核戦争を題材にした作品は数多くあるが、
米ソ対決が激しい時に上映された「猿の惑
星」はエンターティメントの要素を持ちな
がら、ラストシーンが衝撃であった。
核戦争の危機という時代背景から生まれた
作品であった。
その前には「渚にて」があり、核戦争後の
放射能により、人類が絶滅していく姿を、
淡々と描いている。これもラストは衝撃的
であった。
1983年には「ザ・デイ・アフター」によ
り核戦争により主要都市が消滅した後の世
界を描いている。
最初の核兵器によるEMPで、車がすべて止
まり、ICBMのサイロから次々と飛び出し
ていく核ミサイルの映像は恐怖であった。
広島・長崎のようなリアルな惨状は描かれ
ていないが、恐ろしさは十分伝わってきた。
さらに「核の冬」の研究も進んだ。
数発使われただけで、世界中が冬を迎え、
作物など食料生産が激減してしまい、人類
の多くが餓死してしまう。このことが科学
的に明らかにされている。
米ソ対決の象徴であった核兵器の巨大な数
は一方のソ連崩壊後、若干は減ったが、あ
い変らず膨大な量を保有している。
それどころか、核兵器保有5大国である米
国、ロシア、中国、イギリス、フランス以
外にインド、パキスタンなど拡散してきて
いる。
そして、北朝鮮である。
毒ガスと違って、核兵器は国際的に「違法」
とされていない。
毒ガス兵器を禁止するのような国際条約が、
ないからだ。
しかし、いよいよ「核兵器禁止」の国際条
約が国連の場に上程され、可決されようと
している。
核兵器が毒ガス兵器と同じように「違法」
となる。
まさに歴史的瞬間を迎える。
核兵器は毒ガス兵器以上に、残虐な兵器
であり、人類と核兵器は相いれない。
核兵器をゼロにするしかない。
核兵器を「違法」とし、その上で核兵器
をゼロにする。そうしてこそ北朝鮮の核
兵器・ICBMの開発を中止させることが
できる。
核兵器禁止条約交渉の国連会議に、共産
党の志位委員長が米国に出発した。
唯一の被爆国である日本の政府はまった
く動かない。それどころか「核兵器禁止
条約」にアメリカと一緒に反対している。
自公政権は、歴史の流れから取り残され
ている。やはり、新しい政府が必要では
ないか。