない、な~んて。

オーディオマニアは「ウェスタン」という言葉におしなべて弱いのもよく分かる気がする。

さて、Eさんのお好きなジャンルはもうスピーカーからお分かりのようにジャズ主体だが、今回のベートーヴェンのピアノソナタのようにクラシックもときどきといったところ。

さっそく、ジャズを聴かせてもらったが、いかにもアルッテクらしい音のヌケの良さで、まったく振るい付きたくなるような音。

2年ほど前にもこの部屋で試聴したことがあるが随分と響きがまろやかになっている印象を受けたのでこれは聴取位置の背後にある「竹林」の成果なのは間違いなし。

我が家にも「竹林」を置けないものかと一瞬、頭をよぎったがスペース的に無理だろうし、それにカミさんが、「見かけ」が悪いと猛反対するに決まっているしなあ~、ヤレヤレ。

ジャズの次にクラシックを聴かせてもらったが、日頃我が家のウーファー4発を聴き慣れているので、さすがにちょっと低域不足を感じた。

気心の知れたEさんなので、ためらいなく「スーパーウーファーを使ったら」と持ちかけたところ、以前導入したけれどどうしても低域に違和感を感じて手放されたとのこと。

Eさん得意の粘り腰で、もっと研究してみる余地があったような気もするが。

後日、湯布院のAさんと話したときにアルテックの「A5」は構造上、低域が出にくいとのことだったが、その欠点を上回るほどの音の「切れ味」はなかなか捨て難い。

2時間ほどお邪魔して帰宅の途についたが、改めて「ルームチューニング」の重要性を思い知らされた今回のオーディオ訪問だった。

 


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