「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

独り言~「高(たか)ころび」~

2010年01月22日 | 独り言

最近の民主党「小沢幹事長」の騒動を見ていてふと連想したのが「高(たか)ころび」という言葉。

「高ころび」とは絶大な権勢を振るう人間が、突然「仰向けにひっくり返って」失脚することをいう。

由来を探ってみよう。

時計の針は大きく遡って、織田信長が天下取りを目指して日の出の勢いで権勢を振るっていた安土桃山時代へ。

以下、ネットで「戦国時代 えけい」〔検索)でヒットしたうちの「江戸の散歩道」さんから引用させてもらいました。

当時、
安国寺 恵瓊(あんこくじ えけい)という毛利の外交担当として働いていた僧侶が、山県越前守・井上春忠に宛てた書面(1573年12月)で織田信長の将来をこんな風に予見した。

「信長の勢いはあと3年から5年ぐらいは続くのではないでしょうか。来年あたりは、朝廷から要職をいただいたりするほどで、今とても勢いがあります。だがしかし、その後は高ころびに仰向けにひっくり返って織田信長は没落してしまうように見えます。」

「本能寺の変」が1582年なので、その10年も前に織田勢力は長く続かない事を予見していたが、そもそもどうしてこんな予見ができたのか?

織田信長という人物がもっていた
凶暴な側面(旧来の譜代家臣を突然追放したり、寺社を焼き討ちしたり)は周囲の人間から反感、怨恨をかい、敵をつくりやすかった性質といえる。

日本で活動していたルイスフロイスなども、信長の残酷性を実例をあげて言及している。

   ・ 果物のカスを捨てなかった侍女を切り殺した。

   ・ 竹生島に参詣に行っている間に安土城から抜け出していた侍女た 
     ちを皆殺し。

   ・ 茶坊主に不手際があり、棚の下に逃げ込んだ茶坊主を棚ごと切り  
     殺した。

「こんなことをしていれば、あと4、5年もしたら、いずれ誰かに恨まれるなり、討伐されるなりして殺されるだろう」というような予想を、安国寺恵瓊はしていたに違いない。

「自分の家臣、明智光秀に裏切られて天下を取れなかった」というのは織田信長という武将の妥当な結末であり、近畿圏とその周辺あたりの統一までが戦国武将としての織田信長の限界だったのかもしれない」という見方も成り立つ

以上のような内容で、後世のいろんな歴史小説や資料でもこの安国寺恵瓊の指摘を称して
「高ころび」と紹介してあり、頻繁に出てくる逸話なのでご存知の方が多いかも。

因みに安国寺恵瓊はこの予見で歴史に名を遺すこととなったが、さらに秀吉の隆盛を早くから見込み、のちに側近となって戦国大名にまで取り立てられた。

しかし、目先が利いたのもここまでで「関が原の戦い」で西軍に組したため敗戦
後に「刑死」。

さて、冒頭の話に戻って「小沢一郎」さん。

あの田中角栄に実の息子のように可愛がられ、脱税容疑で逮捕された金丸信とも密接な関係を持っていた、いわば自民党の金権体質を色濃く引き摺ってきた人物である。

政治資金管理団体の「陸山会」という名称も田中角栄の「越山会」と「陸奥の国」(東北地方:本人の出身地は岩手県)の両方に由来している。

実際に、新聞やテレビ、ネット情報なんかでは大好きな不動産の取得を含めて蓄財にすごく熱心だそうで、やっぱり政治家の
「氏素性」(うじ すじょう)というものは争えない。

こういう人物が「弱者の味方」を標榜する民主党にいること自体に改めて「違和感」を覚える。

先般のブログでも紹介したように、首相の地位にあった小泉さんが当「民主党は小沢を取り込んだのが失敗のもとだった」との発言も、今にして思えばこの辺に真意があったのかも。

民主党の総選挙大勝利後の「小沢」氏の権勢振りについては改めて言うまでもなかろう。まさに「織田信長」並みの「当たるべからざる勢い」。

党の人事をお気に入りの側近で固め、優柔不断の首相をこれみよがしに”ないがしろ”にし、大事な時期にもかかわらず予算編成の要の財務大臣にプレッシャーをかけて辞めさせるなど、
民主党の最高権力者として君臨し、誰もが「もの言えば唇寒し」とそっとしているのが実状。

地検の任意聴取に応じなかったのも、自分の権勢に過信があったのが背景だろうが、多忙を理由に断っていたくせに、ナンと囲碁の名人位と対局中の様子がテレビ放映されてしまった。ネット情報によるとこれを見た地検の幹部が「バカヤロー」と言ったとか。

こういうナメた態度の結果ともいえるのが、秘書、元秘書などの3人逮捕でうち一人は現職の国会議員。

今となっては厳しい世論の勢いに押され、しぶしぶ地検の任意聴取〔23日予定)に応じるようだが、果たして今後の展開はどうなるか。

「高ころび=逮捕」か「七転び八起き」になるか世間は固唾をのんで見守っている。





 

 




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