「三日天下」であった明智光秀。
大河ドラマなど、数々のものから私たちは明智光秀像がつくられている。しかし、400年以上の前の出来事が、これほどリアルに、さらに人物像も微に入り細を穿つように描かれた出来事を、私たちはインプットされ、それが当然のように思っている。
小説やテレビドラマの影響が大。
この定説を覆す本が出た。
「本能寺の変 431年目の真実」 明智憲三郎著(720円)
著者は名前から分かるように、明智光秀の子孫。
表題にひかれて読んでみた。これがおもしろい。
有名な
「時はいま あめが下しる 五月かな」
これが明智光秀の「謀反」の決意を詠んだ句として、定説となっている。これは違うと、さまざまな文献をあたり、定説を覆していく。
戦国時代、江戸時代、本当は・・・
織田信長の「鳴かずば殺してしまえホトトギス」
豊臣秀吉の「鳴かせてみせようホトトギス」
徳川家康の「鳴くまで待とうホトギス」
これは本当の人物像とかなり違うという。
戦国時代の馬は、ポニーのような小さい馬で、ドラマのような騎馬戦はなかった、など・・・
謀反の原因については、恨みなどではなく、信長の「唐入り」=大陸侵略を隠すためではないか、と推理している。「唐入り」反対派の謀反の可能性がでていた。その一人が明智光秀ではなかったか。
秀吉は実際に朝鮮半島に出兵している。
戦国時代は謀反は最も警戒すべきことだったのだから。
この対外侵略を封印し、鎖国政策によって、世界でもめずらしい平和の260年間が続いた。しかし明治になり、大陸侵略のDNAが復活し、、朝鮮半島の植民地、中国での満州国、東南アジアへと「大東亜栄圏」「八紘一宇」へと、いっきに破たんの道へすすんだ。
こうしたエピローグは、なるほどど感心した。
納得できる。
いままた、安倍首相によって、「平和」のため、「国民の命を守る」というスローガンで、自衛隊を世界に展開させようとするDNAが復活しつつある。「唐」を敵視し、包囲網をつくろうとしている。
しかし、時代は違う。国民主権の時代である。古色蒼然たる発想の安倍首相。それに対して、絶対許さないという反対の声が広がっている。歴史を土台で動かすのは民衆である。
なぜそれほど急ぐ、立ち止まれ、今国会では断念せよ、廃案に。
日増しに広がっている。