病気になった場合は、健康保険証さえあれば病院ですぐ診てくれる。「国民皆保険制度」として、日本の医療の素晴らしいところだ。
国民健康保険の負担増がつくりだした「無保険者」を除けばという前提があるが。
ところで新型コロナの感染拡大のなか「うつ」などで精神科を受診しようと思ったら、釧路市では約3ヶ月待ちがあたり前。釧路市立総合病院では5ヶ月という状態。またすでに新規は受け付けていないという精神科クリニックも出てきている。
ここまでくると新規の人にとっては、精神科は「医療崩壊」といえる状況ではないのか。
新規受付の三ヶ月待ちがあたりまえという状況は、私の経験では10年以上続いている思う。
釧路市議会でこの問題を取り上げてもらったところ、釧路市立病院では「今年5月から外来新規患者の予約枠を1日当たり2人から3人に拡大する方針」との答弁。これで少しは緩和されるが、実態は深刻だ。家族や友人が「このままでは自殺」するのではと思っても、すぐ受診につながらない。
問題の角度は違うが今月の6日、北海道議会で「精神障害者の差別問題」を日本共産党の宮川道議が質問した。
「精神科入院中に新型コロナに感染しても感染症病院に転院できなかった患者が631人」「精神障害者の治療は後回しになる『命の選択』が始まっている」との告発を取り上げた。
道保健福祉部の答弁は「障害の有無によって必要な医療の提供に差があってはならない」と。
問題は、現場の実態だ。新型コロナで医療資源がまったく不足している。
そして、精神科では健康保険証があっても「受診」ができない状態が長らく続いているし、悪くなっている。
自公政府のもと、医療の削減の結果ではないか。
地域の具体的問題の解決にむけた取り組みとともに、国の方針のいっそうの強化・充実が求められている。
政治の役割は重い。