日本語おもしろ発見

日々の生活から

逆上するの意味の「切れる」はいつから使われている?

2008-02-15 21:45:22 | 日本語に関する疑問
 「切れる」中高年増と新聞の見出しにも使われるようになった、逆上するという意味の「切れる」・・・

 本日、某ニュース番組を見ていますと、アナウンサーが「この言葉は最近の言葉かと思ったら、結構昔から使われているんです」と言うではありませんか!

 えっ?いつから?江戸時代?室町時代?

 と思って、その先を聞いていますと、なんと広辞苑、しかも第六版にその意味が記述されていると説明を続けたのです!
 
 当たり前じゃないですか。先月発売の広辞苑第六版と言えば、10年ぶりに大改訂されて、新しい言葉や説明も入れたということで、マスコミをにぎわしていたんですから。第六版の特色として、一般語については、「新しい意味や用法の広がりを的確に捉えることに重点をおきました」と岩波書店のHPにもしっかりと書いてあります。

 したがって、広辞苑第六版に載っていることが昔から使われていることの証明にはなりません。で、手元にある1998年発行の第五版を見てみますと、こちらにすでに「逆上する」の意味説明がありました。ちなみに1991年発行の第四版にはありませんでした。

 じゃあ、次に気になるのは、いつから使われているかということです。ここで日本最大の国語辞典『日本国語大辞典』第二版の登場です。調べると、「(こらえていた気持ちが途切れて)逆上する。多く、現代の若者が用いる。」と説明してありました。しかし、残念なことに初出の例がありません。確かに、用例を探すのは難しいでしょうね。もしかしたら、論文にあるかもしれませんが・・・

 で、日本国語大辞典のオフィシャルサイトの日国友の会のページを見ました。ここには、読者(辞書も読者?愛用者?)からの投稿があって、新語、新しい意味、初出の用例の訂正などを見ることができます。

 やはり、「逆上する」の「切れる」に初出の例がないことからでしょうか。投稿がありました。それによると、


「あのときは、レポーターもさすがにキレるかと思った」

著書・作品名: 今夜もパジャマトーク
媒体形式: 単行本 刊行年(月日): 1991年 著者・作者: 岸本葉子 掲載ページなど: 104
発行元: ファラオ企画

 これが、初出例ということになるでしょうか。91年か、私の学生時代・・・確かに使っていたかも・・。「切れる」よりも「ぶち切れる」の方をよく使っていたかも・・・。でも、もうちょっと前にも用例があるような気もする・・・

 誰か、見つけたら、日国友の会に、ぜひ投稿してください^^

コメント (1)
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