日本語おもしろ発見

日々の生活から

「分かりにくい」「読みやすい」を尊敬語にすると・・・

2013-03-28 16:27:55 | 日本語豆知識
卒業式が終わり、寂しくて仕方がないので、気を紛らそうと学生時代を振り返り、たくさんの講義を受けた中で、覚えていること、印象に残っていることは何か考えてみました。

そのひとつに、

「『お求めやすい』は間違った敬語である」

というのがありました。テレビショッピングなどであまりにも聞きなれていたため、それがなぜおかしいのか考えたこともなかったので、とても驚きました。

まず、正しい表現は、「『動詞+形容詞』の形を取るものを尊敬語にする場合には、動詞の部分だけを尊敬語にすれば良い」のです。

だから、「お求めになりやすい」が正しい表現になります。

なぜ、間違っているのかというと、「お求めやすい価格」とすると、形容詞の尊敬語にするので、お求めやすいものに敬意を払っていることになるからです。「お美しい奥様」と比較すればよくわかります。

タイトルの「分かりにくい」「読みやすい」の尊敬語は「お分かりになりにくい」「お読みになりやすい」となります。

参考文献
文化庁(2007)「敬語の指針」
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf

磯部佳宏(2008)「『敬語の指針』をめぐって」『山口大學文學會誌』58
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スタバはないが、スナバはある

2013-03-28 09:46:51 | 日記
こういうコメントが大好きです。いいですねぇ。
ちなみに最近,私はコーヒー豆を,鳥取・島根県に2店舗のshopと4店舗のcafeを構える澤井珈琲で買っています。

『朝日新聞』夕刊 2013年3月27日付

スタバはないが、スナバはある 鳥取、逆に存在感

スターバックスの山陰1号店のオープンに行列する人たち。早い人は朝3時に来たという=27日午前9時7分、松江市

開店直後のスターバックスでは、島根限定のマグカップを手に記念写真を撮る人たちの姿も見られた=27日午前9時44分、松江市
 【藤田絢子、山崎聡】店があるのが「都会の象徴」と言われたコーヒー店チェーン・スターバックス。27日、都道府県で46番目になる島根県に誕生し、朝から客の長蛇の列ができた。その結果、唯一取り残されたのは鳥取県。隣同士で悲喜こもごもになったが、交通網が発達しておらず、全国チェーンに取り残されがちな事情は変わらない。
 午前9時、JR松江駅に併設の商業施設にスタバがオープンした。春の冷たい雨にもかかわらず、開店前には島根限定のタンブラーを買う人らの行列が80メートルに達し、45ある座席もあっという間に埋まった。
 松江市の会社員、高浜脩一郎さん(19)は「今までは県外に飲みに行っていた。気持ちが高ぶる」と大喜び。
 スタバは1996年、東京・銀座に国内1号店を開業。2000年代には地方にも展開し始め、これまでに45都道府県に983店を構えた。
 山陰両県が残された大きな理由が物流の問題だ。両県は高速道路が少なく、配送に時間とコストがかかる。スタバは今回、岡山県から他社との共同配送便を使ってコストを削った。
 両県を一つのエリアとしてとらえて出店場所を検討する中、松江を選んだのは、駅前にいい場所を確保できたからだ。
 1号店の様子をみて「山陰」2号店を検討するというが、島根にするか鳥取にするかは決めかねている。
 スターバックスコーヒージャパンの関根純・最高経営責任者(CEO)は「鳥取が最後に残ることになってしまったのは我々にとってもプレッシャー。場所探しを急いでいる」。
 「スタバはないが、スナバ(鳥取砂丘)はある」
 スタバの島根進出が発表された昨年秋、鳥取県の平井伸治知事はテレビ朝日のニュース番組でこう強がった。すると、その日のうちにツイッター上で約2万件「引用」され、「スタバがない県=鳥取」が全国に知れ渡った。
 実は昨年4月、鳥取市経済観光部の担当者らがスタバ側に出店を打診していたが、結果的には島根に後れを取った。鳥取県の広報担当者は「PR効果があったことは素直に喜びたい」と話しつつ「移動販売車でもいいから来てほしい」と心中は複雑そう。
 ただ、若い市民は意外と冷静だ。鳥取環境大2年の後藤清光さん(20、鳥取市)は「別にあんまり行きたいとは思わない」。島根に先を越されたことにも「人口の差ですかね」とクールに話した。
 総務省の家計調査によると、都道府県庁所在地と政令指定都市のうち、鳥取市の家庭はコーヒー豆や粉末の購入量が全国1位。一方、喫茶店で使った代金は32位と低め。鳥取県民は自宅でゆっくりコーヒーを飲むスタイルが好きらしいことも背景にあるようだ。
■「大いに誇っていい」コラムニスト天野祐吉さん
 人口が少ない島根、鳥取両県は全国チェーンの進出が遅い地域だ。コンビニ最大手のセブン―イレブンが、ない5県の一つが鳥取。ドトールコーヒーの唯一の空白県が島根だ。ディスカウント店のドン・キホーテは両県とも、ない5県に含まれる。
 それでも、全国チェーンがないのは悪い側面ばかりとは言えない。
 消費や広告に詳しいコラムニストの天野祐吉さんは「一番後ろを走っていたところが、時代が変われば一番前を走っていることもある。スターバックスがアメリカニズムの象徴だとすれば、日本で唯一、侵食されていない土地だということ」と指摘。「たまたまかもしれないけれど、大いに誇っていい。ないことを恥ずかしいと考える人はたくさんいるが、これからはそういう時代じゃない。日本でここだけない、という広告にしてもいいと思う」と両県にエールを送る。

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