佐藤功の釣ったろ釣られたろ日誌

釣り・釣りの思い出・釣り界のこと・ボヤキ.etc

安全な釣りのために・その1

2009-03-30 16:46:58 | 釣り界の歴史
楽しい釣りの世界にもたくさんの危険が伴っています。海、川、湖、池・・・いたる所で水難事故は起きています。私達の会では、少しでもこうした事故をなくそうと救命具の着用をするよう啓蒙活動をしています。「釣りは自己責任での遊びですよ」と、声を大にして言っています。

また、自分の出したゴミはマナーとともに持って帰ろうと呼びかけていますが、それでも守らない人は多いです。

テレビで放映するときは絶対に救命具を見えるところに付け、そうした放映もお願いしています。特に波止やボート釣りで付けてない人が多いのです。

大阪湾での転落事故があって以来、各方面から大阪湾釣り禁止の件に関して問い合わせが多くありますので、少しその経過を書きます。

3月26日「第2回港湾施設の立ち入り禁止区域の指定に係る検討会」が、今話題のATCの40階の会議室で行われました。

今回は関係者からの意見聴取と言うことで、大阪釣り具協同組合理事長の大藤勲氏がまず発言、転落事故のお陰で皆が困っている現状を訴えました。併せて大阪のフィッシングショー来場者5万人のうち8割が大阪在住の人であり、それだけ多くの釣人がいるということもアピールしました。

日本釣振興会から(株)中央漁具社長の橋本俊哉理事が、大阪市民のささやかな楽しみを取り上げて欲しくない、大阪湾で釣りが出来ないと言うのは大阪の恥であるとまで訴えました。ゴミ問題にしても、一部の釣人のためにすべての釣人が悪いように言われるが、これは日本人のマナー低下が問題だと提言しました。

渡船業者代表の矢澤明氏が、訴訟問題で迷惑をかけて申し訳ないと詫び、さらに安全を心がけていきたいが、ただ、夢洲を釣り禁止にされると利用者の80%が無くなることになり、業者として成り立たないと訴えました。

保険については、船中、波止の上と、ばらつきがあるので補償を協議してもっと上げる方向に持って行きたいと考えています。

大阪海上保安監部から、警備救難課長の田中祐二氏が映写による「海で消える人命について」統計を元に話された。その資料から19年度のデータを書き出します。

(1)マリンレジャーに伴う海浜事故・・・・平成19年・・326名
(2)マリンレジャーに伴わない海浜事故・・平成19年・・230名

この(1)に釣りが含まれていて157名の行方不明者が出ています。その内訳は、転倒35%、孤立19%、波に引き込まれる12%、病気7%、その他27%で、上記のうち原因となるものは92%が自己の過失となっています。

釣り中の事故者のライフジャケット着用と非着用による生存率では、

着用者43人のうち・・・生存者79%、死者、不明者21%、
非着用者231人のうち・・・生存者54%、死者、不明者46%

第五管区海上保安本部管内で発生した平成19、20年の釣り中に亡くなられた方は38名おられますが、そのうち磯で15名、防波堤や岸壁が16名、消波ブロック上6名、その他1名で、磯よりも防波堤や岸壁の方が危険と出ています。

そして、最後にこのように書かれています。

大阪に住んでいる方が和歌山や兵庫に出かけて事故に遭われるケースが多い。和歌山では地域を挙げて釣人の安全を守る努力を続けているが、大阪の人に届いているのだろうか。

行政責任の追及が本当に市民の納得できる結果を導くのだろうか。一方で、釣人の自己責任として、すべてを片付けてしまえるものなのか。

行政と釣人が一体となって、安全、マナーの向上を図る手立てはないのか。いま大阪の港に全国の釣人が注目している。
大阪に住み、生活する人々の命を守るためにも、大阪が発信源となって、関西、そして全国へとアピールしていく必要があるのではないだろうか。行政責任を担う一つのツールとして救命胴衣の着用を呼びかけていくべきだと考えている。
コメント
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