赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

オフカウント

2013-03-27 08:15:20 | 日記
筑井千枝子さんが新刊『オフカウント』新日本出版社 を、出版され、送ってくださいました。装丁、大人向きみたいにすてきです。中学生男子、三人が文化祭でジャグリングとダンスに挑戦するストーリー。三人のつかずはなれずの関係が、クールで、『今』を感じます。また、その三人にからむ、リエという女の子のキャラが、また、いい。

オフカウントというのは、ダンスの裏カウントで、ワン エン トゥー エンという風数える時の、拍と拍との間に刻まれる裏のビートで通称エンカウントのこと。わたしはこんなカウントのしかたがあることも知りませんでした。

筑井さんは、おはなしエンジェル子ども創作コンクールの選考でご一緒しました。芯がしっかりした、気持ちのいい、誠実な方でした。同人誌「にじゅうまる」で作品を書き続け、今回が、二作目の作品です。

高学年の本は出にくいといわれています。
ダンス、ジャグリング、を題材にされたのは、現代の風を作品にいかそうと、きっと取材されたか、勉強されたのでしょう。
文章のすきまから感じる気持ちよさは、筑井さんのお人柄そのままです。
いじめも、離婚も、家庭崩壊も、大きなけんかも、でてきません。また、大げさな事件もでてきません。それなのに、読み出したらやめれない、さわやかな後味のYAです。

筑井千枝子さんの、これまでの積み上げてきたものがあったからこそ、書けた作品だと思います。みなさん、どうか手にとってください。