赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『中くらいの幸せの味』みとみとみ 

2019-10-29 16:36:18 | その他

みとみとみさんが単行本デビューをされました。

これは毎日小学生新聞に連載された作品です。そのころ、みとみさんはわたしもいた児文協に会報部にいたので、みんなで連載を喜んだことをおぼえています。わたしも小学生新聞をとって、岡田千晶さんの絵も楽しみに毎日読みました。

すぐに本にはならなかったのを、みとみさんは根気よく書き直しをされて、今回、とてもおもしろく、小学生にも読みやすいようにまとめられました。

父ちゃんが入院してしまい、家の中華料理屋は大忙し。なのに手伝いもしない盛太郎におさななじみのすずはイライラ。

そんなすずにかりたてられて、手伝いを始めた盛太郎は、小学生が店のためになにができるかを考えていきます。

みとみさんは、会報部の頃、とてもいろんなアイディアをかんがえて細かいところまできっちりやってくれました。

そんなみとみさんが、登場人物に重なるといったら、怒られるかな?

でも、作品ってどこか、作者の人となりがにじみでますよ。そこが物語の個性や味になったりして。

長くあたためた作品が、いい形になり、デビューをはたしてよかったと思います。

そうそう、みとみさんは創作教室の出身でもあります。今度、講座ブログも書いてくれるそうなので、そちらも見てください。

 

今日は冷たい雨。今年は雨がおおすぎです。

もうすぐ十一月。どうか晴れの日が増えますように。

 

 

 

 


柏葉幸子さんの新刊『湖の国』を読みました!

2019-10-27 07:34:05 | その他

図書館で佐竹美保さんの表紙の絵に魅せられて、手に取り、即、買いしました。

柏葉さんの新刊は東北を舞台にしたファンタジー。深い愛の物語です。

いくえにもミルフィーユのように謎と神秘が重なっています。最初はふしぎなことばかり。どうなるんだろう、どうなるんだろう、だれなんだろうと思って読むと、中盤で半分くらいがわかります。そして、最後、伏線が一気につながって、ああ、こうだったのかと気持ちよくあわさっていきます。

ずっと盛岡に住んでいる柏葉さん。東北は宮沢賢治もいて、ふしぎがすぐそばに自然にとけこむように描ける地のようです。

柳田圀男の遠野物語も児童むけにリメイクして書かれたりしています。

山の間にあるしずかできれいな湖。そこに行けば永遠の命がもらえるという言い伝え。

記憶をとりあげられても、残る思いはあるのか、ないのか。

そういえば、かつて末吉暁子さんがざしきわらしを取材されたとき、東北を語るには飢饉をからないととおっしゃってました。

厳しい自然ととなりあわせて、死が身近にあった土地でもあったのでしょう。

これは愛のものがたりですが、生と死の物語でもあります。

少し複雑なので、最初、がまんして読み進めてほしい。途中から不思議のとりこになっていきます。

今、東北は紅葉も終わりの頃でしょうか。山間の紅葉に彩られた湖を見に行きたくなりました。

この秋、たくさん本がでています。たかどのほうこさんの新刊も気になるところ。

ああ、でも、肩が痛い。運動しなければ

 

写真は、赤坂クラッシックハウス。ひさびさ大学の友だちとおしゃべりしました。、

 

 


国分寺ぶんぶんウォーク

2019-10-23 08:45:11 | その他

さて、明日は小平9小にうかがいます。ゲストティチャーです。

二時間「おはなしのたね」について話して、給食もいっしょにいただけるそうです。うれしい!

で、準備にあたふたしているところです。

さて、国分寺の街をあるくおまつり。ぶんぶんウォーク。今年もやられるそうです。

ブックタウン企画もあります。テーマは「本がつなぐひととまち」

ビブリオバトルもあるそうです。妖怪部屋の最後のところを見てください。バトラー、募集しているそうです。

こちらは、11月16日土曜日だけ。

小中学生の部もあります。わたしは観戦はしますが、スタッフはしておりません。

毎年、企画されている方に感謝して、あそびにいきます。

国分寺は公園が多く、イチョウの紅葉がみごとです。わき水スポット、お鷹の道では、もみじもきれいです。

時間がある方は、ぜひ、予定にいれてください。


上戸田でビブリオバトル

2019-10-21 19:01:54 | その他

日曜日、粕谷さんがビブリオバトルのデモをするというので、そのイベントにいきました。

戸田公園というところからあるいていける図書館分館もある地域交流施設です。今回はおいしいカレーも食べられるイベントだということです。

粕谷さんといっしょに話すのは、ビブリオバトルが大好きな小説家 竹内真さん。

賞もいくつも受賞されて、本もたくさんだされている人気の小説家さんです。

竹内さんのビブリオバトルもでてくる作品、『図書室のバシラドール』は、WEBで今だけ読めるそうです。

http://www.f-bungei.jp/novel.php?mid=37&cid=1

さて、ビブリオバトルは、竹内さん、粕谷さん、ビブリオバトル常連の男性と三人でおこなわれました。

カレーにちなみ「スパイス」がきいている本ということで。

みなさん、とてもおもしろそうな本を紹介してくれて、行ってよかった! おもしろかった。

その中で、チャンプ本をとったのは粕谷さん。

そして紹介した本は『きつねの時間』蓼内さんの本です。

でも、せっせんでした。

バトルのあと、みんなでカレーを食べました。

カレー屋さんダンデライオンのカレーです。おいしかった。

ダンデライオンでは、お酒を飲みながらのビブリオバトルを熱心にやられていて、その活動がビブリオバトル普及委員会の年間優秀賞に選ばれたそうです。

去年、わたしたちもとった、あの賞です!

そのお祝いもかねたビブリオバトルだったそうなのです。

お祝いの品として、マスターに、図書館、上戸田分館の館長さんのてづくり、チャンプ本置きが贈呈されました。

てづくりってところが、なによりすごい。

分館といえど、図書館では、積極的にいろんなイベントをやっていらっしゃいました。また、参加者も男性もいらして、また、若い方も多かったです。戸田は国分寺よりも新しい街なのでしょうね。本が好きな人と出会えるのは楽しいです。

図書館にわたしの本も置いてもらっていました。

と、楽しい一日でした。

 


濱野京子さん、 新刊二冊

2019-10-19 15:14:24 | その他

昨日は、国分寺三小で給食を食べてきました。セーフティネットというスマホの授業も見学。

うーん。これは必要だと思いました。

そして、今日はトイレがこわれ、家中であたふた。

いろんなことが起こります(^_^;)

 

さて、秋になり、みなさん、たくさん新刊をだされています。

濱野京子さんが、二冊、ちがうタイプの本をだされました。

これは、講談のような語り口。人気講談師に語ってもらいたいような、ノリです。

中国の伝説がもとになっているのかな?

紅玉という美少女が頭の回転のよさで、まわりのえらい人たちを手玉にとっていきます。

それがすごく爽快! どうなるんだろう、どうなるんだろうとページをめくる、ハラハラ、ドキドキの物語。

わたしは波瀾万丈のストーリーで、ハラハラしたり、ドキドキしたりで楽しませてくれる物語が大好き。

最近、児童書ではこういうタイプの本が少なかったように思います。ひさびさ、冒険談を楽しみました。

これは、谷中を舞台にした、洋食屋さんに働くことになった奈留美が主人公の連絡短編集。就活がうまくいかず働くところをさがしていて、近くの美容室レインでおしえてもらいアルバイトすることになったという設定。この美容室が『ことづて屋』にもでてきたもの。そちらも読んでいるわたしはとてもなつかしいです。

谷中のあたりは、三度ほどしか行ったことがありませんが、少し昭和のレトロでなつかしい雰囲気。紅らんたんも、高齢者が集まる昭和っぽい洋食屋さん。そこでおこる人間ドラマなのですが、わたしの年代、そうだ、そうだとうなずくこともあり、おもしろく読みました。ときに身につまされたりも。

濱野さん、人間観察、するどい!とも思いました。また、あとがきにはちょっとうるっときました。

また、文庫ですが字が多くスルッと読めます。途中『頭のうちどころが悪かった熊の話』って安東さんの本がでてきて、なんか笑っちゃいました!

わたしも小さな喫茶店でアルバイトしたことがあります。半年ほど。就職が決まるまでの大学生の頃。

企業内の小さな喫茶室で、くる人は顔なじみでいつも暇。マスターがいい人で、ゆったりしていました。なんか、ずっと忘れていたそんなことを思いだしました。

最初の『南河国物語』はクルクルとめまぐるしく物語が動き、そこがおもしろく、次の『紅らんたん』は、ゆったり珈琲を飲みながらだれかの身の上話を聞いているような、くつろげる気持ちにさせてもらえると、タイプが違います。

こんな風に幅広く書けるってすごい!

濱野京子さんは忙しから書けないといいつつ、こんなに書いてるなんて。さては、テスト勉強していないといいつつ、100点をとるタイプだったのですね。