赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

モリス展と子どもとことばの力・フォーラム

2013-09-29 22:41:51 | 日記
さて、すがすがいい気候にさそわれ、日曜日、ウィリアムモリス展にいってきました。府中市美術館で開催されています。
 
娘がつきあってくれました。壁紙が有名でしたが、ステンドグラス、家具、刺繍、染め物、本の装丁、いろんなものが見れました。
府中市美術館がある公園も、緑がきれいで、親子連れがたくさん来ていて、ベンチにすわっているだけで、森林浴をした気分が味わえました。
←は、サクラの並木道です。もう少ししたら、赤く染まるのでしょう。

さて、話は全くかわって、土曜日に児童文学者協会で、ちらしをもらいました。↓
以下のような昔話に関するフォーラムがあるようです。小澤俊夫さんのお話は一度聞いてみたいと思っていました。岩崎京子先生も元気で講演をこなすなんてすごいです。

読書の秋、ペンクラブ子どもの本委員会もたくさんの意欲的な講演を企画しているようです。どちらも、行きたいですが、わたしは、まだ、時間がとれるかどうかわかりません。
興味のある方は、ぜひ、行かれてください。

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フォーラム「子どもとことばの力」第6回を開催します
物語の原点ともいえる昔話-子どもたちにとっての意味を考える

平成25年10月10日(木)
14時00分~17時00分
(13時30分開場)
日本出版クラブ会館
3階「鳳凰の間」
住所:東京都新宿区袋町6
TEL:03-3267-6111

プログラム

第1部 講演 「いま、子どもたちに昔話を」 小澤俊夫氏(筑波大学名誉教授、昔話研究家)
第2部 「わたしが書いてきた昔話」 岩崎京子氏(児童文学作家)
※講演後「講師お二人に聞く」 聞き手・藤田のぼる氏(児童文学評論家)

定員200名

会費 無料

日本図書教材協会


お問い合わせ

(社)日本図書教材協会
「子どもとことばの力」フォーラム係  担当:渡部、小宮
電話 03-3267-1041
FAX 03-3267-1047
メール forum@nit.or.jp



『どんぐり ころちゃん』 & 『都会のアリス』

2013-09-26 07:01:44 | 日記
みなみじゅんこさんが、新刊絵本をだされました。『どんぐり ころちゃん』(アリス刊)わらべうたを絵本にした、おかあさんとこどもがうたいながらページをめくれる絵本です。
きれいなシルクスクリーンで描いた、ころちゃんがかわいい!!
今、こういう、かわいさって、うけていますよね。きっと、たくさんの人に手にとってもらえるでしょう。

みなみさんは、話し方から、独特のおだやかなやさしさをもっている方です。じっと、絵本をみていたら、ころちゃんがみなみさんにも見えてきました。
絵本も、お話もどこかその人を写すんですね。

そして、本屋を歩いていて、衝動買いをした本があります。装丁のかわいさと、めくった時の挿絵の美しさ。そしてタイトル!
『都会のアリス』 石井睦美・著 岩崎書店 です。  挿絵は 植田真さん


まず、文章がすてき! アリス(佐知子)の一人称がかかれているのですが、テンポよく、言葉がスキップしてるように軽やかで、それでいて、合間、合間に人生で大切なことも匂わせています
 軽やかさに吸い込まれるように、一気に読んでしまいました。読後感もとてもよかったです。
中でも、わたしが一番好きなのは、赤いコートをきた小さなアリスに出会うところ。不思議な場面をかわいく美しく描いています。
「わたしはアリス、どんなことがあってもへこたれないの」
なんか困った時、ふんばれる気がするような力があるセリフ。繊細な中にそういう強さを秘めた石井睦美さんは、やっぱりきっとアリスの雰囲気を写しだしているのでしょうか?

でも、それなのに、わたしが一番感じた感想は、「ああ、ものわたりのいい夫で、うらやましいな」です。わたしもぼんやりする旅に出たいって、まっさきに思ってしまったから。我が家はだれも「いいよ」とか「いってきなよ」っていわず、「ごはんは、どうするの?」とか文句をいいそう
ごはんなんて、コンビニでいくらでも売ってるのにね!
でも、わたしの友人によれば、そういわれても行ってしまえばいいってことみたい。その勇気が少しかけているのでしょうね。

まあ、ぼんやりひとり旅なんてあこがれてても、ひとりになったら、淋しくてすぐに帰ってきちゃうかもしれません。思い描いている時が、楽しいのかも。そんなことまで思う、『都会のアリス』でした(*^_^*)


イベント「作者と画家の対談」

2013-09-24 08:44:31 | 日記
本多公民館おはなしポケット主催のイベントのちらしができあがりました。トップページからも見れるようにリンクしました。
 
なんか対談なんて書かれてしまうと、気恥ずかしいのですが、わたしは対談というよりアシスト役のつもりで、おぼまことさんの楽しいお話をたくさん引きだそうと思います。

おぼまことさんはご存じの方も多いと思いますが、長いこと一線で活躍されてきた個性ある画家さんで、おもしろいエピソードをたくさんお持ちです。むるいのネコ好きもそのひとつ。だからおぼさんの絵本には、どこかにネコが描かれているものが多いです。また、独特の楽しいキャラクターもたくさん描かれてこられました。
個性あふれるおぼまことさんならではのエピソードを、ひとつでも多く話してもらえたらと思っています。
おぼまことさんは、講演会など人前で話されることはあまりありません。少ない貴重な機会です。スクリーンに絵本をうつしだして、楽しい会にしたいとはりきっています。

会場には、なんと「おとまりの夜」の原画も飾ります。月刊絵本の画像との違いも感じてくれたらうれしい
とはいえ、企画者もおぼさんもわたしも、のんびりしているので、打ち合わせは10月にはいってから。いったい、どんな会になるでしょうか、という段階です。

 
さて、連休、わたしはある同人誌の合評によばれてたり、母のところに行ったりしたりして過ごしました。

そして、映画もみました。渡辺兼主演の映画「許されざる者」。これが、まあ、兼さんはかっこよかったのですが、暴力シーンが多くて、目を覆う場面ばかり。
わたしなんて、1/3は、目をおおっていたかも。
デートでは見に行かないほうがいい映画です。

見た後も、人を殺してしまった主人公のやるせなかさが強くせまってきて残りました。
監督はそれこそ描きたかったのかもしれませんが。
さて、ほかのみなさんはこの映画、どんな風にみて、どんなことを感じたのか、聞いてみたりしました。


宗田理

2013-09-20 08:07:34 | 日記
今週の朝日新聞の夕刊で、「人生の贈り物」という連載コラムを宗田理さんが書いています。
ベストセラー「ぼくらの七日間戦争」の方。
わたしは、年齢をみて、びっくりしてしまいました。な、なんと、八十五才。それでも今でもアイディアがつきず、書き続けているというのですから。

驚いたついでに、本も購入してしまいました。子どもたちはおもしろがって読んでいたのですが、わたしは宗田理は読んだ記憶がありません。
奥付を見ると、「ぼくらの七日間戦争」は1985年刊とあります。でも、今でもファンがいて、読み続けられています。
作家の旬は十年、一番のって書ける時期は十年なんだっって話を、編集者さんから聞いて、そうなのか、とも思いましたが、今回のような怪物作家のコラムを読むと元気がわいてきます。
わたしも、まだ、○年は書けるかもって!

昨日は中秋の名月。
今日は母といっしょに父のお墓参りに行ってきます。


ねむの花

2013-09-18 09:08:54 | 日記
すてきな物語を読みました。
『ねむの花がさいたよ』にしがきようこ著 小峰書店 です。
Beの合宿の時、話題になった本です。

おかあさんが亡くなるという悲しい出来事からのきららの心模様、きららをとりまく人間模様をていねいに描いた作品。黒電話が鳴る所とか、いろんな場面も、目にうかぶようで、せつなさがあふれてきます。

そして、ラスト。希望をもって進んでいく様子が、子どもの視線で描かれていて、このラストの場面だけ、繰り返し読んでしまいました。祈るような気持ちで書いたという作者。その思いが行間からにじみでています。言葉をていねいに選んで、これしかないというものを探されて書かれたんだと思います。

この話の脇役として出てくるねむの木。なんと、引っ越した我が家のすぐそばにひとつ、見つけました。左右対称に行儀よく葉っぱが並ぶこの木。葉はやわらかく、少しの風にでもそよそよと揺れます。葉っぱの色のやわらかさも、好きですし、暗くなると葉をとじてしまうという特性も、おもしろいなーと思います。
今は、花が咲いてませんが、花が咲いたら、きっと、この作品を思いだすでしょう。

草木をつかった作品を読んで、わたしはずいぶん、花や木の名前を覚えました。
安房直子さんの作品から、サンショや、ホウノキ。キキョウやキンモクセイ……。
そして、歩いていて、その草木を見つけると、そのお話を思いだします。
キキョウとみると、人差し指と親指で、四角くして窓をつくってみます。(←知りたい人は、「きつねの窓」を読んでください)

そして、とくに心に残ってるのが、「花豆の煮えるまで―小夜の物語」のラストにでてくるホウノキの場面。
小夜がホウノキにのぼって、枝にたくさんのリボンをむすんでいく場面が、小夜の揺れる心と、そこはかとない悲しさをたたえて、簡単な言葉ばかりで書かれた作品なのに美しいです。
その後、旅館などで朴葉焼きなどを食べる機会があると、あの作品の深い東北の山間で静かに暮らす旅館の様子を思いうかべてしまいます。

わたしが安房さんの作品で草木の名前を覚えたように、きっと、『ねむの花がさいたよ』で、ねむの木を覚える読者がたくさんでてくるでしょう。農学部出身のにしがきさんには、そういった作品をこれからも書いていってもらいたいです。